【2023〜2024年】パネットーネ徹底比較<イタリアのクリスマスケーキ>
【2024.01.02 更新】
毎年5〜6種類のパネットーネを20年以上食べ比べしているsmileatripです😆
実は母もパネットーネ好きで、多分こんなにパネットーネを食べている日本人親子はいないと思う(笑)
そもそもなんで私がこんなにパネットーネにはまっているのか。
実は高校生の時に留学したイタリアでパネットーネに出会いました。メーカーやフレーバーによって全く異なる食感や味わいのパネットーネ。新しいメーカーやフレーバーに出会う度に、これはどんな味なんだろう?って気になってしまい、毎年クリスマス前になると食べ比べが楽しみになっちゃいます🎄
今回は各メーカーの比較をしながら、おすすめパネットーネをご紹介します!
パネットーネとは?
"大きなパン" を意味する「パネットーネ(Panettone)」は、イタリアの伝統的な発酵菓子パンのひとつ。
基本はクラッシコ(クラシック)やミラネーゼ(ミラノの)と呼ばれ、3種類のドライフルーツ(レーズン・オレンジピール・シトロン)が入っていて、クリスマスに食べるドーム型のケーキです。
バリエーションとしてアマレーナ(チェリー)やアプリコットなどのフルーツ、ナッツやチョコレート入りがあります。
ミラノ発祥ではあるものの、現在はイタリア全土で親しまれています🇮🇹
パネットーネは独特の天然酵母の香りと共に、ふんわり・しっとりした舌触りがとっても心地良いんです🤍
今回はそんなパネットーネの魅力に迫ります!
パンドーロとは?
因みに・・・
クリスマス特有のケーキとして、パネットーネと共にイタリアの店頭に並ぶのが「パンドーロ(Pandoro)」。
"黄金のパン"という意味のパンドーロは北イタリアの街、ヴェローナ生まれ。ドーム型でどっしりした形のパネットーネと比べると、パンドーロは縦長スリムな星型です⭐️
パネットーネ同様、天然酵母を使って発酵された焼き菓子ですが、基本はパネットーネのようにドライフルーツは入っておらず、粉糖をまぶして食べます。シンプルだからこそ、卵とバターの味わいが際立ちます。
パンドーロはパンと言うよりも、シフォンケーキのようなふんわり食感が特徴。
好みはパネットーネ派とパンドーロ派に分かれますが、私はやっぱりパネットーネ派。ドライフルーツやしっとり食感が好きな方は、パネットーネをおすすめします!
世界のクリスマスケーキ
まずはイタリアの二大クリスマスケーキを紹介しましたが、日本のクリスマスと言ったら、やっぱりイチゴのショートケーキを思い浮かべる方が多いのではないでしょうか?
世界中の他の国ではどんなケーキが食べられているかご存知ですか?
日本ではフランスのブッシュ・ド・ノエルは結構知られていますよね。手作りされたことがある方も多いのでは?
最近はドイツのシュトレンもクリスマス前になるとお菓子屋さんやパン屋さんで見かけるようになりました🇩🇪
Dean & Delucaのシュトレンもおいしいですが、おすすめはカフェ・バッハのシュトレン。真っ白な粉砂糖で包まれたシュトレンの中には、ドライフルーツがぎっしり詰まっていて、シナモンなどのスパイスの香りが広がります。ぜひ、食べてみてください!こちらも虜になっちゃいますよ🤤
2023〜2024年 パネットーネ・レポート
2023年冬〜2024年春に購入したパネットーネのレポートをします!
