【新卒のときに知りたかった…】マーケティングスキルセット以前に大切だったこと4選
新卒3年目のころにnoteに投稿した事業会社版マーケティングスキルマップ(マーケティングスキルセットと同義)から約3年が経ちます。
ありがたいことに、部下との1on1や社内のマーケティング研修を体系化するのに使っていると言ってくれる方もいました。
しかし、スキルを身につける側のメンバーレイヤー(自分自身)からすると、マーケターとして必要なスキルはわかったが、自分がどういうキャリアを歩んでいくべきか、どのようにしたら身につくのか、それぞれのスキルの重要度(身につける優先順)などはこのスキルマップのみではわからないと感じました。
マーケティングスキルセットは、あくまでマーケティング領域のスキルを一覧化したまでです。
今携わっているマーケティング領域で身につけるべき知識やスキルを知りたいだけであればスキルマップで十分なのですが、マーケターとして今後のキャリアの方向性を考えるときには不十分だと思いました。
そこで、規模の違う事業会社2社でメンバーとして、マーケティング業務に新卒から計5年間従事してきて気づいたスキルマップ以前に大切だったことを、自戒も込めて整理してみます。
こんな方に読んでほしい!
マーケティングスキルセット以前に大切だったこと4選
1.各マーケティングスキルを要素分解し、自分の特性に合っているか知る
スキルマップは、マーケティングの各領域を構成する業務を整理してはいるものの、その業務の性質や必要な能力までは把握できません。
そのため、実際の業務の性質や必要な能力を知ると、自分の特性(強み)には合っていないことがたぶんにあります。
マーケティングスキルマップは厳密にはスキルではなく業務の体系化したものと捉えて、業務の特性や求められる能力は別途ドリルダウンする必要があるのです。
そして、自分の特性とその業務が合っているのかを確認することで、どの領域に身を置いたほうが自分は活躍しやすいのかを知ることができます。
マーケティングの各領域の業務の整理(→マーケティングスキルマップではここまで)
業務特性と求められる能力を洗い出す
自分の特性と照らし合わせる
皆さんもご自身が今まで携わってきた領域で2.3を整理してみて、一度キャリアの棚卸しをしてみることをオススメします。
2.マーケティングスキル以前に、仕事をしていくうえでの汎用的なスキル(姿勢やマインドセット)が大事
マーケティングスキルというと、広告運用やデータ分析などわかりやすくマーケティングに特化したものを思い浮かべ、それを優先的に身につけようと思ってしまいがちです。
しかし、若手のうちはわかっていることのほうが少ないので、その前提に立って、業務遂行に汎用的に必要なスキルが身についていくことのほうが優先度が高いと感じました。
例えば以下です。
わからないことを聞きやすい状態を作る
本来締切より前倒しでアウトプットを出すクセをつける
自分で考えきることと人に教えを請うことの境界線を知る
マーケティングスキルマップの最下段に記載していたスキルに通ずる部分があります。この基礎スキルがあってこそ、その上に乗っかる各マーケティングスキルが発揮され、成果につながると感じました。
私はこのnoteを書いている現在は休職しているのですが、まさにこの汎用的な基礎スキルよりマーケティングスキル本体を偏重して捉えていたことで、心身のバランスを崩したと内省しています。
これらの基礎スキルは、スキルというよりは、業務に向き合う姿勢や態度、マインドと解釈したほうがわかりやすいかもしれません。
業務上わからないことがあっても、人に聞くことができれば打破できることがあります。
また、資料作成なども最初に上司とアウトプットイメージをすり合わせたり、締切を三段階に設定してアウトラインの段階で一度提出するようにすれば、締切日になってから上司の思っていたアウトプットイメージとズレていることがわかり、締切間に合わないなども発生しません。
休職をきっかけに、マーケティングスキルとしてわかりやすくは見えていない部分がいかに大切かを、身を以て知れたことは良かったと思います。
3.今いる環境が、自分の能力を発揮するのに適しているのかを見極める
新卒で入社した会社しか知らないと難しいことではあるのですが、スキルが身についていなかったり能力が発揮できていないことが自分自身の問題ではないこともあります。
例えば、全てインハウスでやり切るのだという経営方針だと、新卒でもなんとかして自分自身の能力を上げてできるようにならなければと思ってしまいます。
コストの観点しか見ていないとこの方針に従わなければと思ってしまいますが、知見がないのに自力で頑張るよりは、外部のプロの力を借りて知見を学びながら進めたほうが早く成果が出ることもあります。
成果が出ないとき、つい自分に原因があるのだと自責になりすぎてしまう真面目な人がいますが、一度この環境で本当に成果が出るのかと立ち止まって考えてみることも必要です。
4.手段が目的化してしまって、本質的な課題の解決から遠のいていないか
マーケティングスキルマップを大切にしすぎた結果、
このスキルを身に着けなければ!
私の担当業務は〇〇だから!
と思って、結果的に本来求められている目的の達成や課題の解決から遠のいていないかは、考えて見てほしいなと思います。
例えばあなたの業務はMetaの広告運用かもしれないですが、そのMetaの広告運用で実現したいことは集客であり、さらにその上段には売上、さらにその上には潜在顧客のお悩み解決があります。
広告運用はあくまで集客手段の一つです。自分の役割に囚われすぎて視野が狭まり、本来の集客の目的にはプラスになっていないことがあります。
Meta広告ではCPA安く獲得ができていたとしても、最終的にそのサービスに入会する人が少ないということもあります。
今の事業フェーズから考えると他にもっとやるべきことがあるかもしれません。
事業会社に勤務していないと担当分野のスイッチや拡大の相談は難しいかもしれないのですが、支援会社(代理店)であっても、クライアントが問題視しているポイントが本当にその事業の課題なのかから疑問視して、支援していくことのほうが事業への貢献度が高くなって喜ばれることがあります。
私が前職でお世話になっていた代理店の方は、目先の問い合わせ数とCPAのみを追うのではなく、最終の入会数やCPOを問題視してその改善提案をくれることがありました。そのように本質的な携わり方をしてくださったほうが信頼度が増して、長くお付き合いをしていきたいと思えました。支援会社の場合でも、手段の目的化にならないようにすることは重要かもしれません。
最後に
私自身がマーケティングスキルがマーケターの仕事の全てと思い込んでしまっていて首を絞めていたことに今回休職を機に気づけました。
自分の特性に合った業務を見つけること
多少のスキル不足はマーケティングスキル以外の姿勢やマインドセットでカバーしていけること
すべて自責にしすぎず環境要因にも気づいて適切な場所に移動すること
手段にとらわれすぎず、本質を見ること
この4点を復職する際にも思い返して同じ過ちを繰り返さないようにしたいと思います。
このnoteがマーケティングに従事する若手の皆さんの参考になれば嬉しく思います。