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記事一覧
『斑鳩への旅 その6』
《斑鳩への旅》《10》
《斑鳩33》
「やはり、Bプロットの対抗勢力が動いている……。」
車に向かう途中、コートを羽織りながら相馬は呟いた。
「以前より噂はありましたよね…。」
相馬を追いながら栗原が言った。
「だが、実力行使に出てきたのは今回が初めてだ。あの一般人の女子大生を狙ったのも、新吹教授の銅鏡が発端だ。自分たちが奪っても新吹教授の元に戻ってしまう。そして銅鏡がたとえ2枚揃っても簡単には“
『斑鳩への旅 その5』
《斑鳩への旅》《8》
《斑鳩27》
「文明の消滅の折にはよくあることだ。よほど怖かったのだろうな。ミノア文明を滅ぼしたアカイヤ人はミノアの神々をことごとくおとしめた。だが、民は滅ぼせても、民の魂の芯にある想いまでもたやすく滅ぼすことはできない。神々は人々の心の内に世代を越えて長く長く影響を与え続けるものだ。そして、想像を絶する速さで各地に伝播する。」
「まるでヒトの魂に宿る非常に生命力の強い生命体
『斑鳩への旅 その4』
《斑鳩への旅》《6》
《斑鳩20》
「先生、ひとつ伺いたいことがあるのですが……。」
相馬は浮かび上がった龍蛇文様を見上げ、ことばを続けた。
「“ウルカ”…という名をご存じですか?」
「ウルカ……か、美しい名だな…。」
新吹は何か懐かしいものを思い出すようにそう言った。
相馬は少し驚いた表情をした。
「美しい?“ウルカ”…とは、災いの象徴ではないのですか?天狗の古名…、古い呼び方だと聞いています。
『斑鳩への旅 のあいだのそうさくめも』
ちょっぴりブレイク。
この間の小説に関する重要なtweetやメモなど。リプライのやりとりなど。
2016.12.27
書き始めた頃思ったのは、若者、ローティーンやハイティーンにもっと元気を出してもらいたいという祈りを込めて高校生か大学生を主人公にと思ったのでした。
大学生にしては幼いかも^^;。もっと大人よね、ほんとの大学生は。でも高校生だと行動に制約があるかなぁと車が乗れる大学生に。
2
『斑鳩への旅 その3』
《斑鳩への旅》《4》
《斑鳩11》
コテージの中に入った2人に新吹は、奥の間についてくるように言った。奥の間には様々な標本箱や発掘された遺物が、棚や平机の上に所狭しと積み重ねられていたが、その部屋につながる奥の広い部屋はすっきりと片付けられ、窓の外から冬の日差しが降り注いでいた。その部屋の壁を背にしてこちらを向いている大きな机が、どうやら新吹の仕事用のデスクのようだった。そのデスクの中央に、随分と
『斑鳩への旅 その2』
《斑鳩への旅》(以下は2017.1.3〜twitterにアップしたものです^^。)
《斑鳩1》どうやら奈良のこの地域には昨夜雪は降らなかったようだ。
盆地に吹く風は冷たかったが、降雪がなかったことはありがたかった。
部下の栗原が運転する車の中で、相馬は冬枯れた小高い山々の連なる風景に目をやった。
一応スタッドレスを履かせた四駆を用意したが、雪が降ってしまってはこれから行こうとしている場所へ向かう
『斑鳩への旅 その1』
もう、こんな時間に!!
今日ものんびり家の中で一日中卓に向かっていました。せっかくなので自作小説の一部抜粋をご紹介。時系列的には《図書館の幽霊》のエピソードより前のお話です。ウルカも瑠珈も竹田さんも出てきません。
(2017.1.3 twitterより)
さて、登場人物のとても簡単なご紹介を…。
ウルカは天正四年1576年から現代、書き始めた当時の2013年の日本に異空移動してきた“定常異空可
『図書館の幽霊 その4』
…さて、昨夜の続きです。
その後も本編の瑠珈の元では本当に沢山の出来事が色々あったのですが、そんなことは露知らず、ウルカは瑠珈と会っていません(詳しくはまだまだ先ですが、『本日、酉の刻…』を読んでってください^^。ずっとずっと先ですが、必ずこのお話とリンクする場面が出てきます!)。
そんな中、司書の竹田さんは今日も相変わらず真面目に業務を行っていました^^。
《22》図書館の最上階のテラスに
『図書館の幽霊 その3』
《16》「うん。その後天下を取った豊臣秀吉が信長の祟りを恐れて自分の周りにあった関西以西の神社をことごとく廃社したって聞いている…。」
「信長の祟り…?」と、瑠珈は繰り返した。
「そう、だから西日本には第六天と名のつく社が一つも残ってないっていう伝説だ。」
「そんな事があったんですね……。」
瑠珈は、先日自分が足を踏み入れた不思議な神社の姿をまざまざと心の中で思い浮かべた。
あの神社がもし本当に第
『図書館の幽霊 その2』
…さて、『図書館の幽霊』ですが、その後色々あってウルカは、これ以上瑠珈に近づきすぎると彼女を危険な目に合わせてしまうかもしれないと判断し、少し距離を置くようになります。
ウルカからの連絡が途絶えて数週間が過ぎたある日、バイトの終わった瑠珈は竹田さんと一緒に駅まで帰ります…。
竹田さんは脳内配役では香川照之さん!『スニッファー』に出てきた香川照之さんの役のイメージが竹田さんにぴったりで、それ以来大
『図書館の幽霊 その1』
登場人物たちの名前はウルカを抜かしてまだみんな仮名。瑠珈の名字も元々の紙ベースの方は私の高校時代の詩のペンネームだったのだけど、こちらに書いた名前に一応決定。
(2016.12.25 twitterより)
《1》「葛城さん、ここもういいわよ。」と、閉館時間になると年配の職員の須藤が瑠珈に言った。
「あ、はい。じゃあ、この本たち書庫に片付けてから帰ります。お疲れ様でした。。」
須藤にあいさつ
『時のすきま…の創作倉庫』
これは以前2016.12.24から新年にかけて、twitterの画像としてアップした『本日、酉の刻…』のずっと先のお話です。
twitterの画像だとタイムラインに流れてしまって、そのうちに読めなくなってしまうので、こちらに移植します。
今の時点では番外編という感じになるのかな?
でもそのうちに本編にもさりげなく加えることになるかと思います。まだまだずっと先のお話です。
当時はレグルスの恋人とかオ