「ゆっくり力」でいい人生をおくる」 斎藤茂太
「急がばゆっくり、ゆっくり急げ」
「ゆっくり力」でいい人生をおくる」 斎藤茂太
ストレスの語源って、何だと思いますか?
ところで読者のみなさんは、ストレスの語源を知っているだろうか。「一生懸命になって、がんばる」である。
斎藤茂太(シゲタ)さん、モタさんはこう言います。
一生懸命になればそれだけイライラムカムカが募り、ストレスが溜まり、思うような実力を発揮できなくなることも往々にしてありうる。
完璧にしようと思い、ミスをしないようにと思い、あせってイライラやムカムカが溜まってくると、それがストレスにつながるのでしょう。
一生懸命にならないことも大切なんです。
そうはいっても、仕事をしているとそんなこと言ってられませんよね。
モタさんは80%の実力を発揮できれば充分だと自分で思える、心の余裕を持っている方が結果的にうまくいくのではないか。「人生80%主義」を提唱しています。
「楽な気持ちで、力を抜き、焦らず生きていきましょう」ということです。
車を運転している時、目的地に時速100kmを出して焦って行っても信号でひっかかったり、ヒヤヒヤする危険な思いをしたりすることを考えれば、60kmくらいで心に余裕を持って行く方が、日頃気づかなかった風景に出会ったり、季節の移り変わりを感じたり、心に良い影響をあたえることになるのではないでしょうか。
目的地に着くことには変わりないのですから。
そんな「ゆっくり力」について書かれたこの本。
ゆっくりと怠けてラクするというのではありません。
肩の力を抜いて楽な気持ちで、着実に前に進んで行こうということです。
ある稿にこんなことが書いてありました。
僕自身もよく悩む人づきあいのことです。
モタさんは「イヤな人だ」と思ったときに
「半年間だけ」と区切ってみることを薦めています。
この苦痛が永遠に続くものと思ったらイヤになるかもしれない。しかし「半年後には終わる」とわかっていれば、なんとか耐えられる。
「半年だ、半年だ」と念仏のように唱えて、乗り切ってみよう。
半年たってもダメだった場合、
つきあいたくないと思った場合、
そのときは
そのときはつきあいをやめるなり、
思いっきり文句をいうなり、好きにすればいい。
これも、心の余裕につながるのかもしれませんね。
心の視野が広くなっていると、意外にイヤな人ともうまくいってしまうのかもしれないと読んでいて思いました。
心の余裕 = 「ゆっくり力」なんだと。
また別の稿で、モタさんのお母さんは
とてもワガママな人だったと書かれていました。
でも
多くの人たちから愛されたのだそうです。
ワガママだけど愛される。
ってどういうことなんだろう?
それは
感謝の気持ちを忘れない!
そういう人なんだそうです。
感謝の気持ちを忘れなければ、人は、あんがい寛容でいてくれるものなのだ。だから、わがままをした分、「ありがとう」という言葉を、たくさん使わなければならない、といっておこう。これもゆっくり力だ。
母はわがままだったけれど、多くの人たちから愛されもした。それは「ありがとう」を言える人だったからだ。私はそう信じる。
「ありがとう」という言葉には、人の心を浄化させる作用がある。心の中にたまっていたものを流し去ってくれるのである。
このように、ゆっくり力の効用がいっぱい書かれていて、心に溜まったストレスが、この1冊を読むと浄化されてしまうことでしょう。
そして
軽くなった気持ちで、また1週間頑張りましょうね!!
いや
頑張るのはほどほどに!!
心を失うと書いて、忙しい。
だから
ゆっくり、ゆっくり、まいろ~か♪
【出典】
「ゆっくり力」でいい人生をおくる」 斎藤茂太 新講社
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