「ママを休んでよむ絵本」 佐野裕二
「 何一つ 思い出せない 空白の日々だからこそ 心から 心から 『ありがとう』 本当に 『ありがとう』 」
「ママを休んでよむ絵本」 佐野裕二
noteをはじめる前に、いくつかホームページやブログをやっていました。
もう今はありませんが、その中の1つに、趣味のアコースティックギターを使って曲をつくり、音声のブログに載せていました。
歌はなく、曲のみです。
その曲に詩を作ってくださった方がいらっしゃいました。
その方が
本書の著者 佐野裕二さんでした。
驚きました。
嬉しくて、なんども なんども
読み返しました。
佐野さんは、飲食業界のコンサルタントをされていて、ご著書も多数あります。
それが、本当に目立たなくごくひっそりとやっていた僕の趣味のブログに立ち寄ってくださり、詩を投稿してくれたのです。
素敵な詩で、詩人の方かと思いました。
ご著書は、ビジネス書が多いのですが、1冊だけ詩と絵の本がありました。
それが
「ママを休んでよむ絵本」です。
育児の絵本ではなく、ママのための絵本です。
ママとなったひとりの女性が、この詩を読むと、大切な今までの変遷を思い出すのではないのでしょうか?
楽しかったこと
辛かったこと
切なかったこと
よろこんだこと
涙したこと
恋人が、今のあなたに手紙をしたためてくれているような、子どもの頃の風景や匂いを思い出したり、プロポーズの瞬間が胸の奥で回りだしたりします。
きっと、僕の妻も
いちばんうれしかったのは、おなかに命が宿ったことじゃないかな?
「最後のおっぱい」は、赤ちゃんの最初の卒業。
嬉しいんだけど、せつない。
おっぱいをあげているときのしあわせ、抱きしめているときのしあわせ、一番近い距離で赤ちゃんの無心に吸いつく顔を、もう見ることのできないさみしさ、その気持ちが伝わってくるような詩でした。
佐野さんの絵本をはじめて読んだ頃、僕の子どもはまだ物心がついていないときでした。
「こんなにかわいいと思って強く抱きしめても、いっしょにおどけて笑いあっても、お風呂で歌ったりしても、きみはこのことを全く覚えていないんだろうな。」
そんなことを思ったとき、僕自身の「空白の日々」があったことに気づきました。
僕にも物心がついていない頃がありました。
きっと
父や母もかつて、僕が子どもを強く抱きしめているように、僕を強く抱きしめてくれていたんですよね。
「だから、いつか、きみが大人になってきみの赤ちゃんを抱きしめたとき、父と母のことを思いだして、「きみへの思い」を感じてくれたらうれしいなぁ。」
佐野裕二さんの詩は、ほんとうに素敵でした。この絵本以外にも、いろんな佐野さんの詩を読んでみたくなります。
そして
この絵本の絵は、とてもやわらかくて、見ているだけでやさしい気持ちになれます。
ママだけでなく、パパもいろんなことを思い出して癒されることでしょう。
【出典】
「ママを休んでよむ絵本」 佐野裕二 新風舎