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人のあきらめを聴く「あきらめラジオ」を50回やって、10年かけて1000回を目指したいと思えた話
10年かけてやりたいと思うことが見つかりました。それは、「1000人のあきらめた話」を聴き続けることです。「え?なんで1000人?しかも人の諦めた話なんて聴きたいの?」5人ぐらいの人にそう言われました。そうですよね、なんでそこ?ってツッコミが聞こえてきます。
なんとなく50人聴いたら面白くなってきちゃったんだ
いろんな方の「あきらめた話」を聴くラジオを「あきらめラジオ」と称してX(旧Twitter)のスペースで開始して先日50回を迎えました。
仲間と始める講座のプロモーションとして限定1ヶ月の企画でしたが、「人のあきらめを聴くことの面白さ」にはまり、気づけば4ヶ月続けています。
2つとして同じものがない個々のお話を聴くことが、まるで鉱山に宝石を発掘しにいく採掘者の気持ちでいます。
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なんで1000人も?
「1000人のあきらめを聴くことにしたよ!」
友人に話したら、「なんで1000人なの?100人ぐらいで十分じゃない?」と突っ込まれました。
1000人なんて遠い数字じゃなくて100人でも十分そうなのに、なぜ1000人?
みなさんは2014年ごろに放送されていた、「1000人インタビューとりあえず聞いてみた…」というテレビ番組企画をご存知ですか?
さまざまなスポットでインタビューが敢行され、「とりあえず街ゆく人に話を聞いてみたら、何が起こるのか?」を検証する番組で、好きで見ていました。1000人達成したとき、そこまでの年月を感慨深く思い出し、出会った1000人の方に思いを馳せてしみじみしたMCの方の表情に心がドキュンときた感覚を覚えています。
あの番組が心に引っかかっていて、私も「1000人を思い出してしみじみする感じ」を味わってみたくて、100人でも500人でもなく「1000人のあきらめを聴く」と仮おきしましたが、そう置いてみると、1000人である理由も生まれてきました。
普段から「聴く」仕事をしているのに、なぜ「あきらめ」を聴きたいのか?
私は、「パーソナルコーチ」をしています。今までに800時間ほどコーチとして人の話を聴いていて、今も毎日3~4人のお話をプロコーチとして聴いています。
未来に対してモヤモヤしている、より良い人生を送りたい、もっと自分の可能性を発揮したいなど、様々な方の話を特殊な聴き方や質問を交えて聴く仕事に誇りを持ってやっています。
本業で十分聴いているのになぜ「人のあきらめをラジオとして公の場で聴くのか?」というと、「あきらめラジオ」がコーチングとは別物だからです。
コーチングの場合は、一回で終わらず継続して聴き続けます。
1人の方と短くても3ヶ月〜半年、長いと2年〜3年。定期的に聴き続けている方もいます。長い期間の中で信頼関係が生まれて、他の誰も聴いていない2人だけの空間で、普段考えたことがないような質問によって考えが深まったり、180度人生が変わっていく様子もたくさん出会いました。
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それと比べて、あきらめラジオは、顔も見えない声だけの1回きりの40分程度の出会いです。「こんにちは、はじめまして!」「あきらめを教えてください」とストレートに聴いています。
下調べも事前打ち合わせもありません。何が出てくるかまるで読めない、わからない一期一会の出会いです。
普段、コーチングをしているからこそ、「スペースであきらめを聴く時間」は、私の特別な時間として大切にしています。
なぜ「スペースであきらめを聴く時間」が特別なのか?
これもまた友達にスペースで「あきらめラジオやってるんだ!」と話したら、質問されました。
「音声だけでやるのってどういう感覚がある?」
「はじめた当初から感覚を掴めたの?やりにくくないの?」
「やってきてわかったことはある?」
「配信しちゃうってどういう感覚なの?」
人の話を真剣に聴くことは、音声だけの方がやりやすいと思っています。もちろんZOOMで繋いで聴くこともしますが、視覚情報がないほうが耳に集中できて、見えない相手を想像しながら、デバイスの向こうでその方が見ているであろう景色を映画のように感じながら聴けるので、じっくり聴くためには、音声だけの方が私はやりやすいです。
はじめた当初からこの「耳だけの方がやりやすい」感覚はありましたが、回を重ねるごとに、さらに「目からの情報がない方が相手の話を評価判断なく聴きやすい」と思っています。
スペースという仕組み上、生配信・編集不可なので、何度も取り直してしまうという時間もかからないことも続けやすいので気に入っていますし、スマホは裏返して遠くに置いているので、配信している感覚もなく、電話で話す感覚で聴いています。
ただ、配信することは、話す方にとっては気になると思うので、ご自身が公開される状態で自分のあきらめを話していいと決めている方に出演いただきたいと思っています。なのでこのラジオは「出演立候補制」です。
こだわりがないようで、1点強くこだわっているポイントがあって、
「諦めた話を、最後の一滴まで話しきっていただくために、自分の話をしない。自分の興味関心に寄せすぎないこと」
それは諦めたことの裏側には、諦めたくなかった願いや、諦めたことと引き換えに選択した何かがあると思っています。 大きな諦めの裏側には強い願いがあり、こうしたい!というエネルギーがあると私は信じています。
だからこそじっくり諦めを聴き続けます。
1000人のあきらめを聴くには何年かかるのか?