レナート・ボスコ(Renato Bosco)
レナート・ボスコ氏は、ヴェローナ近郊でピッツェリアを営むピッツァ職人。現在はミラノ周辺でも2店舗を展開しています。ピッツァ職人として30年以上の経験がありつつ、パンや菓子パンなどの発酵生地食品も作っています。
そして、彼の作るパネットーネは、イタリアのグルメ専門メディア「ガンベロ・ロッソ(Gambero Rosso)」が選ぶパネットーネ・ランキングのアルティジャナーレ(artigianale)部門で2021年、2023年に1位を獲得するほど、イタリアでも注目されているんです。
【ガンベロ・ロッソのアルティジャナーレ部門とは・・・】
工場ではなく規模の小さい厨房で手作りされているパネットーネが対象です。職人は天気や湿度に神経を使いながら、天然酵母で丁寧にパネットーネを作っています。また、基本的に乳化剤を使用しないため、賞味期限は1〜2ヶ月と短めです。
【評価】5 ★★★★★
・我が家では初めて食べるRenato Boscoだった上に、ガンベロ・ロッソで高評価のため、すごく期待していましたが、期待を裏切らないおいしさでした!
・生地はしっとり・もっちり・ねっちり。
・こんがり焼けたトップの表面もしっとり。
・このしっとり感は、ガンベロ・ロッソで高評価を得たのも頷けるおいしさ。
・ふんわりとした気泡と生地が縦に裂けるのは、おいしいパネットーネの特徴。
・パネットーネ独特の香りは控えめ。
・切ってみると、卵黄の影響で鮮やかな黄色みが濃いめ。
・オーガニックのバニラビーンズがこんなに目立つパネットーネは初めてな気がする。
・具はレーズンとオレンジピールのみでシンプル。大きさと量は標準。ただ、レーズンはふっくら、ジューシーな甘みがある。
・母の評価は星5つで、「パネットーネの王道という出来上がり」とコメントしていました。
ジャンベルラーノ(Giamberlano)
ジャンベルラーノは、北イタリアの「パヴッロ・ネル・フリニャーノ(Pavullo nel frignano)」という小さな村にある小さなお菓子屋さん。
数年前にGiamberlanoのパネットーネを初めて食べた時、抜群のしっとり感に加え、レーズンやドライフルーツの大きさにビックリしたのを今でも覚えています。
イタリア食材専門店のピアッティ(Piatti)で取り扱っていますが、生産量は少ないので、早期予約必須です!
因みに、我が家の2024年はこのGiamberlanoのパネットーネと共に年明けしました!変わった日本家庭ですよね(笑)
【評価】4.5 ★★★★☆
・パネットーネ独特の香りは少なめだけど、甘酸っぱい香りが特徴。
・生地の黄色みは強め。
・具はレーズン、オレンジピール、シトロン、杏の4種類。最近、シトロン入りのパネットーネが少ないから、貴重なシトロン入り。
・他のメーカーに比べてレーズンのサイズは大きめだけど、数年前に食べた時よりは小さくなっているかも。
・杏は甘みが凝縮していて、とろっとした食感。
・安定のしっとり感。
・縦に裂けるけど、気泡は小さめ。
ティーリ(TIRI)
ティーリは、バジリカータ州の人口僅か2,300人の小さな村「アチェレンツァ(Acerenza)」で1957年に創業したベーカリー。
小さい村のベーカリーではあるものの、2014年以来イタリアの権威あるパネットーネの賞「ガンベロ・ロッソ(Gambero Rosso)」で首位を獲得し続けたこともあります。
イタリア版ミシュランで賞賛される通り、しっとり感やドライフルーツの品質は大満足の一品。
【評価】4 ★★★★
・幅広タイプの形状。
・トップの表面はしっとり・むっちむち。中もしっとり♡
・具はレーズン、オレンジピールでシンプル。具の量はそんなに多くなく、レーズンが多め。レーズンの甘さが際立つ。
・気泡の大きさはその年の発酵や焼き加減によって異なるのか、今年はそこまで大きくなかった。
・母は例年に比べて、甘みが足りなく、酸味が強いのが気になったとのこと。
ボニファンティ(BONIFANTI)
【評価】3.5 ★★★☆
・全体的にどっしりしていて、幅広タイプの形状。
・トップの表面はちょっと硬めで、むっちり食感。
・気泡は小さくて、縦に割けない。
・生地はねっちりしてるけど、しっとり感は少なめ。生地が詰まったパンのような食感。
・甘いマロングラッセはたっぷり入っているけど、全体的に生地の甘さは控えめ。
ラ・セルヴァ(La Selva)
ラ・セルヴァは、1980年創業、トスカーナ州南部のオーガニック専門メーカー。
有機農業に関する欧州連合(EU)の規定に従って有機農産物を栽培しています。約630ヘクタールの農地で、野菜や果物だけでなく、穀物や家畜の飼料も栽培しています。
カラフルな缶がかわいい。
【評価】3.5 ★★★☆
・やはり500gは小さいけど、500gにしては全体的にしっとりしている。ただ、トップ表面のしっとり感は少なめ。
・気泡は少なめ。ちょっと下の方はもそもそしたパンみたいな食感。
・中の生地は黄色みが少なめで、クリーム色。
・バニラビーンズはなし。
・レーズンの香りが強め。具は95%ぐらいレーズンで、ほんの少しオレンジピールがある程度。レーズンは甘い。
2023年 EATALY 特集・評価
10月下旬にEATALY Tokyoが開催した、パネットーネ・パンドーロ試食会に行ってきました。なんと今年のEATALY取り扱い数は、17種類のパネットーネと3種類のパンドーロの合計20種!!
