20240904「移行の時間」

一度下がって
夏を送る
冷静さを少しずつ戻し
朝の肌を風に通す
明らかな間違いだとしても
水を一口飲んで
まだ眠たいみたいだが
季節を巡り
どこそこへと
移動の準備をしている
どこに行こうと
好きな所へ行けばいい
ここではないどこか
どこかではない今のここ
ピンを留めて
比較しつつ
選択は滑らかに溶かしている

喉を潤し
体内を巡らせ
意識できない身体の働き
わたしを駆動させ
こてんぱんにこてんこてん
夏を払い
次の季節を用意する
茹だるように解けて
毎日を送り
その時を充填している
気づけない問いまでも
あからさまに
目を閉じて
暫し休憩
考えを落としつつ
それらを持続させ
濃淡は更に静かに移項している

いつの間にか稲刈りの準備
そして飛んで来ないツバメたちの飛行
カーブの軌跡をその目に焼き付け
収穫の時とする
雑念ばかり
その糸を縢り
編み込んだ隙間を通し
いつにない呼吸で
別の代謝を覗いている
とりとめない日常の連続
そして継ぎ接ぎの修復
充てがわれた存在だとして
転びつつ零し
浮き足立った熱を覚まし
次の項目へと繋いておこう
今がその時だと思って
すぐに行動を始めておこう