古典に挑戦したい方におすすめ!名著10選
あいさつ
皆さん、こんにちは、こんばんは!koten.bookです!
今回、いきなりですが初心者向けの古典10選を独断と偏見で紹介してみようと思います!
というのも、インスタのDMでやりとりをさせて頂くときに「初心者向けの古典はありますか?」とよく聞かれます。
なので予め、このnoteで丁寧(長文)な紹介をして、「詳しくはこれを見てください笑」と言える状況にしておきたいと思いました😺
では、早速以下で紹介していきます!!
1冊目 プラトン『ソクラテスの弁明』(光文社古典新訳文庫)
初心者向けの哲学書を紹介する場合に必ずと言っていいほど登場する『ソクラテスの弁明』!
その理由は、著者プラトンの書き方にあります!
こちらの本、なんと哲学書なのに物語(対話篇)となっております!(というかプラトンの著作は全てこの形式です)
主人公を、師匠のソクラテスとして、対話相手をバッサバッサ論破していく、そんなイメージの本です!
そんなプラトンの著作の中で、『ソクラテスの弁明』は分量も少なく、必要とする予備知識もほとんどいりません!
この本を読むうえで必要な予備知識は、ソクラテスは現在、裁判に訴えられて、これからその弁明をしようとしている、というシーンから物語が始まっていく!
そのことだけ知っていれば大丈夫です!
ちなみにですが、ソクラテスは中々クレイジーな弁明をするシーンがあります(笑)
「俺は悪い事してない!むしろ良い事してきたんや!やから、刑罰じゃなくて、褒美をよこせ!」
的な感じの事を(爆笑)
実際の文章だと、
正義にそくして私に値する刑罰を求めるべきなら、これを申しでます。つまり、プリュタネイオンの食事です(プラトン著,納富信留訳『ソクラテスの弁明』2019年,光文社古典新訳文庫,86項)
※プリュタネイオンの食事=豪華料理
ソクラテスさんハンパねぇ〜
この本で学べることは「無知の知(不知の自覚)」「知徳合一」「魂への配慮」です!これらに興味・関心・疑問のある方は是非手に取ってみてください!
2冊目 ルネ・デカルト『方法序説』(岩波文庫)
『ソクラテスの弁明』と並ぶ初心者向けの哲学書です!恐らく、初心者向けの哲学書ランキングみたいなのを作るとしたら、この2冊がトップ2を争うことでしょう(笑)
なぜ、こちらの本が入門者向けなのか?理由は簡単、著者のデカルト自身が、学者以外の人にも向けて書いた本だからです!つまり、デカルトによるデカルト哲学の入門書なわけです(笑)
しかも、分量は約100ページと少なめ!全6章で構成であり、各章が約20ページ前後で終わる為、1日1章ペースで読んでも、全然キツくありません!
なお、著者のデカルトさんは数学でおなじみ、X軸Y軸を作った人です!X軸Y軸に学生時代苦しめられた方は彼に文句を言いましょう(笑)(この本を読むうえで数学的知識はもちろん不要です)
この本で学べることは、「思考術(4つの規則)」「生き方(3つの格率)」「批判的思考(疑うことの大切さ)」といったところでしょう!
ちなみに、有名な「我思う、ゆえに、我あり」という言葉はこの本に出てくる言葉です!興味・関心を持った方は手に取ってみてください!
3冊目 ジョン・ミル『自由論』(岩波文庫)
こちら、2020年に岩波文庫から新訳で出版された『自由論』ですが、そのせいか文章が大変分かりやすいです!新訳恐るべし...
タイトル通りに自由を論じている本です!といっても自由には様々な種類がありますよね?身体の自由、学問の自由、経済活動の自由...等々
この本で論じている自由は、言論の自由です!私達は自分と異なる考え方の人や、少数派の主張を侵害してはいけません!言論の自由の侵害・抑圧は社会の不利益とすらなりえます!
「なぜそこまで、言論の自由を推すのか?」そんな、疑問を抱いて頂いた方は是非この本を手に取ってみてください(笑)
どうしても今気になるという方は、過去に自分のインスタグラムの投稿で解説しているので是非そちらを(笑)(もちろん、私のインスタの解説は『自由論』のごく一部です)
この本を読んで学べることは、「言論の自由の大切さ」「自分が過去に他人の主張を侵害していなかったか反省できる」「多数派の主張が正しいとは限らないこと」(それ即ち、民主主義や多数決に対する新たな知見が得られる)
特に、法学部の方にはおススメです!憲法21条に表現の自由が、何故あるのか知りたくないですか?(笑)一つその理由が分かることでしょう!
