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テレビの裏側

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テレビ制作・テレビ宣伝の裏側・思い出を綴ります。
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#プロデューサー

階堂昌和さん

階堂昌和さん

「鶴橋康夫監督が連続ドラマ『永遠の仔』と『リミット』を何本ずつ撮るか❓そろそろ決めて下さい‼️」

僕は「永遠の仔」のスタッフ20人くらい集まった「打ち合わせ」兼「飲み会」で、そう切り出した。

俳優・椎名桔平さんら出演者が原作の魅力に惹かれ、鶴橋康夫監督が撮るという事で出演を決めたドラマ「永遠の仔」。

鶴橋康夫監督と長年の付き合いで、鶴橋監督が半分以上撮るならと脚本を引き受けた売れっ子脚本家・

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梅渓通彦さん

梅渓通彦さん

「ミチヒコいる❓」

その大声の不躾な電話はいつも突然かかって来た。

国会議員の池坊安子さんからだ。

「ミチヒコ」とは先輩プロデューサーの梅渓通彦さんの事。

池坊安子さんは梅渓通彦さんの実の姉で、茶道の池坊専永さんの元妻。

1994年夏、僕は東京の「ドラマ班」に異動して来て、まずは鶴橋康夫監督演出の「寝たふりしてる男たち」という1995年1月連続ドラマに付いた。

続いて、同年7月ドラマ、

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脚本家・黒土三男さん

脚本家・黒土三男さん

僕が「東京のドラマ班」に異動して、初めてプロデューサーをやった連続ドラマが「八月のラブソング」だ。

「制作協力」はドラマ制作会社の老舗「共同テレビ」。

一緒にプロデュースするのが、中山和記プロデューサー。「ニューヨーク恋物語」「29歳のクリスマス」「さよなら李香蘭」「金(きむ)の戦争」などを作った名プロデューサーである。

なんという「運命の巡り合わせ」かと、当時僕は心の中で狂喜乱舞していた。

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てめえ、殺すぞ‼️

てめえ、殺すぞ‼️

後輩のIプロデューサーに「新宿二丁目のゲイバー」で怒鳴る様に言われた。

彼の唾が僕の顔に飛び散った。

彼も酔っていたのだろう、その時。

しかし、僕は彼の言葉を一生忘れない。

脚本家・遊川和彦さんが「企画・原案」で、女優・松下由樹さん主演の連続ドラマは「彼の企画」だった。

二人を連れて来たのも、彼と日本テレビエンタープライズ(現・日テレアックスオン)の大森美孝プロデューサーのおかげ。

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「シナリオ」が読みたい‼️

ドラマの「シナリオ」が本になる時、小説の形を取って、「ノベライズ」される事がほとんどだ。

僕は山田太一のドラマが大好きで、「ドラマのプロデューサー」を志した。

今はそのほとんどが絶版の「山田太一シナリオ全集」をほとんど全て持っている。

倉本聰さんも「北の国からシリーズ」のシナリオを全て集めた。

そして、僕がいちばん敬愛する素敵な台詞を書き続けた向田邦子さんの、新潮文庫から出ているシナリオも

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ドラマの記者会見

連続ドラマの「記者会見」。放送前の最大級の行事である。

プライムタイム(午後7時〜11時)の連続ドラマのプロデューサーをやっていた時の話。

まずは「宣伝担当」が都内のホテルの宴会場を押さえる。「赤坂プリンスホテル」や「ホテル・ニューオータニ」が多かった。

そして、「記者会見」で記者に配る資料、「アナウンサーの進行台本」に関しても、叩き台は「宣伝担当」が作る。それをプロデューサーがチェック。

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伊豆での脚本打合せ

「朝の連続ドラマ」。APとして、脚本家のAさん、プロデューサーのOさんと「シナリオ打ち合わせ」の為、伊豆・修善寺の温泉旅館に2泊3日合宿をした事があった。

黒澤明監督他、有名な映画監督が脚本打ち合わせに使った温泉旅館だ。

かつて、黒澤明監督が脚本家の橋本忍、菊島隆三、小国英雄と「七人の侍」の脚本を作った場所がこの旅館かも知れない。

「朝ドラ」の放送期間は6ヶ月。台本で言うと、2時間ドラマ26

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プロデューサーの流儀

大阪が舞台で出て来る連続ドラマをやった。僕はAPだった。

脚本家は巨匠のIさん。制作会社のプロデューサーKさんはIさんとは何本もヒット作を手掛けており、彼が「脚本の流れ」を仕切っていた。

僕はウチの局のプロデューサーUさんとIさんの御自宅にお邪魔し、テイクアウトの中華料理を御馳走になりながら、ドラマに関して何回か雑談をした。

原作の無いオリジナル。

「多摩スタジオ」のスタッフルームで原稿を

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プロデューサーのストレスい解消法

ドラマのプロデューサーをやっている時のストレス発散方法。

「編集」や「MA(音楽等を入れる作業)」の待ち時間によく新宿歌舞伎町のサウナ「グリーンプラザ」に通った。

吉本興業会長・大崎洋さんの著書「居場所。」にも、毎日放送「4時ですよーだ」の合間を縫って、「お気に入りのサウナ」でストレスを晴らすシーンが出て来る。

「脚本打ち合わせ」「キャスティング」「撮影現場立ち会い」「編集などの撮影後の作業

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「朝ドラ」チーフプロデューサー

「朝の連続ドラマ」のチーフ・プロデューサーのIさん。一見「反社」風。白の背広の上下に白いエナメルの靴。薄い黒のサングラス。金のブレスレット。

その頃の「制作部」には「反社」風の人が多かった。「制作部」とはそういうものだと僕は思っていた。「野武士の集団」。

仕事には厳しく、怒り出すと嵐の様。僕たちドラマ班のメンバーはとてもIさんの事を怖れていた。

Iさんにはお子さんがいなくて、マルチーズ犬を飼

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視聴率が出る瞬間

午前9:08。東京支社、東京制作部のFAXが「ウィーン!」と起動する。

やがて、「カタカタカタ」とFAXは鳴り、ビデオリサーチから「関東」と「関西」の視聴率表が送られて来る。

他のプロデューサーはどうしていたのか分からないけど、ドラマをやっている時、毎週火曜日の朝、FAXの前で今か今かと待ち構えていた。ドキドキした。悪い予感しか無かった。

そんな時に限って、視聴率が悪い事が多いのである。そん

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プロデューサーの仕事

連続ドラマ・プロデューサーの仕事とは?

・企画を考え出すのは、放送の1年以上前から。

・原作・漫画・映画・芝居…世間ではやっているもの・海外ではやっ 
ているものを観に行く。体験する。

・会議を重ね、プロット(あらすじ・登場人物のキャラクター)を作る。そして、キャスティングへ。

同時に、グループインタビュー等のマーケティング・調査も。

ドラマは企画優先。企画が面白いから、そのドラマに俳優

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近藤晋さん

近藤晋さん

元・NHKの名プロデューサー、近藤晋(すすむ)さんとは二度ドラマで御一緒した。

一度目は連続ドラマ「永遠の仔」

二度目は連続ドラマ「天国への階段」

近藤晋さんと言えば、市川森一脚本の大河ドラマ「黄金の日日」、山田太一脚本の大河ドラマ「獅子の時代」、「男たちの旅路」、「シャツの店」など、僕が視聴者として、「テレビドラマ」を観て来て、「心に深く刻まれたドラマ」を数多くプロデュースしている。