【蒸留日記vol.82-2】暑すぎるのでミント精油を得る!〜粉砕蒸留編
さてさて!
今回はあっついあっつい夏を涼しく乗り切るための蒸留家の贅沢な実験回その2!
ミントの蒸留方法を変えて実施してみます!
こちらは前回「ミントの葉茎をそのまま蒸留してみた回」でっす。
・・・おそらく頂芽・若葉の状態を観察するとそこまで毛むくじゃらではないミントであり、香りもアップルミント(Mentha suaveolens)よりハッカ辛い香りがするのでおそらくスペアミント(Mentha spicata)なのではないかなぁ〜と読んでいます。
■前回はそのまま蒸留、今回は粉砕蒸留!
このvol.82-2で比較実施している「粉砕蒸留」という方法は、葉っぱ(Leaf)茎(Stem)花(Flowering top)に精油が含まれているアキレア(A.millefolium)ならびにミント類(Mentha)などに適応できる素材の加工方法。
一応フランスのラベンダー産業史でも同様の収穫蒸留方法「Vert broyé」が開発されて粉砕蒸留が行われていましたが、ラベンダー精油に青臭い風味が着いてしまうことからすぐに新しい収穫蒸留法に取って代わられました。
ラベンダーで葉茎ともども粉砕して蒸留を行うのは花精油の香りの他に青臭さの増長を招いてしまうのでエラい不評な蒸留法やったんです。
が、精油の含有部位が植物細胞中であるミントとなると話は別で、逆に粉砕蒸留法が効率的な精油の抽出「早い抽出」「コスト減」「植物素材中に成分を残す事なく抽出可」が実現できるのではないか!と読んだワケです。
(スペアミント全図)
スペアミントは育つとこのような姿に。
How using Method?
どうやらラベンダーと違い、アキレアのようにMenthaは茎にも香気成分を含んでいるようなのです。
"発生"から(その部分の植物体を形成する細胞が成立してから)時間が経っているであろう太い根元の茎を切断し断面の香りを嗅いでみるとしっかりミント臭がするんですね。
おそらくラベンダーとは異なった部分に香気成分を含んでいるからなのだと思います。
■素材調達&蒸留準備!
家の近場に一箇所ミントがもっさり生えてる箇所をみつけたのですが、よーくよく見渡してみるとやはり近辺にも大繁殖していました。
なのでほんの15分ほどでこんなにも大量に集めることができました。
いくら粉砕してコンパクトにするとはいえ、おそらくこれ全部が1度に蒸留釜に収まるとは思えない物量です。。。
アキレア蒸留ぶりにこいつを動かします!!
茎が太いので粉砕しがいがありますね!!
でとりあえず粉砕完了。
無論このバケツがすべての量ではなく、バケツ山盛りだとバケツ重量920gを差し引いて3716gの塊になっています。
少なくとも5キロ分くらいはありそうです。
当然全部収まりませんでした(笑)
なので2回に分けて蒸留します。
今日くっそアチチDayなのでいくらか揮発してロスしてしまいそうですが致し方ない。。。
蒸留釜いっぱいに素材が詰め込まれているので、蒸留時間を2時間としました。
しっかり精油分を抜き出してやるつもりです!
■蒸留結果は…!?
蒸留1回目!
蒸留開始10分程度で厚いオイル層ができあがる。やはり抽出速度は早い!
そして、やはりミント蒸留は蒸留水が白く濁る!
蒸留2回目
蒸留2回目では精油にうっすら色をつけるためにアキレアを2本放り込んだ。
蒸留1時間経過あたりでこのように色の変化が。