「頭が疲れる」仕組みを知って自分にあう解消法を見極めよう
「頭が疲れている」「脳疲労」「脳過労」と自覚のある方は、たくさんいらっしゃると思います。
以下に2つケースを挙げます。
ケース①:頭の中がとっ散らかっている
朝イチの会議でA案に決まったけど、●●さんのタスクが遅延しているから明日は着手できないから私がやらないでしょ…
あっ!午後の会議の資料をレビューしなきゃ!
▲▲さんからチャット来た。何だなんだ?トラブル?!
お客さんから電話来ちゃった!■■の件かな。
とりあえずこの後のオンライン会議はミュートで参加しておかなきゃ!
ケース②:漠然とした不安の持ち主の場合
昨日、勢いで服買っちゃったな。老後のために貯金しなきゃいけないのに。
色々我慢しなきゃいけないのか。私の幸せっていったい何だろう…。
頭がモヤモヤしてて全然眠れないよ…。
いずれのケースも同じ状態が続いていたら疲れてきますよね?
実はこの2ケースは、疲労を引き起こすメカニズムが異なっています。
ご自身がどちらの脳疲労に悩まされているのかを振り返りながら脳の疲労のメカニズムを知り、自分に適した対処法を選べるようにしましょう!
1. 頭の疲れを引き起こす脳の活動「DMN」とは?
頭の疲れを引き起こす脳の活動があります。
その名も"デフォルトモードネットワーク"
(Default Mode Network:以下DMN)。
意識的な活動をしていない時に働く脳の基本的な活動で
ぼんやりしている時に以下の脳部位が働く脳回路のことを指します。
内側前頭前野(自己認識や統制)
後帯状皮質(感情処理、記憶処理、ストレス下で過剰に活性化)
楔前部(視空間イメージ、エピソード記憶の再生、自己処理)
下頭頂小葉(空間認識)
2. DMNの役割
DMNは、車でいう"アイドリング状態"であり
いざという時のためにDMNを働かせて待機しているというわけです。
またDMNは、とりいれた情報を整理するという役割もあり
DMNの働きによって頭がスッキリして話したり書いたりする際の
アウトプットにつながっていきます。
3. 「とっちらかった頭の持ち主」に起きていること
とっちらかった頭の持ち主の場合、
DMNが非活性の状態となっていることによって頭の疲れが起きています。
日々の生活でスマホやテレビなどから情報が次々と入ってきてしまい
DMNが働く隙がなく、情報の整理がされずに頭の中がごちゃごちゃしてしまいます。
余談になりますが、株式会社ネオマーケティングによる20代~60代以上の男女1000名を対象としたアンケートによると、
疲れた時の「癒し」として20代の25.3%が
「PCやスマートフォンで動画を見る」を選んでいるとのことでした。
癒しのつもりでしていることが、余計に脳を疲れさせていることになっているとは皮肉ですね。。
4. 「漠然とした不安の持ち主」に起きていること
一方で漠然とした不安の持ち主の場合、
DMNが働きすぎていることで頭の疲れが起きています。
先行きを不安に感じたり、過去の出来事についてクヨクヨと考える=反芻思考に陥り「心ここにあらず」で目の前のタスクに集中できない状態になっています。
ちなみに、DNMの活動はすべての脳のエネルギー消費のうち50~60%を占めいます。けっこうなエネルギー消費量ですよね。そりゃ疲れますよ。
5. 脳のお疲れ解消法を選ぶポイント
最後に、とっちらかった頭の持ち主と漠然とした不安の持ち主それぞれの方にとってどんなお疲れ解消法を選べばよいかポイントを挙げます。
「とっちらかった頭の持ち主」の場合
DMNの非活性状態から活性化を促していくためには、
根詰めた仕事や勉強、情報のインプットから離れることが良いとされています。
ポイントは、ぼんやりした状態を作り出すこと。
妄想にふけるといったことができる方は解消しやすいでしょう。
何もせずボケーっとするのが苦手だった人もいるかと思います。
そんな時は「無心活動」。
具体的にはお菓子づくりです。
ひたすら生地をこねたり、泡だて器で生クリームを立てたりしていました。
やることが決まっていて手足を動かす活動であればOKです。
「漠然とした不安」の場合
働きすぎているDMNを落ち着かせることが求められます。
未来や過去のことに思いを巡らす回路を断つには、今に集中することがポイントとなります。
今に集中するとは何か?
今実際に活動していることそのものに注意を向けることです。
例えば歯磨きは、どうしても明日の予定を考えたりテレビやスマホを片手にやりがちですよね?
こうしたながら活動を止めます。
歯磨きを終えるまで目を閉じて手を押したり引いたりして、どこの筋肉を使っているのか、歯茎に刺激が入ったところがどこなのかといった感覚に集中します。
どうしても慣れた動きなので、途中で飽きてしまい続けることが難しいかもしれません。
もうひとつ例を挙げるなら、ヨガです。
特に、ゆっくり丁寧に呼吸をし身体を動かして手足一つひとつの動きに意識を向けるようなヨガをすることで、今(身体に起きている「体温が上がる、鼓動が高まる、筋肉が伸び縮みするなど))に集中することができて余計な思考が巡るのを防げるようになります。
Yoga Siestaでは、まさに呼吸や心身の調子をみながらウォーミングアップをしてヨガのポーズを取りながら身体の変化を感じ取る練習をしていきます。
漠然とした不安に悩んでいる方は、一度オンラインヨガレッスンに参加いただければと思います。
お待ちしています!
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参考文献
株式会社ネオマーケティング. 全国の20歳以上の男女1000人に聞いた「疲労対策に関する調査」.
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000099.000003149.html (参照 2022-12-10)
久賀谷 亮.『世界のエリートがやっている 最高の休息法――「脳科学×瞑想」で集中力が高まる』ダイヤモンド社, 2016