第十七話 「兄と妹」
兄と妹とは七つずつ歳が離れている。私は中間管理職として、兄から見る母と義父との関係、妹から見る母と義父との関係を、神経をとがらせながら、「空気を読んで」なんとか保っていた。
まず、兄に関しては、いつの頃からか、家に寄り付かなくなっていた。そりゃそうだ。七つ上ということは、当時中二の思春期真っただ中で転校し、まさかあんな義父だとは思わず、さらにすぐ高校受験が迫っている。そんな状態でこんな家に住んでいられるわけがない。兄は隣町の母の実家から学校に通うようになっていた。そういえば