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猫短歌:初盆

初盆が近付いてくるきみたちも胡瓜の背中に乗ってみるかい?/銀猫
ういぼんがちかづいてくるきみたちもきゅうりのせなかにのってみるかい?

もし茄子が必要だったら教えてねわたしは用意したくないけど/銀猫
もしなすがひつようだったらおしえてねわたしはよういしたくないけど

 連作です。
 昨年末から今春にかけて、家族猫を2匹見送りました。正直なところ、たぶん今でもロスから抜け出せていません。
 というよりも、そろそろ3年になりますが、2人と5匹の家族だったところ、突然死で最初にお空へ見送った猫がいました。そこからわたしはずっとロスが続いているのだと思います。
 今年ももうすぐお盆がやってきます。去年までは1匹を迎えるだけだったのに、今年はいきなり3匹です。戻ってきてくれるのであればうれしい限りですが、できることなら魂だけでもずっと残っていて欲しい。わたしはそんなわがままな飼い主なのです。

 ところで、わたしが育った家には、精霊馬、精霊牛の習慣がなく、これを知ったのは、マンガ「はいからさんが通る」を読んだときでした。何だか少し、ロマンティックな風習に思えます。

 故人(この短歌の場合は故にゃん)の最初の盆のことを、この歌では「初盆(ういぼん)」としています。わたしの成長の過程で、最も身近な言葉なので、これを選びました。
 同じ漢字で「はつぼん」と読んだり、「新盆」と書いて「にいぼん」だったり「しんぼん」だったりと、地方色があるようです。

 


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