さて、1000人って何年かかるのでしょう。計算してみました。
1ヶ月で8人。6ヶ月で48人、ざっと50人。
1年で100人。
1000人までは、10年!
10年!!!
改めて計算してみると想像以上に長くかかることがわかりました。今、40歳なので、50歳の誕生日ごろに到着しそうな長旅です。
人のあきらめを聴くことは、1年の100時間を使いたいと思うことなのか?
100歳まで生きるとして、40歳のいま、あと60年。60歳を現役として、私が元気いっぱい健康で仕事ができる時間は、あと20年です。
残り20年の2分の1のいのちを使ってまで「本当にやりたいの?」と自分に問うてみると、
できるところまで全力でやってみたい。
そう思っています。
無自覚にたくさんのことを諦めている私たち
なぜそこまで「あきらめ」にエネルギーが沸くかというと、たくさんの日本人が無自覚に無意識に色々なことを諦めていると思うからです。
母親になったらから夜飲みにはいけない。
もういい歳だから、今更やってもできるはずがない。
反対だ!といっても、どうせ意見が通るわけない。
どうせ無理だよね、と諦めていることに溢れているなと感じます。それにも気づかないほど「無意識なあきらめ」に溢れています。
でもこう思いませんか?
「あきらめたこと」の裏側には「本当は〜がしたい!」「実は〜でありたい!」という願いがある、と。諦めざるを得なかった何かは、本当はこうしたかったのちょっと後の感情です。
「あきらめラジオ」として「あきらめ」にフォーカスすることで、「あきらめたこと」として傍に置いていたことを改めて話してみると、その奥に眠っていた「本当はこうしたい!」という願いが奥の方から出てくるといいな、その美しい願い、見たいな。と思っています。
「あきらめたこと」とは、「悲しみや怒りや切なさをまとった願い」だと思っています。
1000人のあきらめを聴いた先に、「あきらめたと思っていたことが実は自分の願いだった」に気づく人が溢れて、その願いに向けて行動を起こす人が1000人現れたらと、想像しただけでワクワクしませんか?
私はそんな社会を娘たちが生きる時代にしたいです。
あきらめラジオの「Value」と「おやくそく」
改めて1000人の聴くために、あきらめラジオのValueとおやくそくを示してみたいと思います。
【Value】
自分のあきらめを話すことで、自身の奥に在る願いに触れる入口がひらく。
他人のあきらめを聴くことで、相手を愛おしく想い、自分を愛する眼差しがうまれる。
【1000人聴くためのやくそく】
・出演はおひとりさま1回でおねがいします。
・30分から50分を目安に聴かせてください。
・出演料はありません。御礼もありません。
・出演が決まったら「あきらめってなんだろう?」という問いを立てて、当日までお過ごしください。
・「自己紹介」と「あきらめラジオにどうして出演してくれたの?」からスタートします。
・告知や宣伝はお控えください。
・脈略や文脈を考えず、思い切り好きに話してだいじょうぶです。
50回の節目に振り返ってみてわかったこと
2023年の10月になんとなくはじめたところから、わたしの大切なライフワークになりました。
コーチングでクライアントさんの本質的な変化に向かってアプローチしたり、「あきらめラジオ」で、自分のあきらめを話すことで、奥に在る願いに触れる入口がひらき、他人のあきらめを聴くことで、相手を愛おしく想い、自分を愛する眼差しがうまれるような場を作ったり。
こうやって色々な聴き方で人の話を聴くことが、私自身の喜びなんだと50回の節目に振り返ってわかりました。
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あと950人の「あきらめ」を楽しく聴き続ける10年の旅路をはじめたいとおもいます。
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あきらめ面白そうじゃない、と思ってくださった方、ぜひ X(Twitter)をフォローしてください。
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「あきらめラジオ」は、ハイライトに全てまとめているので、ぜひ聴きにきてください。
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出演したい!と思った方、以下のフォームからお知らせください。
1000人のあきらめを聴いた先に、今よりもっと幸せが広がる次の時代が来ることを願っています。
国際コーチング連盟PCC
CTI認定CPCC®︎
坂口佳世
出演していただいた方がnoteを書いてくださって、とてもうれしい。
ありがとうございます〜
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