人生てんてんと
名古屋から東京へ出てきて約12年目。
初めは漫画家仲間を頼って東小金井に1年半、バイトでほぼ毎日新宿にいたため終電か始発で帰るのが辛くて北新宿へ引越し2年半、縁あって流しとなり新宿区荒木町へ引越し2年、新宿区四谷4丁目へ引越し2年、新宿区余丁町へ引越し2年、コロナ禍で高い家賃を節約するために江戸川区へ引越し3年住みました。更新時を狙ったわけではなく、たまたま転機に出会い、生まれ変わったような気持ちで新天地を求めて転居を繰り返し、ふと気がつけば12年間で6回の引越し、引越し貧乏とは正にこのこと、我ながら波瀾万丈に呆れます。何を隠そう、地元名古屋でも、18歳で実家を出てから7回引越してます。通算13回。なかなかの根無草。
人生の転機の度の心機一転の引越し。引越しの数が多いということは、人生の転機もまた多いという事実。出会いと別れ、成長、進化、あっちいってこっちきて右往左往、壁にぶつかったり、壁が向こうからぶち当たってきたり、自ら飛び込んで突き破ったり(ガラスに突っ込むハリウッド映画をご想像ください)学びと開眼と環境の変化、濃い人生を歩んできたのだなぁと、我ながら感心します。呆れたり、感心したり、実に多忙を極めます。
そして！
ハイ、そうです、ここへきて、また再び人生最大の転機がやって参りました。妊娠出産子育て！もうお分かりと思いますが、再び引越しです。まいったか。(何が)
場所は、再び大好きな新宿区。もはや、実家に帰るより、帰属意識の強い場所になっています。母なる新宿、ただいま、母ちゃん、子ども産んで戻ってきたよ、よろしくね、そんな感じ。知らんけど。今回こそは、地に根を張り根無草を卒業したい！(と、引越しのたび思っている)
コロナ禍が明け、満を持してのやっと仕事だ！稼いだるどー！と息巻いていた矢先のまさかの妊娠、出産、怒涛の育児スタート。どうせ仕事できないし、引越しちゃえ！と、まあそんな単純な話ではないのですが、育児が軌道に乗って、再び仕事復帰するときの動線確保のためにも、荒木町に通いやすい場所に転居は必須なので、産後の負傷兵に鞭打っての一念発起、復活のその日への執念以外の何者でもありません。諦めませんよ、母は。
里帰り出産の名古屋にいながら、オンライン内見、契約、振込、東京に戻って、予防接種やおっぱい星人やオムツちゃんや謎のギャン泣き大魔王や、アレやこれやの怪獣のバトルの合間に、引越し屋見積もり、荷造りコツコツ、友達に手伝ってもらって少し荷物を運び出し荷物を減らし(2トンワイドロング、つまり3トントラック、1台分！ちっとも少しじゃない！)、引越し屋に再見積もりを頼んで、8万近くの節約に成功、先週の週末に2日間工程、3トン３台でオリャー！と気合いで引越しました。(どんだけ荷物多いんですか？の質問にお答えします。3トン×4台分つまり12トンです。恐ろしや)なんとも結構な産後ダイエット。が、まだ身体の歪みが激しいので、骨盤ベルトをガッチリしてても長時間動くと腰痛。片付けが終わったら骨盤矯正整体に通いたい。ついでに、エステとリンパマッサージと、美容院と、、ママに自由時間をくれ、宇宙怪獣よ。
つい先週引越し完了、只今絶賛コツコツがつがつダンボール祭開催中。実は結構好きな作業です。何故ならば、生活空間をリセットし整理整頓し直すことは、すなわち心象風景もリセット再構築する事に繋がるからです。帯を、骨盤ベルトを、シャキッと締め直すような気持ちになります。
ふとダンボール開封の手を止めて考えました。何故、結婚、離婚、妊娠、出産をはじめ、転職、コロナ禍、病気などなど上げればキリはないですが、いわゆる人生の転機に巡り合うたび新天地へ環境をリセットして、リスタートしたいという気分になるのか。嗚呼日本のどこかに私を待ってる物件がある〜てな感じで。
住む場所、その部屋の風景はひとつの箱庭と、常々考えてきました。同じ家具家電、本や服を持って、新しい形の部屋に移り住む、ある意味大々的な模様替え、まっさらの更地に新しい風景を作り上げる作業、それが引越し。荷造りや荷解きは自分の持ち物の向き合う時間になり、物に宿った想い出、言葉、と共に、つい昨日のことのように脳内スクリーンに映し出されます。これはあの時あの場所で今は疎遠な友達とお揃いで買ったなぁ、友達は今頃何してるかなぁ、これが家にやって来た時、自分はあんな事こんな事で悩んでたなぁ、探しても見つからなかったコレはこんな所に落ちていたのだなぁ、などなど。まるでどこかに置き忘れた自分を迎えに行くような気持ちになったりします。
あっちこっちと雑多な日常に紛れて未分類のまま放置されてきた物は、記憶と共に思い起こされ、自分の過去に触れ、再び出会い直す気持ちになったり、今の自分にはもう必要ないものを処分をするように、過去と決別、断捨離と共に自分の今いる場所、あるべき自分を再確認したり。現在過去未来に迷い道くねくね、その作業を通して、思へば遠くへ来たもんだと黄昏の中に、新しい何かが胸の中でザワザワと始まるのを感じます。強制的に自分に向き合う事で、いつのまにか思いがけず開いていた穴が埋まり、新たなステージを踏み締める精神的な体力の回復に繋がったりもします。
ステップアップは、まず現状認知なくしては始まりません。去ろうとしているその家に住みながら学んだ様々な経験を反芻し、得た経験と知識を自らの血肉として次に生かすため、睡眠中に情報を脳が処理するように、ダンボールは積み上がってゆきます。そして、たくさんの記憶と共に転居先へ移動した、うず高く積まれたそれらを、再び開封し、あるべき場所へ再構築する作業は、まさにデフラグ。
私にとって引越しとは、成長と前進、進化の儀式なのだと改めて再認識しました。母になり、今まさに始まろうとする小さな人生の成長を見守る立場となった今、世の中の見え方も大きく変わりました。その視点の変化、進化が、まさにこの箱庭に表現されてゆくのだという感慨にふけりながら、ダンボールで荒れた手を見つめています。部屋は箱庭作品、文字通り作品である歌や絵も、変化、進化している事でしょう。復活が楽しみです。間違っても劣化しないように、引越しが落ち着いたら、三味線や歌のリハビリ、心身をを整えようと思います。
7月中に荒木町のご常連さまが、貸切パーティのご予約をしてくださったので、臨時ベビーシッターも確保、日々の流し営業はまだ無理ですが、時間を決めての貸切宴会、ソロライブなどは何とか工夫して、ちょいちょいユルユル始動して行きたいです。
スクスク真旺ニャン、前髪が目に入るほど伸びてきたので、大五郎になってもらいました。荒木町でのしとしとぴっちゃん子連れ狼デビューにむけて、形から入ります。というのは冗談で、赤ちゃん筆のためもうちょい伸ばしてカット予定。
復活へ、カウントダウンです。
どうぞ、あたたかく見守ってくださいませ。
そして、SNSでの親バカ投稿は、どうぞ、なまあたたかく見守ってくださいませ。
今後とも、どうぞよろしくお願い申し上げます。
最後まで読んでいただき、ありがとうございます。
いいなと思ったら応援しよう！
