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20231223「一粒を両手にして」

進め進め
1ミリでも
何でも伸ばし
でもそれがどこまでだとか
のろのろと歩ませる
成長しつつ失い
違うわたしになるのなら
あなたは一体誰なのだろう
知らないあなたを
新鮮さで出迎え
会ってなかった時間の
差異こそがあなたなのなら
わたしも同様に
進んでいるのだろうか
結構失われた方が多いのに
長さの先には
どんな定規が必要なのか
計らなければ知れないものを
きっと大事にしているのだろう

ついさっきまで
そこに居たのに
離れて行って
どこに行くのか
行き先は言わなかった
またいつか出会うだろうその先で
別の時間を過ごしつつ
どれもが同等なのだと
そう思う
何をしても
秒で過ぎ
混乱しつつ正確に
それを示す
呆けているのに
それもまた知覚の在り方
感情の回帰の連続
1秒経ってまた1秒
追い越せないままに
涙は溢れる

いつもの鼻垂れ小僧
背負った薪を焼べ
爆ぜる炎で着火する
記憶の繋がり
今と昔の物語を紡ぎ
今とこれからの在り方を
同時に誘い
そのままにして
既に持ってしまった前後を抱え
わたしたちは変化を続ける
忘却との不確かさまでも
乗っかかる煙の誘惑
香辛料の棚から
零れる一粒
夜を照らし
仄かなひとときまでも
愛おしい
あわれと言うなかれ
既に抱えているそのもののこと

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snufkinsmile
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