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小説

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僕が読んだビジネス本の感想や印象的なフレーズが書いてある記事です。
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記事一覧

#92「魅惑の国、レーエンデに魅せられました」【読書感想】

「魅惑の国、レーエンデに魅せられました」 壮大な世界観と革命の渦中で戦った登場人物たちに、とにかく心が揺さぶられる。 帯文にもある「王道ファンタジー」の名の通りで、今年読んだ中でのベスト10に入るほどだった作品。 それが、多崎礼さんの『レーエンデ国物語』です。 読んだきっかけSNSで話題になっていること、書店の店頭でも必ずといっていいほど見かけることから、以前から気になっていた作品です。そこに、非現実の世界にどっぷりと浸りたい思いが加わり手に取りました。 このような方

#91「生きる活力をもらえて、素敵なものに囲まれていることに気づきました」【読書感想】

目の見えない主人公が自分の人生を切り拓く力強さに、生きる活力をもらえて、素敵なものに囲まれていることに気づいた1冊。 それが、小川糸さんの『とわの庭』です。 読んだきっかけ「新潮文庫の100冊2023」の対象書籍の中から選んだ1冊です。 目が見えない主人公の物語がどのような感じなのかも気になりました。 このような方にオススメの本です生きる力が沸いてくる作品を読みたい 目の見えない世界はどのようなものか気になる あらすじ感想目の見えない世界を体験している感覚 温もり

#90「春が二階から落ちてきた」【読書感想】

「春が二階から落ちてきた」 これは、伊坂幸太郎さんの『重力ピエロ』の冒頭の一文です。 本作は、このような数々の響く言葉や表現が詰まっていて、様々な伏線がキレイに繋がっていく。まさに「ページをめくる手が止まらない」作品でした。 読んだきっかけ2023年の下半期は伊坂さんの色んな作品を読みたいと思っています。伊坂さんの作品について調べている中で、代表作の1つである『重力ピエロ』に出会いました。 (ちなみに『重力ピエロ』は、第129回直木賞候補作品、2004年の第1回本屋大賞

#89「つまりはこの重さなんだな」【読書感想】

「つまりはこの重さなんだな」 どこかで見たことがあるようなこのフレーズ。 これは、近代文学の名作の1つである梶井基次郎さんの『檸檬』の中にあるフレーズです。今回は、その『檸檬』をはじめ梶井基次郎さんの作品を14篇読みました。 瑞々しさのある美しい文章に心が引きつけられました。 読んだきっかけ高校の現代文で「檸檬」を習った記憶がふとわいていて手に取った1冊です。 当時は熱心に読んだわけではなかったのですが、今回読んでみてその頃の記憶がよみがえるようでした。 このような

#88「言葉の持つ力の大きさ、それはときに世界を変える」【読書感想】

「言葉の持つ力の大きさ、それはときに世界を変える」 僕は言葉の持つ力の大きさを信じています。 そんな中で、言葉の持つ力を強く感じる作品に出会えました。 それは、原田マハさんの『本日は、お日柄もよく』です。 読んだきっかけ僕は言葉に触れるのが好きで、言葉の持つ力を信じています。 あらすじを見て、そんな僕にピッタリな作品だと思い手に取りました。 このような方にオススメの本です言葉に触れるのが好き 言葉の持つ力を感じられる作品を読みたい あらすじにあるスピーチライターと

#86「わるいことがおこっても、なんかしらいいことがかならず、ある」【読書感想】

永井みみさんの『ミシンと金魚』 第45回すばる文学賞受賞作です。 読んだきっかけ先日読んだ『がらんどう』と『犬のかたちをしているもの』が印象に残る作品だったこともあり、他のすばる文学賞受賞作品を読みたいと思っていました。その中で、最近の受賞作であらすじが気になり手に取りました。 このような方にオススメの本です文体が独特な作品を読みたい ページ数以上に内容が重めで濃い作品を読みたい すばる文学賞受賞作が気になっている あらすじ感想独特な文体に引き込まれた カケイさ

#85『マリアビートル』(著:伊坂幸太郎)を読んだ感想【読書感想】

伊坂幸太郎さんの『マリアビートル』 「殺し屋シリーズ」の第二弾で、第7回大学読書人大賞受賞作です。 2022年には、本作を原作とする映画『ブレット・トレイン』が公開されました。 読んだきっかけ「殺し屋シリーズ」第一弾である『グラスホッパー』が面白くて、続編も読みたいと思っていたからです。約600ページあるため、時間のある夏休みの時期に読もうと考えていました。 このような方にオススメの本ですスリリングなハードボイルド系の作品を読みたい 「悪」とは何かについて考えさせられ

