「ブッダを読む人」はなぜ繁盛してしまうのか。オーラが良くなる読書術」 清水克衛
「慈悲の心を実践する」とは「私も幸福に」「他の人も幸福に」、この2つの幸せが両方とも揃う生き方をしなさい、そうすれば苦しみから自由になりますよ、ということです。」
「ブッダを読む人」はなぜ繁盛してしまうのか。オーラが良くなる読書術」 清水克衛
この本を読むと、「人に喜んでもらいたい!」っていう気持ちになってくるから不思議です。
本のソムリエの清水克衛さん。
ブッダの教えを現代風にわかりやすい口調で語っていて、ブッダという人物が遠い昔の偉大な人物というよりも、とても身近な「良き先生」という感じに思えてきます。
「なぜ繁盛してしまうのか」とタイトルにあったので、「こういう方法を使うと良い」とか、「売れる商品の分析」とか、ビジネス的な要素があるのかなぁ?と思っていました。
しかしながら、まったくそんな話ではなく、商人という視点からみた「人との縁」であったり、「人を喜ばす」という話。また、知恵をだしていくといった商人魂の話、清水さん自身が成幸(せいこう)した体験談などが書かれています。
さて、ここで問題です。
ちょっと考えてみましたが、「挨拶は大切だよ」とか「笑顔は人の気持ちをあったかくするよ」とか言っても本当に子どもに伝わるのだろうか?
押しつけがましくなく言うのは難しい。
もしもこんなとき、たとえ話で心を耕すことができると、「人を喜ばす」ということができるのではないか?
そんなときに助けてくれるのが、「本」だと清水さんは言うのですね。
ブッダは、「対機説法の名人」であったという話がありました。
対機説法というのは、たくさんの人を集めて、全員に同じ話をするのではなく、1人1人に対して、その人の人柄や、心の段階にあわせたお話をするということ。
たとえばブッダは、ある人に説法したことを、別の人には、まったく逆のたとえ話で「臨機応変」にお話することもあったそうです。
またブッダは「愛ある嘘」で、人を幸せにしました。
ここでは、宝彩有菜さん「気楽なさとり方 心がどんどん晴れる」という本から引用したこんなお話がありました。
ある婦人が、お釈迦様の「すばらしい噂」をききつけました。どうしてもお釈迦様に会いたいと言うので、その理由を弟子が婦人に聞いてみました。
と婦人は言いました。
でも、その子を生き返らせるには「あるもの」が必要だとお釈迦さまは言うのです。
何だと思いますか?
お釈迦さまは、「小さなケシの実一粒」でいいから持ってきてくださいと婦人に言いました。
ただし、条件があるのです。
それは
「今まで死んだ人のいない家からもらってきてください」
婦人は、かたっぱしから訪ねて回ります。
でも、そんな家はまったくありません。
婦人は気づきます。
教えられることよりも、自ら気づくということがなによりも大切です。
粋で、いなせで、シャレがきいた愛のあるアドリブができると、人を幸せにすることができるんですね。
また
ブッダの話だけではなく、清水さんの「オススメの本」の紹介があり、それらの本も読んでみたくなりますよ。
【出典】
「ブッダを読む人」はなぜ繁盛してしまうのか。オーラが良くなる読書術」 清水克衛 現代書林