嫉妬そして嫉妬|#肉食と草食の物語
会社というところは、男と女しかいないので、好きだの、嫌いだの、そんな話ばかり耳に入ってくる。
子どもか!
ただ仕事をしているだけで、ちょっと雑談をしているだけで睨まれることもある。
嫉妬!
とても面倒臭い。
トイレへ行くのもいつもためらう。
どうか誰もいませんように⋯
扉を開けた時、誰もいなくても安心はできない。トイレまで執拗に後をついてくる女もいるのだ。
逃げられん!
「菜々子さ~ん!林田さんと仲いいですよね~」
あ~きたきた!やっぱりついてきた!
この後輩は林田が好きなのだ。
私は林田のことは何とも思ってないし、こうやって他の女子社員から妬まれるのは面倒臭いんだよ。
嫉妬!
「は?普通でしょ」
「林田さん 菜々子さんのこと好きですよね~」
「え?絶対に違うって~」
あ~嫉妬!
なんとか後輩の質問攻めから逃れ、トイレを脱出すると、今度は会議室の清掃中に林田の先輩がやって来た。こいつも林田が好きなのだ。
また面倒臭いのキター!
「菜々子ちゃんは林田のこと好きなの?」
「え?好きじゃないです」
「そう?仲いいじゃない」
「気のせいですよ。ハハハ⋯」
◈
ある日こっそり林田を呼び出す。
林田~!!いい加減にしてくれ!
あなたのせいで、この職場にいられなくなりそうだよ。女性社員の嫉妬がものすごいんだよ。恐いんだよ。だからお願い!もう私にかまわないでください。頼む!告白とかやめてくれ~
山根あきらさんの企画に参加しました。
Bが複数人になってしまいました。
申し訳ありません。
よろしくお願いします。