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「肩こり」と「姿勢」の関係

肩がこって、つらい経験をされたことはありますか?

肩こりが慢性化して激しくなると、緊張性頭痛やめまいにもつながっていきます。
日頃頑張っているご自分の心身ケアをして、肩こり予防もしましょう。


◾️肩こりは人類の宿命

人間が進化する過程で「両手を使い、物を運ぶため」や「遠くの獲物や敵を発見しやすくするため」2足歩行となり、頭が身体の一番上にきました。
ただ、これが肩こりの大きな要因となるため、人類の宿命と言われています。


◾️肩こりの原因

肩こりの原因は、「病気によるもの」と「そうでないもの」で大きく分かれます。
しかし、多くの肩こりの原因は、「病気によるもの」ではなく、体型(なで肩、肥満)、ストレス(精神緊張)、寒冷、眼精疲労、背骨・関節の異常…とさまざまな要因があげられますが、一番の原因は「姿勢」です。


◾️姿勢と骨盤の関係

姿勢は、骨盤と大きく関わりがあります。
イラストをご覧ください。

骨盤と姿勢の関係

真ん中がニュートラルな骨盤の姿勢です。
右側が骨盤前傾を強めた姿勢で、左側が骨盤後傾を強めた姿勢です。
骨盤の状態でイラストの姿勢も変化しています。

この関係性を体感してみましょう。
できる方は立って頂き、人差し指が前で親指が後ろの状態で腰に手を当て、骨盤の腸骨に沿って手をあてます。
この状態で、親指で骨盤を前に軽く押しながら骨盤の前傾を強めていくと、姿勢は自然に胸を張り、反り腰となって膝が伸びていきます。
また逆に、骨盤を後ろに転がすように軽く押しながら骨盤の後傾を強めていくと、姿勢は自然に背中が丸くなり(猫背・円背)膝も曲がってきます。
このように骨盤の動きに連動して、姿勢は大きく変化します。
これは座った姿勢でも同じです。

イメージしてみてください
本を読む、字を書く、手作業をする、パソコンを使う、スマホを使う……
多くの動作の姿勢が、骨盤が後傾し猫背になっていませんか?

さらに今は現代病と言われている「スマホ首」。
皆さんの日常はいかがでしょうか?


◾️姿勢と肩こり

では、姿勢と肩こりについて解説します。

まずは、身体の各部位の重さをイメージしてみましょう。
体重が40kgの方を「質量の割合」で「各重さ」をみてみると、このような感じになります。

身体の部位別の重さと質量割合

今回、頭の重さに注目すると、約3.2kg+重力となります。
これをイメージしやすいものに例えると、500mlペットボトル  6本以上となります。試しに買い物の際に 500ml 6本 持ってみてください。
これが40kgの方の頭の重さです。
結構、重たいです。さらに、頭の位置まで持ち上げてみると…
うわっ…!体感してみてください。

その頭を支えている代表的な筋肉は、「僧帽筋」です。
よくこの筋肉が肩こりの原因と説明されています。

重い頭を支えている僧帽筋

イラストをみると、縦に長く頭、背骨、肩甲骨についているのがわかります。

僧帽筋は、① 重い頭を支えたまま頭の動きをコントロールし、② 両方の手の重さ(大体1側が頭と同じ重さ)を支えているため、「頭部を支えつつ」「左右から下に引っ張られるのを支えつつ」という、板挟みで実に過酷なポジションにあります。

僧帽筋の負担は、頭と肩の位置に関係します。
首にかかる負担は、猫背の姿勢のように耳位置が良い姿勢から 2〜3cm離れると、約 4倍になると言われています。

首にかかる負担

パソコンを扱う、本を読むなど、骨盤が後傾し猫背の姿勢で集中して長時間作業する姿勢は、2〜3cmどころではないですよね…


◾️コリのメカニズム

同じ姿勢で長時間の作業は、血行不良を引き起こします。
体内の血行は、ほとんどが動脈と静脈で行われます。
動脈は心臓の拍出の力で血液を細胞に届けますが、静脈は周りの筋肉の収縮と弛緩を利用したポンプ作用で心臓に血液を戻してきます。
同じ姿勢での作業というのは、大きな筋活動が行えず筋肉が一定の状態をキープしないといけないという状況です。ですので、十分な筋肉の収縮と弛緩が行われないため、ポンプ作用が発揮されにくく血流が滞り血行不良となります。

筋ポンプ作用のイメージ

姿勢(猫背)やストレスなどで筋肉に負担が強い状態が続くことで、①筋肉の緊張が持続されてしまう、②血流が悪くなる、③疲労物質が停滞・神経を刺激する、④痛みでさらに緊張が強くなる…という、「負のスパイラル」が筋疲労を助長してしまうことになります。これが「コリのメカニズム」です。
さらに、この状態が少しずつ積み重なって、さまざまな要素が複雑に絡み合って慢性化してしまうと改善が難しくなります。

コリのメカニズム

ですので、早めのアプローチが重要になります。

「コリ」については、こちらで詳しく解説しております ↓


◾️肩こり知らずになるポイント

01. 「コリをほぐす」 = 筋肉の状態を改善・働きやすい環境をつくる

リラクゼーションやマインドフルネスによる「心身ケア」で筋肉のコリをほぐし、「軽い運動」や「ストレッチ」などで、筋肉の伸び縮みを促して血流やリンパ循環を改善することがポイントです。
これにより筋肉が働きやすい環境になり、負のスパイラルの改善に効果があります。


02. 「姿勢を意識する」 = 筋肉の負担を減らす

「負のスパイラル」が改善されても肩こり原因の大元である「姿勢」が変わらないと、「負のスパイラルが起きやすい状態」は変わらないので、肩こりを繰り返してしまうことになります。
姿勢は、身体の使い方・意識によって変わり、また良い姿勢を保とうとすることで、持続できる筋力も養われます。

◾️さいごに

肩こり知らずになるためには、肩こりと姿勢の関係をから「コリをほぐすこと(筋肉の状態を改善し、働きやすい環境をつくる)」「姿勢を意識すること(筋肉の負担を減らす)」がポイントというお話をさせて頂きました。

今後、姿勢改善に良い「運動」や「ストレッチ」、心のリラックスに良い「マインドフルネス」などについてまとめていきたいと思います。

よろしければ、そちらもチェックして下さい。

マインドフルネスについては ↓


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