「コロナウイルス×大規模災害=複合災害」に備える。おすすめポッドキャスト ~番外編~
以前、「なぜ今、ポッドキャストが熱い?」というテーマで、私のおすすめポッドキャストチャンネルをひたすら語るという内容の記事をあげました。
今回は、ちょっと変わった視点から、コロナ×大規模災害という不安が現実化してきた今だからこそ聞いていただきたいチャンネルをご紹介します。
今朝、我が家の家族ラインではこんな会話が繰り広げられていました。
「大雨、洪水被害の地域、年々ひどくなるね…」
「大雨や台風などで避難となったら、コロナもどうなのか、きっとダブルで心配だよね」
そんな会話を見ながら思い出したポッドキャストチャンネル、それが今日ご紹介する【未来授業】です。
以下、番組紹介
「FMフェスティバル未来授業~明日の日本人たちへ」のレギュラー番組。日本が世界に誇る各界の「知の巨人」「次世代の知のフロントランナー」を講師に迎え、未来の日本人たちへ送るアカデミックな授業をお届けします。若い世代が社会の主軸となる「10年後の日本」を生き抜く智恵を探ります。未来授業ポッドキャスト Show Notes
毎回、各界のフロントランナーを講師に迎えた意義深いトークが、第1回~4回に分けて授業形式で放送されるこの番組。
一回の放送が5分程度と長すぎない分、パパっと聴けるところもおすすめです。一気に4回分聴いてもよし。それぞれのエピソードを分けて聴いても、違和感は全くありません。
今回紹介するエピソードの他にも、私は個人的に漫画家の星野ルネさん、給料BANK運営者である山田コンペーさんの回が面白くて好きです。
そして今回、数あるエピソードの中でも特にフォーカスを当てたいのが、防災・危機管理アドバイザー兼「防災システム研究所」所長である山村武彦さんを講師に迎えた、【大規模災害時の避難とコロナ対策】(6月15日~18日の回)。
災害大国である日本に住む方々にぜひ一度聴いていただきたい内容となっております。
以下に各回のテーマと、私なりのまとめノートを作ってみました。
・1時間目「分散避難を考える」
コロナ禍では、避難所に行く=クラスターに巻き込まれるという可能性が懸念されます。
一般的に全員避難と言われている「警戒レベル4」ですが、ここで言われる「全員」の対象に誰もが当てはまらないケースも出てくると山村さんは言います。
例えば、浸水被害が懸念されるような災害が起きた場合。
マンションの上階に住んでいる方には、無理して避難所に行かず、住宅避難を推奨しているそうです。
必ずしも避難勧告発令=避難所に避難ではなく、在宅安全が確保できていれば在宅避難を原則とするとのこと。
また、自治体 に向けてより多くの避難所を確保すること、出来ることから少しずつ準備を進めていくことの大切さを説いておられました。
・2時間目「1泊2日の、在宅避難生活訓練」
家にいる時間にできることの一つに、「在宅避難生活訓練」があると山村さんは言います。1泊2日、試しにライフラインを止めて生活をしてみると、普段は気づけないようなことに注意が向くためです。
山村さんは非常時用への備えとして1人3ℓ×人数分×7日分の水の備えの他、自分がおいしいと思えるもので栄養のある非常食の備蓄を勧めています。
中でも山村さんのお気に入りは、温めずに食べるカレー職人で、こちらは5年持つのだとか。カセットコンロとセットしておけば、温めてよりおいしくいただけるとのこと。
特に災害時の配給食糧は、パンやおにぎりといった炭水化物に偏りがち。この機会に、一度栄養面を含めた非常食の見直しを行うのも良いかもしれません。
また、住んでいる地域だけでなく、住居ごとの地盤地形や避難経路を改めて確認するなど、定期的に家族防災会議を開催することを推奨しておられました。
・3時間目「車中泊専用の、避難所開設」
現在注目の車中避難についてのアドバイスが聴ける回です。
避難所に行くよりも感染リスクが低いと考えられる車中避難。実際、地震の後に熊本県が実施した県民アンケート調査では、46%の人が自宅以外での避難場所に車の中を選択していたことが明らかになっています。
エアコンもラジオも備わっている車の中は、まさに第二の避難所。しかし、ガソリンが切れてしまえばそれもただの箱と化してしまいます。そのため、山村さんは普段から車のガソリンが常に半分は残っている状態をキープすることをお勧めしています。
また、車中泊ならではのエコノミー症候群の防止策としてはラジオ体操が有効なのだとか。やむを得ず車中泊となってしまった際には、外に出れるタイミングでストレッチなどの軽い運動を忘れないようにしたいですね。 自治体へ向けて、車中泊専用の避難所の開設も提案されていました。
・4時間目「マスク、消毒、体温計は持参がマナー」
コロナ禍でだれもが気になる、指定避難所での感染症対策についてです。
避難所へ行く際のマナーとして、山村さんは以下のことを挙げています。
・マスク、体温計、消毒は持参
・熱がある、体調が悪い場合には、まず保健所に連絡をして指示を仰ぐ
・ビニール袋、ゴミ袋を持っていく(靴底にウイルスが付着しているため)
・厚手の靴下、帽子で上下から飛沫感染を予防
また、自治体へ向けて避難所にも感染者用のレッドゾーンを設けるよう促していました。
自治体がどうしてもレッドゾーンを確保できない場合、重要になってくるのが避難所にいる一人一人の意識です。以上のマナーを心がけることで、自分や周りの方々への感染対策に繋がります。
最後に、山村さんは災害大国日本ならではの助け合いの精神について説いておられました。
日本には昔から、近所や地域の方々と助け合うことで災害を乗り越えてきた歴史があります。コロナ禍で物理的距離は保つことは難しくても、心と心の距離は互いに寄り添いながら、助け合っていく。そんな心持ちが大切だといいます。
100年に5回訪れるとも言われるパンデミック。
台風や地震の発生が多い日本では、今後特に複合災害への備えが重要になってくるでしょう。
今回の山村さんの授業を聴いて、私自身も自宅の防災対策の見直しを決意しました。
【関連エピソード】
「地震を知り、地震に備える授業」by 平田直さん
Peace!