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短歌:Sensor
「好きだ」って言う声色が悲しくて湿った声は傷つきすぎて/銀猫
「すきだ」っていうこわいろがかなしくてしめったこえはきずつきすぎて
母との関係をうまく築けないまま成長したせいか、母に限らず、相手の機嫌の変化にとても敏感な人間になってしまったんです、わたしってば。怒り出す何歩も手前の段階で気付いて、機嫌を取るなり逃げるなり、身を守る術を確保する訳です。
便利である反面、とても疲れます。いまではもういらない機能なのですが、獲得してしまった機能なので取り外しが利きません。動作しないようにOFFしたいのですが、あいにく、人間はそれができません。デグレードって、存外に難しいんですよ、特に人間の場合は。
というか、そもそも人間のこの機能はオーバースペックだと思うんですが、機能を獲得せざるを得ない人にとっては、ある意味命綱です。ないと壊れるから仕方ないですよね。進化だな。
余談ですが、オーバースペックという言葉は日本語です。いわゆる和製英語です。英語では、overengineeringというはずです。
まあ、そんなこんなでですね、話をしている途中で声のトーンがわずかに変わったとか、空気感が変わったとか、そういうものに簡単に気付いてしまうのです。これ、便利であっても長所ではないと思います。
「好きだ」って言ってくれているなら、その「好きだ」という言葉だけを聞けばいいはずなのに、声がなんとなく悲し気に聞こえるとか、言ってる本人が意識していないものまで感知する必要はないのにね ー ないんだよ。
悩みごとが多かった昔の若いわたしは、たくさんの人やものにぶんぶんと振り回されて生きていました。疲れる人生だったね(笑)
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