調理場という戦場(1/8/2024)
心にガツンと一発喰らいました。
フランス料理に興味がなくてもこの人の作った一品を食べたくなる、そんな魅力のある本です。
1973年に単身でフランスに料理の修行に出た著者の下積み時代から独立して日本で自分の店を開くまでの実体験が語られる。
この本が単なるノンフィクションの自伝で終わらないところは、著者が店舗ごとに異なるオーナーやそこで働く人々との交わりやフランスでの生活で感じたこと、学んだことを読者に語りかけるように、偉ぶることなく平易で優しく書かれている点だ。
「1970年代、フランス、料理人」
という現代のサラリーマンとは関係のないような話にも思えるのですが、著者が修行で学んだこと、そして自身の店「コート・ドール」で料理長として働くうえで心がけていること、その仕事観が噛み砕いて分かりやすい言葉で書かれているのですべての働く人に普遍的な教訓が満載。
特にオススメしたいのは『30代以降・管理職』に就いている人たち。
著者の下積み時代の話を読みながら「こういう上司(先輩)居たなぁ、苦労したなぁ」と過去を振り返り、
著者が5店舗目あたりから責任を任される立場になってからは「私もこういう苦労しているなぁ」と共感し、
6店舗目で自身のお店を開くあたりで「自分もこういう仕事が出来るように頑張らないとな」とページが進むごとに自然とモチベーションも上がっていく、元気が出てくる本となっている。
モチベーションが下がってしまったとき、
自分の仕事観を見つめ直したいときにぜひ本棚に置いておきたい本だ。
この本はこんな人にオススメ:
‐ノンフィクション好き
‐モチベーションアップ
‐自分の仕事観の整理をしたい人
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