第二十一話 「天から地」
順風満帆に思えた新生活だったが、早くも瓦解し始める。そもそも、違和感はあった。義父に何も告げず逃げてきたわけだ。追われないのだろうか。探し出されて殺されるのではないか。それに、そういえば名字もまだ義父の名字のままだ。決着はついていないということか。
そうは思いつつも、学校生活の楽しさに不安はかき消されていた。
そんな希望と不安の入り混じる日々の中、遂に不安が勝る日が訪れる。ある日のこと、茶の間で母に告げられる。結論から言うと、義父がこの家に来てまた一緒に住み始めるそうだ。