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それが人事というものかを1111字で語る

 今回は青天の霹靂でしたので、異動をまったく予見しておらず、普通に年度末も出張や会議を入れており、後任への引き継ぎも長時間かかったため、異動の片付けは業後に手を付けました。
 
 片付けも、中途半端に終わらせるのは気持ち悪いため、ある程度クリアになるところまで徹底的にやっていたら、日付が変わる時間になってしまいました。

朝型人間の僕にとってはそもそもきつい時間のところ、昨日は午前3時に起きて朝7時に出勤、昼休みも会議があり、かなりフラフラになりながら家路に着きました。今は駅から徒歩圏内なのが、ありがたい。

 さて、僕の人事は多くの人から「なんだそりゃ?」と言われるサプライズ人事でしたので、佳境に入っている案件を中途で投げ出しての異動になるため、外部の関係者からはプロジェクトの先行きを懸念する声があり、内部ではいろいろ憶測が飛び交った感じです。

 そういう中で、秘書担当役員に呼ばれました。
 役員からは「まあ、君はよくやっていたし、目の前に困難な課題が山積する中、それなりに解決の道筋を考えてもいただろう。そういう思いをもって、外に出て、自分と違う人間が、どう困難を乗り越えようとするのか、それを見ておくのは、いい経験になるぞ。今のメンバーでは考えもしなかったアプローチから課題解決をするかもしれない。これはいずれ、もう少し上のポジションで戻ったときに、違った視点をもって、対応することができるはずだ。」との言葉を頂戴しました。

 なるほど、たしかに渦中にいると、僕自身、手持ちの知見で何とかしようとするでしょうし、じっさい、発想の転換をするなんて余裕はなかったと思います。

 これが、メタ認知、離見の見で、他人がどのように案件をさばいていくのかについて、当事者意識をもって、客観的に眺められるのだから、これは最高のケース・スタディになります。

 後任は幸い、僕と同期で入った人間ですが、自分でいうのもなんですが、人たらしの僕とはタイプはだいぶ違う、感情に流されることなく、必要な手を惜しまずに最短距離で詰めていくタイプなので、最初のうちは守破離の守で、手堅く前例を踏襲するにせよ、いずれは自分の得意なスタイルに持ち込み、別なアプローチで進めていくことでしょう。

 なるほど、これが組織の人事なんだなあと、思いました。属人的に仕事をすることは、ある意味、関係者の思考停止を招くことになるので、あえて異分子を入れ込むことで、揺さぶってみる。そして、組織の歯車ではなく、個人のキャリアパスを見据えて、仕事が佳境だとか余人をもって代えがたいとかいう話に引きずられることなく、人を動かしていく。

 人生、まだまだ、新たな気づきがあるようです。


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