短歌:ふくれっ面
日本文化の中で生活している人は、「頬を膨らませる」ことがどんな感情を意味するかわかるでしょうが、外国人(日本語が外国語である人、日本文化は異文化である人)はわからないかもしれません。
ジェスチャーはbody languageと言われるくらい言語と同等の働きをしますが、それはつまり、文化圏、言語圏によって異なるものだということです。言語自体は外国で生活しなくても、学習方法によってはネイティヴに近づけることが可能だと思います。でも、ジェスチャーは難しいんじゃないかな。
日本のコンテンツ産業は外資の稼ぎ頭のひとつでもあるのですが、マンガにしてもアニメにしてもゲームにしても、そのあたりの翻訳は非常に大変であろうと容易に推測できます。
以前、ゲーム産業に携わっていた人と仕事でごいっしょしたことがあるのですが、ゲームを輸出するときの、いわゆるlocalize(ローカライズ:現地化)は、なかなか大変な作業のひとつだと教えてもらいました。
今年になってからいきなり沼に落ちた例の少年マンガはアニメ化されていて、コミックスもアニメも世界各国版が出ています。
動画サイトで英語字幕版アニメの一部を見たのですが、万年英語学習者としては、とても興味を惹かれました。英語字幕で全編見たかったのですが、アマプラでは見られませんで、残念。
将来は論文にできるのではないかと思えるくらい(いや、書けませんよ)英語表現で気になることがたくさんあるので、近々趣味と実益を兼ねて、英語版のコミックスを大人買いしようかと思っています。
ちなみに英語の場合、「頬を膨らませる=ふくれている=機嫌が悪い」というのは、puff out one's cheeksという表現がありますが、子どもがする仕草であって、大人の身体・感情表現ではないと感じます。まあ、日本でも大の大人がするには子供っぽい印象があるので、大差ないと言えばないかも。
なお、この短歌の結句「アタマに来ちゃう」は、クレイジーケンバンドの新譜「火星」収録の「頭に来ちゃうぜ」からいただきました。短歌の中で使ってみたかったんです。