![見出し画像](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/60983369/rectangle_large_type_2_d6d6db9797310779520641ba490e17a7.png?width=1200)
包丁
私は、包丁が苦手である。
幼少期から、
包丁は私に取って凶器であった。
かあちゃんが振り回すからだ。
なので、小学校入って、
私が料理をする様になってからは、
かあちゃんに見つからない様に、
包丁を毎回使う度に、隠していた。
ある時には、私の部屋に入り浸っていた、
友人が自分の兄に包丁を突きつける現場を、
目撃し、恐怖を覚えた。
そして、また私は包丁をつけ付けられる。
それは、
束縛の強い彼女によってその時がきた。
私は、束縛されるのは、嫌いである。
そして、私は疑う様な事は一切しない。
なのに、彼女は信じてくれない。
なにを、言っても信じてくれない。
彼女にとって、それは嘘だったり、
言い訳だったり、言い逃れにしか聞こえない。
泣いて、
あんたを殺して、私も死ぬ。
と包丁を突きつけて言うのである。
私は、不器用でひねくれ者なのだ。
そんな私の言葉は、
彼女を納得させる事には、いたらない。
何を言えば、何をすれば、いいのか。
どう言えば、どうすれば、いいのか。
そのすべがわからない。
その繰り返しがつもりに積もってきた。
ある時、
同じ様に彼女が包丁を突きつけた。
そして私は、
自ら、包丁に刺さりに行く。
包丁を持つ彼女に向かって、
勢いよく抱きしめにいったのだ。
もちろん、包丁はわたしの腹に刺さる。
それでも、構わず彼女をきつく抱きしめた。
彼女は、血相を変えて震えていた。
私は彼女に、
お前の望む人間になれなくてごめんな…。
あと…包丁は抜かないで…死ぬから…。
と彼女の耳元でささやく。
彼女は、包丁から手を離し、
あとずさりして腰を抜かしていた。
そして…彼女は逃げた。
私は、腹に刺さった包丁を見つめる。
私の住んでたアパートには電話がない。
困った…どうすればいいのか、
下手に動くのもな…と考える。
出来るだけ、
体を動かさない様に、
近所迷惑しない様に、
公衆電話に向かい、救急車を呼んだ。
なるべく、遠くの公衆電話まで歩いた。
救急車の中で、質問責めされる。
まずは身元確認。
そして、ことの経緯…。
私は、いや…事件ではないです…。
あの…手が滑って…。
ってなわけないですよね…。
すみません…自殺です。
死にきれなくて…
救急車呼んじゃいました…。
と自ら刺したと言った。
その後、病院に着いて、
緊急手術により、命拾いしたのだ。
その後、警察が来て事情聴取される。
それでも、自分で刺したと言い張った。
自殺しようと思っただけです。
でも、死にきれなかっただけです。
その一点張りで、
警察は、呆れて帰っていった。
それ以来、彼女には会ってない。
もしかしたら、
殺人未遂で警察に捕まると思って、
逃げ回っているのかもしれない。
彼女には、悪い事したな…。
私は彼女が信じられないのなら、
本気だと示したかっただけなのだ。
彼女が納得してくれれば、それで良かった。
病院の先生から、
レントゲン写真を見せてもらう。
そこに映し出していたのは、
包丁が私の体の一部となって埋まっていた。
先生の懸命な手術のおかげで、
包丁は抜かれて、私の中から消えていた。
私は、腹をさする。
するとなき包丁の居場所に傷みを感じる。
そっか…
今あるのは包丁でも彼女でもなく、
不器用でひねくれ者の孤独な私だけなのか…。
人生ってなんなんだろう…。
オレは人を愛する事は、
出来ないのかもしれない…。
人間関係を築けない、自分が悪い。
なぁ…オレよ…お前はなんで生きてんの?
生きてる意味あんのか?
お前、自分すら愛せないのに、
他人なんか愛せる訳ねーじゃん。
なに、いきがってんだよ。
お前なんて…オレなんて…
死ねば良かったのに…何生きてんだよ。
あの時、
彼女に包丁抜けって言えなかったのか?
かっこつけて命乞いみたいなマネしやがって、
お前はバカだ…大馬鹿者だ。
だが、彼女を犯罪者にはしたくなかった。
だから、自殺だと言い張った。
オレはダメな人間だが、
他人に迷惑はかける事は出来ない。
だから、私は生きる。
誰にも迷惑かけない為に生きてやる。
死ぬ時も、誰にも迷惑をかけたくない。
だから、命ある限り、孤独に生きてやる。
人付き合いは、私には自信がない。
自分を信じてないから、出来ない。
ひねくれた思考は、私を責めるのだ。
私自身が包丁なのかもしれない…。
もうこれ以上、人を傷つけたくない。
それが、すごく怖いのだ。
知らず知らずに、人を傷つけてないか、
人と関わると、真っ先に、
その人を傷つけてしまうかもと、
ものすごく不安にさいなまれる…。
だから、孤独を貫いて生きると心に誓った。
結局のところ臆病者なのだ。
だからSNSもしたくないのだ。
知らない誰かを傷つけるかもしれない。
だが、巡り合いがあり、今がある。
人を拒み続けていた自分が、
今は、みずから発信している。
まだまだ、私は未熟者なのだ。
それでも、自分をさらけ出ている。
今までの、過去や現在を投稿しているのだ。
いくつか、葛藤があったが、載せた。
何が、そうさせているのか…。
はじめは生きてきた証として書いていた。
でも、今は多分違ってきている。
少しだけ…
自分を信じて見てもいいと思えてる。
前向きにとらえられる様になっていく。
なぜなら、
いつも助けられているからである。
こんな私を、救ってくれる人がいるのです。
こんな私を、褒めてくれる人がいるのです。
私は幸せ者だと強く感じます。
だから、私は書き続ける事が出来るのだ。
頭の悪い素人の文章を、
読んでくれる人達がいるからである。
人を傷つけない方法はまだわからない。
だが、
自分を傷つける事はなくなってきています。
今を生きて、今を大切にしたい。
今一度、お礼を言わせて下さい。
いつも、私の投稿を読んでいただき、
本当にありがとうございます。
そして、「スキ」を押していただき、
ありがとうございます。
コメントをいただいて、
私は本当に救われて、助けられてます。
こんな私ですが、
どうかこれからも、よろしくお願いします。
もう…包丁は…まっぴらごめんなのです。