空点前(からでまえ)でお稽古
今年は、お茶を初めて10年になったので、流派の「奥傳(おくでん)」という最終の免状取得に向かって日々稽古中です。
今日も空点前という、稽古をしてきました。
空点前というのは、炭も起こしていない、湯も入っていない窯や、水が入っていない水指(みずさし)と、抹茶が入っていない茶器を使って、まるでそこに湯が沸いていて、水が入っているかのように柄杓を使って本番のお点前の手順をそのまま「エアー」でやってみるというお稽古(エア練)です。
社中のみなさんは、今年お免状を取る人と取らない人(2年に1度希望者は免状の取得の受験ができ、段階を経て先生として教えられる範囲(免状の内容)が変わってきます)がいるので、免状を取る人は、最も格式が高い「真」のお点前をするので、真台子(しんだいす)の棚が置いてある部屋で空点前で稽古をして、
その他のみなさんは、普通に「草(そう)」のお点前の稽古をするので、風炉釜で湯を沸かしている方の部屋で稽古をしています。
空点前の稽古の後は、先生がこちらのお部屋で濃茶と薄茶を点ててくださったり、数人お稽古に来ていれば、お稽古で点てたお茶をいただいて帰ります。
人のお点前を見るのはとても勉強になります。
私の流派は博多の黒田藩が始めた、地域に根ざした武家茶道で、スッキリとして無駄がないところが気に入っています。
会費制で理事会で成り立っていて、家元制ではないのでお金がかからず(他流派に比べてですが)、裏や表その他で経済的な理由で長く続けることが困難になった方などや、武士茶道を習いたいといって、他流派から転向される方も多くて、そういった方の袱紗のさばき方やお茶の点て方、結構違いがあるけど、それぞれに美しくて、どこも良いな、と思ってお弟子さん達のお点前をじっと観察して、芸や技を盗みたい(←盗んでいいのはこれだけ、と教えていただきましたので)といつも感じいっております。
週に1度の非日常の時間です。
アンコウという形の薄茶器がユニークでした。