新商品の「オリヴィエーリ(OLIVIERI)」も要チェックです🤩
各メーカーの特徴と今年のラインナップ、試食会でのコメントをご紹介します。
ボニファンティ(BONIFANTI)
【今年のラインナップ】
ミラネーゼ(1kg / 5,480円、500g / 3,980円)
チョコレート(1kg / 5,680円)
マロングラッセ(1kg / 5,980円)
ボニファンティはEATALYの定番パネットーネ。
もう5年以上連続で購入してるけど、安定のしっとり感が私はお気に入りです。毎年期待を裏切りません!値段がそこまでめちゃめちゃ高い訳ではないのも嬉しいポイント📝
「ミラネーゼ(クラッシコ)」は満足あるしっとり感。気泡は少なめ。
「マロングラッセ」はマロンが大きくてとっても甘かったです!気泡は中サイズ。
トンマーゾ・ムッツィ(MUZZI TOMMASO)
【今年のラインナップ】
クラッシコ(1kg / 4,980円)
洋梨&チョコレート(500g / 3,980円)
オレンジ&チョコレート(500g / 3,980円)
クラッシコ(1kg / 4,980円)※パンドーロ
パネットーネの「クラッシコ」は香ばしい香り。うーむ、でもしっとり感には欠けました。。
パンドーロの「クラッシコ」はしっとりしているものの、やっぱり私はパネットーネ派だなぁ。
ヴェルガーニ(VERGANI)
【今年のラインナップ】
クラシック缶(750g / 6,480円)
チョコレート缶(750g / 6,480円)
リモンチェッロ(750g / 5,980円)
ディ・ミラノ(750g / 5,980円)
トレ・チョッコラーティ(750g / 5,980円)
アマレーナ(750g / 5,980円)
ソルティキャラメル&ホワイトチョコレート(750g / 5,980円)
「アマレーナ(イタリアン・チェリー)」はムッツィよりはしっとりしていましたが、やっぱりボニファンティの方が好き。気泡はかなり小さめ。
「ソルティキャラメル&ホワイトチョコレート」はキャラメルの甘い香り🤍ホワイトチョコは甘さも主張もかなり控えめ。
オリヴィエーリ(OLIVIERI)
【今年のラインナップ】
クラッシコ(1kg / 10,800円)
アプリコット&ソルティキャラメル(750g / 10,800円)
トレ・チョッコラーティ(750g / 10,800円)
2023年初の新商品ということでかなり期待!
