学校でも会社でも教わらない、給与明細の読み解き方 〜働くの学び舎 出張講座レポート〜
SmartHRでは、人事労務の知識やウェブ開発のナレッジを共有するために「働くの学び舎」プロジェクトを行っています。プロジェクトでは、学生向け出張講座の開催や実務に沿った人事・労務業務を体系的に学ぶ資格「人事労務マイスター検定」を運営しています。
今回は、プロジェクトの1つである学生向け出張講座「給与明細から考える働き方講座」を福岡県北九州市小倉北区にある「麻生情報ビジネス専門学校北九州校」で開催しました。
麻生情報ビジネス専門学校北九州校は2〜3年制の専門学校で、システムエンジニア科やCGデザイン科、オフィスビジネス科などITやビジネスについて専門的に学ぶ学生さんが多くいらっしゃいます。今回はオフィスビジネス科 医療事務専攻 2年生の17名の学生を対象に行った講座の様子をお届けします。
自己紹介と講座のねらい📌
講義は学生さんによる号令から始まりました。(麻生塾さんでは、授業はすべて号令から始まるそう。ハツラツとしたご挨拶をいただいてこちらも身が引き締まります!)
冒頭では、私たちの自己紹介と「なぜこういったことを知る必要があるのか」を解説します。働くすべての人にとって身近で重要な給与明細ですが、案外働いていてもその中身を知らない方も多いのではないでしょうか。
一人ひとりの大切な給与だからこそ、基礎的な知識を社会に出る前に身につけられると、きっといろいろな選択肢が見えてくるはずです。
実践を交えて給与を紐解き、働き方を考える🧐
続いて、本編が始まります。
講師は人事労務研究所所長の副島が務めます。
この講義では給与明細から情報を紐解き、人事・労務の基礎に触れることで頭の中に知識のブックマークを作ることがゴールです。複雑な人事・労務の仕組みを一度に覚えることは社会人であってもハードルが高いもの。学生さんが就職活動中や就職後に「こんな仕組みがあったな…」と思い出して知識や情報を活用できるようになることを目指しています。
まずは勤怠と給与の関係性から解説していきます。学業の傍ら、アルバイトをしている学生さんも多く、なんとなくその関係を知っている方も多いようです。
続いて給与の支給についての解説と実践問題です。
給与明細を模したワークシートを一人ひとりにお配りし、指定された勤務日数や残業時間に沿って、実際に給与計算を行っていきます。
皆さん医療事務専攻ということもあって、手早くスマートフォンの計算機能を使って計算しています。
続いて控除項目について学んでいきます。控除項目の主なものとして社会保険が挙げられますが、一体どのようにして算出されるのか、どのような保障内容があるのかもあわせてお伝えします。
社会保険は日々の通院だけでなく高額医療費や出産育児一時金の給付など、さまざまな場面で保障してくれますが、実際にその内容を知る機会は、大きな病気や怪我をした時、ライフステージが変化するタイミングになりがちです。そんな「もしもの時のために」前もってどんな保障があるのかを知っておくことで、人生の選択肢が広がるかもしれません。
今回は就活を控えた学生さんが多いとのことなので、求人票から給与を読み解くワークショップも盛り込みました。
職場環境によって、職種ならではの手当がつくケースや福利厚生の充実度合いが変わるため、求人票に記載されている基本給を見るだけでは実際の支給額と異なる場合があります。また、残業代が時間分で支給されるのか、みなしとして含まれているのかの違いもその企業の方針を垣間見れるポイントです。
講義では、総合病院とクリニックの異なる2タイプの求人票を例に用いながら、記載されている要項を踏まえて実際にどのくらいの給与になるのかを計算してもらいました。
講義は以上で終了です。
今回は70分の中で
給与はどのようにして決まるのか
給与から引かれているものの正体
求人票から読み解く働き方
の3点をお伝えしました。
講義を終えての声💬
講義終了後のアンケートでは、以下のようなお声をいただきました。
人事・労務の知識は、給与や勤務時間など働き方に直結する内容が多く、業種・企業規模に関わらず働くすべての人にとって重要な情報です。しかし、専門性が高く、適切な情報を得る機会が不足しています。
昨今は、リモートワークや副業、フレックス勤務などますます働く価値観が多様化しています。
これから社会に出る学生の皆さんが、働く環境を考慮した就職先の選定や就職後の適切な制度活用など、自分らしい働き方を選択できていくことを願います。
働くの学び舎では、開催校を募集しています📣
働くの学び舎プロジェクトでは、学生さんに向けた「給与明細から考える働き方講座」とIT技術やものづくりを学ぶ高専生や専門学校生の方を対象にした「UXとウェブアクセシビリティの基礎講座」を無料開講しています。
ご興味のある教育機関関係者の皆様は、ぜひお気軽に以下のフォームよりお問い合わせください。(講義開催までの流れや詳細はウェブページをご覧ください。)
私たちの知識や経験が、これから働く学生の皆さんの糧になりますように。
SmartHRでは労働にまつわる社会課題をなくし、誰もがその人らしく働ける社会の実現に向けた取り組みを積極的に行っています。