#84【ネタバレなし】『ラットマン』(著:道尾秀介)を読んだ感想【読書日記】

道尾秀介さんの『ラットマン』 道尾さんの初期の青春三部作の完結編ともいえる作品です。 ※道尾さんの初期の青春三部作とは、『シャドウ』『ソロモンの犬』『ラットマン』のことを指す。それぞれで物語がリンクしているわけではない。 読んだきっかけ道尾さんの初期の青春三部作のうち、『シャドウ』と『ソロモンの犬』は読了済みでした。『ソロモンの犬』の解説で、本作が初期の青春三部作の完結編であることを知ったのがきっかけで気になり、手に取った1冊です。 このような方にオススメの本です予想

#83『サクラサク、サクラチル』(著:辻堂ゆめ)を読んだ感想【読書日記】

辻堂ゆめさんの『サクラサク、サクラチル』 7月26日に発売された辻堂さんの最新作です。 読んだきっかけ最近は文庫本を中心に読んでいることもあり、久しぶりに単行本を読みたいと思っていました。 そんな中で書店に行った時に、辻堂ゆめさんの作品は未読だったこと、あらすじに惹かれたことから手に取った1冊です。 このような方にオススメの本です将来について悩んでいる高校生 青春ミステリーが読みたい 生きるうえで大切なことについて考えたい あらすじ感想高校時代に読んでいたらと思わ

#82『ひと』(著:小野寺史宜)を読んだ感想【読書日記】

小野寺史宜さんの『ひと』 2019年の第16回本屋大賞ノミネート作(2位)で、2022年の第3回宮崎本大賞受賞作でもあります。 ※「宮崎本大賞」とは、宮崎の書店員や図書館司書など本に携わる方が企画した、県民にオススメしたい本を投票で決めるコンテスト 読んだきっかけ本作を買ったのは3~4ヶ月前。僕も日々の生活の中で孤独を感じることがあり、つい手に取った1冊でした。 時は過ぎて…。 次に読む本を選ぶ時に、積読本用の棚を見たところで本作が目に入り読みました。 このような

#81『世にも奇妙な君物語』(著:朝井リョウ)を読んだ感想【読書日記】

朝井リョウさんの『世にも奇妙な君物語』 フジテレビ系列で放送されている『世にも奇妙な物語』のファンである朝井さんが、原作に採用されることを目標に執筆した作品です。 実際の放送と同じく、5編の物語となっています。 (実際にWOWOWでテレビドラマ化されました) 読んだきっかけ夏といえばホラー。 先月は読んでいなかったこともあり、8月最初はホラー系を読もうと思っていました。その中で目に留まったのが、僕の好きな作家さんである朝井リョウさんの本作です。 このような方にオススメの

#80『R.P.G.』(著:宮部みゆき)を読んだ感想【読書日記】

宮部みゆきさんの『R.P.G.』 2001年に刊行された宮部さんにとって初の文庫書き下ろし作品で、テレビドラマ化もされました。 「ナツイチ2023」の対象文庫にも入っており、本作は人気イラストレーターNoritake氏による「ナツイチ2023年限定カバー」となっています。 読んだきっかけ「ナツイチ2023」の対象文庫で気になった1冊です。宮部みゆきさんの作品は、本作が初めてでした。 このような方にオススメの本ですあっと驚く展開の小説を読みたい インターネットと人間関係

#79『犬のかたちをしているもの』(著:高瀬隼子)を読んだ感想【読書日記】

高瀬隼子さんの『犬のかたちをしているもの』 第43回すばる文学賞受賞作です。 「ナツイチ2023」の対象文庫にも入っています。 ※すばる文学賞とは、集英社が主催する純文学の公募新人文学賞 読んだきっかけ高瀬隼子さんは気になっている作家さんの一人です。 久しぶりに純文学系の作品が読みたいと思っていたこともあり、「ナツイチ2023」の対象文庫である高瀬さんのデビュー作を読みました。 このような方にオススメの本です愛するとは何かを考えさせられる作品が読みたい 世の中の「普

#78『アヒルと鴨のコインロッカー』(著:伊坂幸太郎)を読んだ感想【読書日記】

伊坂幸太郎さんの『アヒルと鴨のコインロッカー』 第25回吉川英治文学新人賞受賞作で、2004年の第1回本屋大賞ノミネート作品(3位)でもあります。 読んだきっかけ本作の前に読んだ『グラスホッパー』が面白くて、下半期は伊坂さんの作品を少しでも多く読みたいと思いました。その中で、伊坂さんのおすすめを検索したところ、本作が上位に挙がっていたことで気になり手に取りました。 このような方にオススメの本です伊坂幸太郎さんの作品をまだ読んだことがない ボブ・ディランが好き 幸せに