猫短歌:雪追い
この街も本格的に雪が降る季節となりました。朝起きたら、それなりに積もっていると思います。そんな勢いで降っています。
寒ければ寒いほど、雪の粒は細かくなります。雪が降るには暖かめの気温だと、雪の粒は大きくなります。
次男猫は、この大きな雪が降るのが大好きでした。じーっと窓の外を見つめ、降りゆく雪を目で追っていました。そしてそのうち、雪を捕まえようとして窓ガラスに飛びついていました。
これは我が家の冬の風物詩でした。昨シーズンの本格的な降雪期、彼は既に闘病中であったのですが、相変わらずこの雪追いをしていました。まるで、ごはんを思うように食べられないこと、苦手なクルマに乗って毎週大学病院に通わなくてはいけないこと、下痢が止まらないこと、自宅で点滴されなくてはならないこと、そんなもろもろのやるせなさを、雪追いで気を紛らわせていたのではないかという気すらします。
窓の外に彼好みの大きなスノーフレイクが落ちてくるのを見て、一年前にはここにいた彼、彼を見ていた自分、そんな他愛のない日常がなつかしくてたまらなくなりました。
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