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「村上春樹にならう「おいしい文章」のための47のルール」 ナカムラクニオ
「文章力をアップさせるのにたくさんの本を読む必要はありません。好きなただ1人の作家の本を読みまくる、それで十分に筆力や文体は磨かれます。」
「村上春樹にならう「おいしい文章」のための47のルール」 ナカムラクニオ
十分な筆力や文体を養いたい。
あるいは
とにかく人に読んでもらえる
魅力的な文章力をつけたい。
そう思ったとき、ナカムラクニオさんのこの本を読んでみてください。
この本は、作家・村上春樹さんの文章が大好きでそれを学び、文章を徹底的に分析したナカムラクニオさんによる村上春樹的文章と創作の「秘密」なのです。
ナカムラさんはこのように語ります。
文章力をアップさせるのにたくさんの本を読む必要はありません。好きなただ1人の作家の本を読みまくる、それで十分に筆力や文体は磨かれます。
僕は村上春樹さんのリズミカルな文体が好きです。
内容もさることながら、文体だけでも気持ちよく読んでいけるのが最大の魅力だと思います。
これを習得するにはどうしたらいいのか?とこの本を読みながら考えていました。そのヒントとなったのが、好きな作家の文体を徹底的に真似すること。
村上春樹さんご自身も好きな作家から徹底的に文体を学んだそうです。
それをくり返していると、いつのまにか自分の文章を書いている時に、春樹風文体を彷彿とさせる独自の文体を確立しているというのです。
「第2章 村上春樹の文体力」からは、村上作品を味わいながら村上春樹作品を解説し、その特徴や創作力が展開されています。
この本を読んでいると村上春樹作品を読みたくなってきますし、今まで気付かなかった発見がありました。
村上春樹さんの特徴のひとつに、比喩が巧みに文章に取り入れられていますよね。そんな「村上春樹の比喩入門」というのもありました。
気がつくと日はすっかり暮れて、ツルゲーネフ=スタンダール的な闇が私のまわりにたれこめていた。
『世界の終わりとハードボイルド・ワンダーランド』第15章
ナカムラさんは ‶村上春樹〟によって人生が180度変わったそうです。
文章が苦手だった僕が、すっかり文学の魅力に憑りつかれてしまったのです。大切なのは、自分でも書けるかも?と思いこんでしまうことです。
(中略)
文章が嫌いだと思わずに、ぜひ何かを書き始めて欲しいと思います。最初は春樹風でもかまいません。書き続けていくうちに、少しでも自分らしさを出せたらいいのだと思います。
〝言葉〟って普段は意識していないけれど、圧倒的な力があると思います。
〝言葉〟っていう記号だけで心が揺れ、怒り、喜び、涙がこぼれ、人生まで変えてしまう力があるからです。
言葉ひとつで人を幸せにしたり、不幸にしたり。
その言葉の大きな深みを最大の幸せにつなげていけるのが、本や読書でもあるのだと改めて考えさせられました。
【出典】
「村上春樹にならう「おいしい文章」のための47のルール」 ナカムラクニオ 筑摩書房