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#85『マリアビートル』(著:伊坂幸太郎)を読んだ感想【読書感想】

伊坂幸太郎さんの『マリアビートル』

「殺し屋シリーズ」の第二弾で、第7回大学読書人大賞受賞作です。
2022年には、本作を原作とする映画『ブレット・トレイン』が公開されました。



読んだきっかけ

「殺し屋シリーズ」第一弾である『グラスホッパー』が面白くて、続編も読みたいと思っていたからです。約600ページあるため、時間のある夏休みの時期に読もうと考えていました。


このような方にオススメの本です

  • スリリングなハードボイルド系の作品を読みたい

  • 「悪」とは何かについて考えさせられる作品を読みたい

  • 『グラスホッパー』を読んでいる

あらすじ

殺し屋シリーズ累計300万部突破!
東京発盛岡着、2時間30分のノンストップエンターテインメント!

幼い息子の仇討ちを企てる、酒びたりの殺し屋「木村」。優等生面の裏に悪魔のような心を隠し持つ中学生「王子」。闇社会の大物から密命を受けた、腕利きの二人組「蜜柑」と「檸檬」。とにかく運が悪く、気弱な殺し屋「天道虫」。疾走する東北新幹線の車内で、狙う者と狙われる者が交錯する――。
小説は、ついにここまでやってきた。映画やマンガ、あらゆるジャンルのエンターテイメントを追い抜く、娯楽小説の到達点!
『グラスホッパー』『AX アックス』に連なる、殺し屋たちの狂想曲。

伊坂幸太郎〈殺し屋シリーズ〉特設サイト | カドブン より

感想

  • とにかく不運な七尾が乗っていることで、何かが起こるとワクワクしていた

  • 自分の不運は、実は誰かのためになっているのかもしれない


最初から最後までスリリングな激闘で、常に緊張感がありました。
加えて、とにかく不運な天道虫こと七尾が乗っていることで、何かが起こるのでは?とワクワクしていました。王子の冷静沈着な様子にはゾクゾクさせられるでしょう。

さらに、前作の人物も登場したり、救世主?のような人物が終盤に出てくる場面は興奮します。前作に比べ驚きは少なめでしたが、痛快さがあった印象です。
登場人物たちの掛け合いも好きなんですよね。本作では、七尾と真莉亜、蜜柑と檸檬、木村夫妻の掛け合いが好きでした。


とにかく不運な七尾には、苦笑いするばかり……。
しかし、読み進めていくうちに勇気をもらった気がします。それは、普段の生活で起こる不運は七尾に比べたらちっぽけなものだなということや、自分の不運が実は誰かのためになっているのかも、と思ったからです。
そして、七尾って実は運が良い?

9月に刊行される殺し屋シリーズ最新作が俄然楽しみになってきました。それまでに『AX』も読もう。

それにしてもこんな物騒な新幹線、絶対乗りたくない。

印象的なフレーズ

「世の中にはさ、正しいとされていること、は存在しているけど、それが本当に正しいかどうかは分からない。だから、『これが正しいことだよ』と思わせる人が一番強いんだ」

『マリアビートル』

「人を甚振ろうとしたり、人を侮辱したり、とにかく人より優位に立とうとする奴らってのは、本当にくさい」

『マリアビートル』

「世の中は、禁止事項で溢れているんだ」

『マリアビートル』

「幼稚園児が知っていても、大人が知らないことはあるんだよ」

『マリアビートル』

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