「9割の社会問題はビジネスで解決できる」 田口一成
「生まれた時よりも、きれいな
社会にして死んでいく」
「9割の社会問題はビジネスで解決できる」 田口一成
モヤモヤしていました。
その「モヤモヤする気持ち」が、この本の冒頭に書かれていました。
僕はいつも仕事をしながら、そのように考えていました。
そして、考えた挙句に
まさに、そんな気持ちでありました。
「自分の仕事は本当に社会を
良くしているんだろうか?」
何十年も仕事をしてきてずっと感じてきたことは、社会を良くするというよりも、会社の売上げや利益を上げること。お客様のためというよりも、自分の成績や、自分の出世のこと。ただ「一人称の欲望」のため働いている。そういう風にしか僕には映りませんでした。
建前は「社会」のためであっても、一番に考えることは会社の利益、個人の利益なのです。
田口一成さんの起こした「ボーダレスジャパン」は、それらとは全く違っていました。
田口さんはこう考えています。
大量生産、大量消費、大量廃棄
便利になったと思う今の生活により、生まれた社会問題。
他にも二酸化炭素の排出量の増大
異常気象や感染症の拡大
また所得格差やうつ病などの精神疾患にかかる人の増加
そして、僕が一番気になっている社会問題が自殺の多さです。
本当にこの国の人たちは、昔よりも幸せになっているのだろうか?
田口さんは言います。
田口さんは学生のとき、これといった目標がなかったそうです。自分の人生を何に使うのか、模索する毎日だったと語っています。
そんなある日のことです。たまたまテレビのドキュメンタリー番組を見ていた時でした。
田口さんはこの「ドキュメンタリー番組」を見たことにより開眼しました。社会問題をビジネスで解決しようと思い立った瞬間でした。田口さんの生来の負けず嫌いに火がつきました。
しかし
順風満帆ではありませんでした。それはそうです。どう考えてもマーケットから放置され、儲からない、誰もやらない社会問題を解決するというビジネスは、まったくもって儲かる分野ではなかったからです。
それを田口さんは根気強い交渉、スピードある行動、トライ&エラーを何度も何度もくり返して結果を出しました。ソーシャルビジネスだけで売上55億円。それも一貫した田口さんの哲学を押し通して。
いくら儲かるビジネスプランでも、ボーダレスジャパンはソーシャルビジネスだけしかやりませんでした。
つまり、本当に「助けたい人」のためになっているかどうか、それのみが事業を行う判断基準でした。
たとえ儲かることがわかっていても、利益が出ることがわかっても、「ソーシャルコンセプト」と違っていたら即、軌道修正しました。本当に「助けたい人」のためになるように。
この本を読んでいて気づきました。まっとうなことをやり、困っている人を助ける。真の目的に向かい志を持つことが、他の何をも寄せ付けないパワーになるということ。それをボーダレスジャパンは実際に証明してくれたのでした。
田口さんはこの本で、具体的にボーダレスグループの秘密を惜しげもなく教えてくれています。それは、少しでも多くの社会問題を解決して、より良い世界にしたいと願う志です。これが本当のビジネスのあり方なんだと。
きっと仕事をしている方なら、ワクワクした気持ちになること間違いありません。
この本を読んで考えました。「今の自分の仕事の中で、できることは何なのか?」
この本に書かれてあったビジネスのやり方をリデザインすること。それは今の自分の仕事の中でもできるのではないか?まずは、そこからやってみようと思いました。
そして
「あきらめずに修正を続けていると、必ずうまくいく瞬間がやってくる」という言葉を信じて、社会のために自分のできることを一歩ずつ確実に踏みしめていきたい!
田口一成さんのこのモットーを心に刻みつつ・・・
【出典】
「9割の社会問題はビジネスで解決できる」 田口一成 PHP研究所
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いつも読んでいただきまして、ありがとうございます。それだけで十分ありがたいです。