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20231112「与えられたもの」

与えられたとして
朝に目覚め
夜を待つ
何をしてもいいが
それまでは準備をして
何者かになる
どれを選んでもいいし
どれを選ばなくともいい
と言われると迷うかもしれない
そこに在ること
そこに在るもの
目の前に映るもの
光景の片隅で
待っているもの
待たせておいたのなら
遅れてごめんと言いつつ
待ってたよと
あなたが言う
誘われたのならどこまでも行こう

最初があれば
最後へと続く
どれもが変化し
哀れもない螺旋に乗りつつ
降りる準備を周到に控えている
それならば飛ぼう
落下しつつ
その浮遊の小数点を振るわせて
届くひかりの粒を集め
エンジンは燃焼する
廃棄された焼成を微塵に帰し
はらはらと地面へと降りそそぐ
その破片さえ反射の煌めきで
誰かの網膜へ届く
その過程がわたし自身だとしても
まだ見ぬあなただとしても
わたしたちの現実感を当て嵌め
一片のパズルを組み込もう
疎らな空隙を参照しながら

次はきっと
あなたの番で
存分に振る舞い
踊りの練磨を縦横に伸縮させる
一喜一憂の物語
幕間を待ちつつ
松花堂で腹拵えしたら
誰でもないわたしと
誰でもないあなたの順番で
引き継がれる仕草の手形
花押の余韻
漉かれた和紙に
零れる雫
染み込んだ
わたしたちの問い
投げかけられる意味合いで
別の価値が生まれるだろう
昨日までの連戦を終え
別の夢さえ各々が描き出していく

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