20240613「小箱の中」
小箱の中に
ひとつずつ収め
蓋をして
そっと置く
どれもが大切で
忘れたくないもの
それでいて
奥の方へ置いてしまったから
手を伸ばし
なかなか届かないけれど
手繰り寄せて
また開く
どれもがわたしのこと
遠く近く
そしてまだ見ぬ物ごとを
仕舞おうとせっせと作っている
わたしのどこかを探して
前後しながら
きょろきょろ見回す
あれこれそれどれって
つかもうとしては
手から零れる
溢れるのは思いの丈
また落ちて
砕けつつ
合流する
滲んだ世界に雨が降るなら
それでもいい
今日の日がいつものようには
ならないとしても
あなたはそこで生きるのだろう
一瞬とまどい目蓋を閉じる
もう開けることないそれらもまた
いつかのことを気にして
待ってるかもしれない
自分だけしか知らない
世界の秘密
誰もが持ってるそれぞれの小箱
与えられたとして
大事に持っていて
開く時ごとに
溢れつつ記憶のどこかへ送っている
持ち切れないもの
もう要らないもの
両天秤に置いて
その上下に揺られ
風が抜けたら
新しいく窓を開ける
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