※光文社古典新訳文庫からも出版されてるので、自分に合った訳を選んでみてください
4冊目 孫武『孫子』(岩波文庫)
西洋古典ばかり贔屓するのも悪いので、そろそろ東洋古典も出していきましょう(笑)
ビジネス書・実用書界隈でよく見かける『孫子』ですが、私が『孫子』を古典初心者におすすめする理由はそこにあります!つまり、『孫子』を応用したビジネス書・実用書が、実際の『孫子』を読むうえで良い解説書になるのです!
じゃあ、「ビジネス書・実用書を買わないと分からないのか!?」と言うと、そんなことはありません!私がおすすめしている岩波文庫訳は口語訳と現代語訳の両方で読むことができます!
1冊で訳が2つあるのは中々お得ですし、読解にかなり役立ちます!!
今更ですが、こちらの『孫子』は戦争における戦略術の本となっております!「なぜそんな本がビジネス書に!?」と思われるかも知れません。答えは簡単、「その戦略術がビジネスに応用できるから」です!
つまり、この古典はビジネス書・実用書が好きな方には特におすすめの一冊と言えるでしょう!
因みに、『孫子』はアニメ「ジョジョの奇妙な冒険」第二部の主人公、ジョセフ・ジョースターが作中で、たまに引用してますね。ジョジョ好きの方にもおススメの一冊です(笑)
この本を読んで学べることは、「戦略術とその応用」「ジョセフ・ジョースターになる方法が分かる」といったところでしょう(笑)
※口語訳と現代語訳の両法ある訳は岩波訳以外にもある可能性があります。是非探して見てください。
5冊目 アドラー&ドーレン『本を読む本』(講談社学術文庫)
さぁ、マニアックなのが来ましたね(笑)こちらをおススメする理由は20世紀に書かれた本であることから、文章や言葉遣いが現代とほぼ同じだからです!正直、今年書かれた本と言われても信じてしまいます(笑)
そんな20世紀に書かれたこちらの本!私事ではありますが、もっと早くに出会っていたかった本ぶっちぎりの1位です!!(私も最近読んだ本なんです)
その理由、なんとこの本!!古典の読み方に特化した読書術の本となっています!(もちろん現代の本を読むうえでも十分応用可能)
つまり、読みやすい古典だから初心者におすすめなだけでなく、そもそも古典の読み方を教えてくれる古典ということから、今回紹介させていただきました!
古典の読み方を教えてくれる古典...しかも、難しくない...紹介するのが当然の本ですね(笑)
この本を読んで学べる事は「選書テクニック」「1冊の本を極める方法」「哲学書・歴史書・科学書・文学・戯曲・叙事詩の読み方」「レポート・論文を書く上での本の読み方」です!
気になる方は是非手に取ってみてください!!
余談ですが訳者は『思考の整理学』で有名な外山慈彦さんです!
6冊目 セネカ『人生の短さについて』(光文社古典新訳文庫)
想像してください、貴方は今、自分の時間というものに対して深く考えています。そこで、友人のセネカさんに相談してみることにしました。後日、セネカさんから貴方の相談に対する返事の手紙が届きました。
さぁ、この想像さえできてしまえば、この本を読むことは比較的簡単です!なぜなら、こちらの本はセネカさんが、実際知り合いに宛てた手紙だからです!
つまり、論文のように論じているのでなく、手紙であることから気軽に読むことが可能です!
本(手紙)の内容としましては、「なぜ人生が短く感じるのか?」「なぜ時間が足りないと感じるのか?」みたいな悩みに対してアドバイスや気づきを得られる本(手紙)となっています!
この本を読んで学べることは、上述したことと同じですので、今回は割愛します。
7冊目 ヘミングウェイ『老人と海』(光文社古典新訳文庫)
「哲学書ばっかり贔屓するな~」「小説もやれ~」
はい、お待たせしました(笑)そろそろ小説の古典を紹介させて頂きます!
小説で読みやすい古典と言われたら私は『老人と海』を想像します。
なぜならこちらの本、文章がかなりスタイリッシュであるせいかスピーディーに物語が進み、気づいたら読み終わってたという経験があります(笑)
私のこの表現が分かりにくいかもしれませんが、本当に文章がスマートなんです!そのスマートさが理解しやすく感じたのかも知れません(もちろん、それが苦手な方もいらっしゃるかもです)。
そのことから、私はこちらの『老人と海』は物語よりも文体に、大きな芸術性を感じました!気になる方は是非手に取ってみてください!(※あくまでも私個人の感想ですが)
8冊目 フィッツジェラルド『グレート・ギャッツビー』(光文社古典新訳文庫)
皆さま、少し前に大流行した音楽、「パーフェクトヒューマン」という曲はご存知でしょうか?
