20231212「いいよいいよ」
いいよいいよって
いいのかわるいのか
いいようにとって
いい方に受け取っておこう
正直な気持ちでも
うまく表せない時もある
いやいやと濁しても
ええええとその後を表せなくとも
何となくわかる気がして
勘違いかもしれないのに
いい方に取っておこう
断定的であって
曖昧でもあって
含みを纏わせた語韻の差異を
あれかそれか
もしくはそんな感じなのだと
現せないことの膨大さをもって
ひとこと呟く
いいよいいよそれでいいの
のなんて付けても付けなくても
尖った先で的を目がげて放ったはずの
風と重力に逆らえずに
あらぬ方へと飛んで行く
語尾の先に繋がる空白で
わかるような気がしていて
どう次を続ければいいのか
余韻の連続は段々に小さくなり
遠くへ行きつつ
それでも残ってしまうもの
そんな紡ぎを綯うように
絡めては解いて
解く疎らな空隙に
そっと乗せる
ふっとした瞬間
目を合わせ
気づいたような
気づかれたような
視線の相槌で応答する
ゆっくり滲み
広がるそれは
どこかに染み渡り
その色を残す
洗われた雨ざらしでも
その成分が残っているのなら
もう一度染色してもいい
汚れた感情さえ
いつになく遠く感じて
今に戻って来るだろう
そんな記憶のどこかに
引っかかって
再現されるかもしれない
過ちと再帰の構文
口にするそれで
わたしたちはわたしたちになる
ひとこと言って
もうそれは見えないとしても
放った震えで誰かが戦ぐ
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