ただ、「クラッシコ」は、、むむむ、、残念ながらちょっと期待外れでした。しっとりふんわりしているものの、薄切りだったからインパクトが小さかったのかもしれません。気泡は大きめで、他のメーカーのパネットーネに比べて黄色味が強いのが印象的。
一方、「アプリコット&ソルティキャラメル」はしっとり感が強かったです。ずっしり重くて、甘酸っぱい。こちらは満足度が高く、さすがEATALYの今年おすすめ商品メーカーであるな。と言うのが伝わってくる一品でした。
ボルサーリ(BORSARI)
【今年のラインナップ】
クレーマ・リモンチェッロ(750g / 5,480円)※パンドーロ
ビターチョコレートチップ(750g / 5,480円)※パンドーロ
普段は朝食にパネットーネとコーヒーのセットで食べることが多いですが、今回は北イタリアのアスティ・スプマンテ(Asti Spumante)とシチリアのジビッボ種の甘口白ワイン(Zibibbo)を頂きました。
夜にパネットーネと一緒にワインを傾けるのもオシャレで良いかもしれませんね🥂
EATALYでは、10月25日からパネットーネの予約販売が開始されました。12月1日からはEATALY公式オンラインショップと各店舗での販売も開始されました。
パネットーネを買う時の注意点
1. 大きさ
手のひらサイズの小さいパネットーネは絶対おすすめしません。生地がギュッて詰まってしまって、ふんわり感が少なくなるからです。おすすめは500g以上。
食べ切れるかな?って心配になるかもしれませんが、乳化剤が入っていないパネットーネでも1〜2ヶ月は常温で保存可能なので大丈夫です。私なんて毎日朝食でパクパク食べてたら、いつの間にか数日でぺろっと食べきっちゃってます😋
2. フレーバー
もうかれこれ100個ぐらいのパネットーネを食べてきてましたが、やっぱりなんだかんだ言ってもベーシックなクラシックタイプがおいしいよね。って落ち着くことが多いんです。だから、まだあまり食べたことがない方はまずはクラシックを食べてみてください。
チョコ系は生地の水分を吸い込んでしまうのかパサついているパネットーネもあるので要注意です!
フレーバー付きを試してみたい方は、イタリアらしいマロングラッセやリモンチェッロ、アマレーナがおすすめです。洋梨も比較的我が家では購入するフレーバーです。
3. 価格
残念ながら、近年の材料費や運送費の高騰で年々値上がりしているパネットーネ。。1kgで1万円越えのこともしばしば。。だからと言って、安いのは安いなりのクオリティです(1kg 2,000円〜3,000円は要注意!)。パサついてるものが多いので、やっぱりちょっと高くても、おいしいパネットーネを食べて欲しいです🥺
その他のパネットーネ情報
参考までに、2022年以前に購入したパネットーネについてもいくつかご紹介します。
ロイゾン(Loison)
ロイゾンは、いくつかのイタリア食材専門店だけでなく、ネットでも購入しやすいパネットーネ。しっとり感が強く、ボニファンティ同様の安定感があります。また、パッケージもかわいいことが多いです🤍
ガルップ(GALUP)
ガルップは、1922年ピエモンテ州の町ピネローロ創業。
創業以来、大切に守り続けられているパネットーネ種を40時間自然発酵させ、伝統的な製法で今も家族経営をしながらパネットーネを作り続けています。
また、地元ピエモンテ産のヘーゼルナッツのアイシングを上からコーティングしているのがガルップの特徴。
パネットーネの専門書
兵庫県で1905年に創業したパン屋さん「ドンク(DONQ)」が、1970年代から受け継いできた製法技術を細かく紹介しているパネットーネとパンドーロの専門書が2021年に出版されました。
パネットーネやパンドーロの伝統的な製法から現代的な製法まで。専門家の語る世界に興味がある方やパネットーネの奥深さに迫りたい方はぜひご一読ください。
パネットーネとパンドーロ
ドンク・佐藤広樹が伝えるイタリア発酵菓子の技術
出版社:柴田書店
まとめ
いかがでしたか?今年はどのパネットーネを買おうか迷っている方の参考になれば嬉しいです。ぜひいろんなパネットーネを食べ比べしてみてくださいね♫
noteの旅日記では、実際に体験したおすすめスポットを紹介しているので、フォロー頂けたら嬉しいです。Instagramでは旅行やグルメ情報も載せてます!
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