オリエンタルラジオの中田さんと藤森さんが主体となって歌ってる曲ですが、そのPVを見て頂きたい!!なぜなら、そのPVの世界観は『グレート・ギャッツビー』そのもの...というか、それを参考に作ったらしいです(笑)
この本をおすすめする理由は、現代でもかなりの人に愛されている作品だからです!ハリウッドでも上映(レオナルドディカプリオさん主演)されてますし、物語の魅力は抜群です!
なお、現代の作家である村上春樹さんも大好きな著作であるらしく、彼が訳した『グレード・ギャツビー』もあるみたいです!
研究者の斎藤考さん曰く
いかにも「村上春樹さんの文章だ」(斎藤考,『難しい本をどう読むか』2021年,草思社,23項)
とのことです!つまり、村上さん訳で読むならば、春樹ストの方にも刺さる可能性が大ですね(笑)
勿論、春樹ストではない方にもおすすめです!
因みに、ギャツビーというのは人名ではありますが、主人公ではありません。主人公がギャツビーなる人物と共に過ごした思いでを物語っていく構成になっています!これさえ、分かっていれば恐らく読めます!
9冊目 シェイクスピア『ハムレット』(ちくま文庫)
真打の登場といったところでしょうか?お待たせしました、シェイクスピアです(笑)
私個人の感想として、(シェイクスピアの)ちくま文庫訳はかなり読みやすかったです!文章が馴染み深い表現で書かれています!
そんな中、『ハムレット』を選んだ理由はシンプル!!超有名だからです(笑)
ぶっちゃけ、ちくま文庫訳のシェイクスピア著作はどれも読みやすい印象です!なので、超有名なのをチョイスしました(笑)
『リア王』『オセロー』『タイタスアンドロニカス』『ヴェニスの商人』等と、シェイクスピアの著作を、ちくま文庫訳で読んできましたが、どれも「むっちゃ、頭に入りやすいやん!」と感じた記憶があります!古典初心者の方には心強いです!!
なお、『ハムレット』に関しては角川文庫訳も負けてません!!むしろ、『ハムレット』に関しては私、角川訳推しです(笑)
といっても、どちらを手にするかは個人の好み!お好きな訳で、世界最高の復讐劇をご堪能ください!
10冊目 坂口安吾『堕落論』(角川文庫)
もちろん、日本にだって初心者向けの素晴らしい古典は沢山あります!しかし、私が西洋古典が好きなせいで、今回最初にして最後の登場となりました💦
(日本文学好き&日本文学に興味のあった方ごめんなさい🙇)
さて、古典初心者におすすめする、坂口安吾の『堕落論』は、エッセイという軽い感じの構成になっております!エッセイですから無茶苦茶構えなくても読めるのがポイントです!
どんなエッセイか?一言で言うなら、人間は弱い、醜い、汚い生き物なのだという事を、巧みな文章で述べている著作です!
人間のダークな部分を主張・描いた著作が好きな方には、これほど刺さり、読みやすい古典は中々無いと思います!(私は恐らく100回は刺されてます(爆笑))
なお、『堕落論』は約20ページほどのエッセイで、角川文庫ではそれ以外に様々な安吾のエッセイを収録しています!
もしも、値段を抑えて『堕落論』とその他少しだけの著作だけで良いという方はハルキ文庫(280円文庫)の『堕落論』をおすすめします!
こちらの方の文庫には、『堕落論』『続堕落論』『青春論』『恋愛論』の4著作が収録されています!(私はこっちで読みました)
当然、最初に紹介した角川文庫にもこちらの4著作は収録されています!
是非、興味のある方はお好きな方を手に取ってみてください!!
最後に
ここまで、貴重なお時間を割いて見てくださった皆様、本当にありがとうございます。独断と偏見ではありますが、今回の私の選書と紹介文で、古典に挑戦したいと感じている方の手助けとなったなら幸甚です。
なお、感想や意見、ご指摘のある方はインスタグラムのDMにてお気軽にしてもらって構いません!(むしろ嬉しい限りです)
最後になりますが、今後も機会があればnoteにて選書コーナーをやってけたらなと思います。ご閲覧いただきありがとうございました。