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手に馴染んだものがいい

ほんの小さなことだけれど、最近コットンを買い替えた。
ふいに、いつものものでないものを選んでしまったら、使い心地が異なって、なんだか不自由でしょうがない。

ここ10年くらいのうちに、日用の消耗品は、すっかり自分の中で定番化してきたように思う。

いつもと同じ物を選ぶ。
なくなってきたら同じものを買い足す。
いわゆる、リピ買い。

そうして、時間をかけて、暮らしのスタンダードが整ってきた。

たとえば、
食器用洗剤は、フロッシュのアロエベラ。合わせて使うスポンジは、おさかなスポンジ。
柔軟剤は、レノアのオードリュクス。
お掃除は、なにもかもウタマロクリーナー。
お手拭き代わりには、ムーニーのおしり拭きを。
バスソルトは、MARKS & WEBで季節の香りを選ぶ。
件のコットンは、MUJIの剥がして使えるタイプが定番。

暮らしの中の小さな小さな部品たち。
自分の手に馴染んでいることが、私にとって、暮らしの心地よさの基準。
決めてしまえば、迷わない。

以前は、新商品をワクワクしながら試していた。
そうすることが、アンテナ高く暮らすことだと思っていた気がする。

そうした欲よりも、馴染んだ使い心地であることが、自分の中では大事なんだと思うようになったのは、いつからだろう。
頑固になっただけかもしれないけれども。。

日々、新しい商品が開発され、リリースされ続けている。
広告はきらびやかだし、新しいものを生み出そうとする努力や意欲には、消費者としていつも感服する思い。

一方で、そうした新商品の波に淘汰されることなく、長く続いている品たちは、いろんな人の手に馴染んできて、いまもあり続けているのだろう。
そういう品たちへの信頼はやはり厚く、それらを長いこと使えているということは、自然と自分もそうやって一般化し定番化された選び取っている、ということになる。

定番。スタンダード。
新しさという価値も捨て難いけれど、古参的な手堅さに寄り添うようになってきたんだなぁ、と実感する。
同時に、多くの手に馴染む定番の品をつくりだせたら、開発者としては、至上の喜びなんだろうな、とも。

結局のところ、定番は、心地いいわけで。

コットンは、いまのものを使い終わったら、やっぱり元に戻そうと思う。

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