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20241023「そのボタン」

全力のつもりで
そのままでも
惰性でその先へと移り
余剰の分だけ余裕を得ている
いつもがそうとは限らないし
新鮮な空気もまだ残っている
だがしかし
余談は許さない
どこから降ってくるのか
誰がそのボタンを押すのか
全自動の前でふと立ち尽くし
手を伸ばした先に
何が起こるのか
知ってるくせに
誰かから押され
わたしではないわたしになっている

そんなこともあるのだろうと
薄々はわかってるだろうに
弱さの前提で
その力を肥やしたり諂ったり
それぞれの生きる力は
何かを犠牲にしつつ
在り得ない富をも離散させ
これからの生活を
優雅でしかも質素な弔いを
そこここに浮かべている
あれがそうだったのか
いつか見た夢の断片を
拾いつつまた投げている
風は強くそして凪いでいる
風紋を聞いて
ことあるごとに後ろを振り向く

であるのなら
その尻尾を引いて
寄せては放ち
獰猛さを転がせて
その放つひかりの反射を
まざまざと見ておこう
許されるのなら
何でもしていいと
そうは思っていないはず
ある程度で抑えておけば
更に生き延びられるだろうに
それを許せないのは
誰の箴言なのだろうか
知られない奥の方で
待っているのは
いつかのあなたであるかもしれない

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