【蒸留日記vol.6】アカエゾマツをミキサーにかけてハイドロ蒸留する!(前代未聞)
えーアカエゾマツ蒸留の続編といいますか、発展検証です!
前回記事で、北海道に生育する針葉樹のなかでもアカエゾマツ(Picea glehnii)はトドマツと比べて精油の抽出量が低いよねって話をしました。
■一般的に精油は植物のどこに含まれてるかの話。
植物における精油成分はいったいどこに隠れているの?と言うと、
①ラベンダーなどシソ科のハーブ類だと、葉っぱや花びらの表面にある楯状腺毛という匂い袋のような組織に詰まっています。
②ミカンやオレンジなど柑橘類には、皮表面のプツプツ(下画像)のようにみえる油胞組織に詰まっています。
じゃ針葉樹は?
というと、まだ調べてないのでわからないのです(笑)えへへ
おそらく!
葉っぱの細胞中のいわゆる師管である樹脂道や樹脂細胞といった組織に含まれているんじゃなかろうか?と思いました。
なので、、、
ボタニカル材料である葉っぱをミキサーでバラッバラにしちゃえば、最高に精油採れるんじゃね!?
って思ったわけです。
いままで葉っぱを細かくちぎってたけど、もういっそペーストにしちゃえば細胞も壊れて中の成分存分に溢れ出るよね!ということで。。。
■で、さっそくやってみた。
アカエゾマツスムージ、松の葉ジュース、針葉樹半ペースト。。。
呼び名はいろいろ思いつきますが、この世のものとは思えないボタニカルジュースが出来あがりました。(前代未聞やろ…)
香りはエグいか?というとそこまでではなく、しっかりエゾマツの匂いがします。(でも飲んだら死にそう…)
ただペーストにする際お湯を加えたので、ミキサーは溶け出た松ヤニまみれに、、、
ああ!でも松ヤニはペイント薄め液や灯油など揮発油類で洗えば一瞬で溶けて落ちるので楽チンです!
(紙で拭いてしばらく常温放置しましょう!灯油臭さも揮発して消えちゃいます!)
さすがに25L鍋満杯分の葉っぱをミキサーするのは億劫だし、蒸留釜の重量がとんでもないことになるので、今回蒸留するボタニカル量は気持ち少なめにしました。(まだまだ残ってるんだけどね…)
これらをひたすらミキサーでペーストにしていきます。
ただ硬めの針葉樹の葉っぱを連続でミキサーしまくると、さすがにミキサー壊れそうなので、お湯を加えてペーストしやすくしました!
鍋に材料ぜんぶぶちこんだらこんな光景になりました。
うーん、良い見栄えはしませんねw
何かバイオマス発酵槽とかバイオ燃料つくってるところみたい。。。
(絵面が相当アレなので、いつもの画角ではありますがヘッダー使用を控えました笑)
で、これを煮立たせて出てきた蒸気を結露させて精油を採ります。
成分的には定常通りの方法と変わりないので、ちゃんと採れるはず。
■針葉樹ハイドロ蒸留の結果は…!?
葉っぱだけを釜に突っ込んで蒸留した時となんら代わり映えのない、いつもと同じ量のアカエゾマツ精油が採れました。
色も香りもノーマルな葉っぱの蒸留となんら変わりなし。。。
なんだ、手間のわりにあんま変わんねぇじゃん・・・といった印象。
「素材を粉砕しようが」「そのまま蒸留しようが」結果的に採れる精油の量に大きな変化はなさそう。(針葉樹に限って言えば!)
なので、フツーに採れたての葉っぱを突っ込む方がラクだししっかり精油採れてるみたいです…!
そうかー…笑
しっかり針葉の葉っぱの中の成分までスチームだけで抜き出せてるっぽいです。
今回は思わぬ方向に実験結果が転がりましたが、しっかり勉強になった検証回でした!!
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若い人がどんどん減る地元【三笠市】もついに人口7000人台目前。 朝カフェやイベントスペースを兼ねたラベンダー園で今いる住民を楽しませ、雇用も生み出したい。そして「住みよい」を発信し移住者を増やして賑やかさを。そんな支援を募っています。 畑の取得、オイル蒸留器などに充てます。