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自己紹介的エッセイ集

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わたしと、私の家族のことを書いたエッセイです。この人何者?と疑問が湧いたらお読みください。自分的にお気に入りの記事多めです。
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記事一覧

オムライスは恋の味

私の夫は、とても優しい人だ。 ”まるで天使のよう”という、愛らしい赤ちゃんなどに使う形容…

skyfish
2年前
28

思春期に大きな影響を与えてくれた友

中学校1年生。入学式後の教室。 期待と緊張が混じるような空気が充満して、ざわざわと落ち着…

skyfish
2年前
41

家族って、血の繋がりって、なんだろう

26歳のとき、3歳になったばかりの娘を連れて私は離婚した。 前夫は繊細で静かな人で、喧嘩ら…

skyfish
2年前
85

それがあったから生きてこられた。

ずっと忘れられない景色がある。 10年前の秋のこと。夜の11時頃、フラフラになりながら辿り着…

skyfish
3年前
173

そこに、あなたはいない。

クローゼットの中を片付けていたら、使わなくなった古い携帯電話が1台、白い小箱の中から出て…

skyfish
3年前
44

海水浴と、父の水泳パンツ

もうすぐ春休みだというのに、私には春休みがない。日々お勤めに行っている方にももちろんない…

skyfish
3年前
34

桜色の着物とお道具箱

吹く風の温度が急に温くなったな、と思ったら家のそばの桜並木の色が変わってきた。まだまだ花をつける兆しすら見当たらないのだけれど、木の皮がほんのりと極々薄いピンク色を含んだように見える。よく気をつけて見ていないと分からないほど小さな変化ではあるものの、桜は確実に準備を始めている。 この春の風の匂いを嗅ぐと、いつも母の桜色の着物を思い出す。 母方の祖母が和裁の先生だったこともあってか、母は行事には必ず着物を着ていた。私は物心ついた時には日本舞踊を習わされていたので、母は着物と

彼女がメーターを振り切ると。

私がきのこの刺繍をほどこした『ファッションセンターしまむら』のパーカーを着て、娘がソファ…

skyfish
3年前
50

ジャズとコーラとポテトチップス

月曜日の朝、部屋の窓から雨を見ていた。 窓の向こうには丘の下の家々の屋根があって、そのど…

skyfish
3年前
69

幻の猫をエアーナデナデする。

猫を飼いたい。喉から手が出るほど、猫が飼いたい。 猫が飼いたすぎて喉から出てしまった手が…

skyfish
3年前
43

病気になって、大切にしたいものがはっきりわかってきた

***病気の治療等について書いています。病気に関する話題が苦手な方は、この先を読まないよ…

skyfish
3年前
43

ありがとう。

朝、誰もいない教室に一人で座っている。 目の前の大きな黒板には、私が誰かに話したい出来事…

skyfish
3年前
42

あなたのために

外はしとしとと細かい雨が降っている。 空気を入れ替えるために窓を開けると、雪の予報が出て…

skyfish
3年前
46

好きなことの本質を見極め、生業を作っていく

夫と娘と、三人で仕事について話をしていた。 娘は社会人4年目を過ぎ、自分の人生設計を見つめなおす時期を迎えているようで、今後の生き方についてよく相談を受けるようになった。 夫は料理人をやっている。フランス料理一筋30年のベテランの域に入ったコックだ。 彼は小学校一年生から野球を始め、高校はスポーツ推薦で私立校へ入り、ずっと甲子園を目指していた。地方大会の決勝で敗れて惜しくも甲子園へ出場する夢は叶わなかったが、卒業後も大学で野球を続けるか、もしくは社会人野球へ進むかという