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「心を高める、経営を伸ばす」 稲盛和夫
「たとえ、常に自分が損をしたとしても、人を信じていく、その中でしか信頼関係は生まれません。信頼とは、外に求めるのではなく、自らの心の内に求めるものなのです。」
「心を高める、経営を伸ばす」 稲盛和夫
この本は、僕が就職した時の研修時に会社で頂いた本です。
当時は、パラパラと自分の興味が湧く内容しか読んでいませんでした。
ずっと、本棚の片隅にあったのですが、今回、本棚から手に取って読んでみました。
すると
読んでいくうちに、眼がどんどんギラギラしてきたことに気がつきました。
なぜ当時の私たちに、人事部の人がこの本を選んでくれたのか?
「いいことを書いてあるから、この本を読みなさい!」とそのときは、形式的に言ってるようにしか思っていませんでした。
何十年もたって、こんな素晴らしい内容の本を、あのときの若造に贈って頂けたのかと、今は感謝とともに人事部の方の熱い熱いメッセージを受け取った次第です。
稲盛和夫さんは、京セラ・第二電電創業者であります。
本書は、社員教育のために社内の書物としてまとめたものでした。それを、PHPの出版社の方が原稿を読んで、多くの方に読んでいただきたいと考えたのですね。
経営の話というと、「難しい内容かな」と思われるでしょう?
ところが
稲盛さんの体験を通した成功の哲学、人生論、リーダーの条件、心の持ち方、その他、社会で生きていくための大切なことが非常にわかりやすく、シンプルに書かれています。
本のページを、めくり、めくり、最後のほうにいくにつれて気持ちが高揚してくるのがわかりました。
本当にためになった話が、いくつもあるのですが、一番大切だと思った話が
私は、人の心をベースにした経営を行ってきました。
言い換えれば、どのようにすれば、強固で信頼のできる心の結びつきというものを企業内において実現できるかということに、焦点を絞って経営を進めてきました。
愛されるためには愛さなければならないように、心をベースにした人間関係を築くには、素晴らしい心の持ち主に集まってもらえるような素晴らしい心を、経営者自らが持たねばなりません。
(中略)
確かに人の心ほど、移ろいやすいく頼りないものもありません。
しかし、世の中でこれくらい強固で重要なものもないのではなかろうかと思います。
歴史をひもといてみても、人の心がもたらした偉大な業績は枚挙にいとまがありません。
また逆に、人心の荒廃が、集団の崩壊をもたらした例も我々は数多く知っています。
心は心を呼ぶということを忘れてはなりません。
『心は心を呼ぶこと』
この言葉は、自分の心に刻み込み、いつでも引き出せるようにしておきたい大切な言葉になりました。
そして
経営、いや、商いにとってこの上なく重要である、これだけ自覚していればいいのではないかと思った話が
商いとは、信用をつづっていくことだと言われています。自分を信じてくれる者が増えてくると、儲けも多くなってくるというのです。
また、〝儲け〟という字は、信じる者と書くのだともいいます。
古くからこのように言われているのですが、私はまだこの先があるように思います。
(中略)
私は商いの極意というものは、お客様から尊敬されることだろうと考えています。
お客様から尊敬されるならば、価格の問題などで買う買わないという話にはなりません。
無条件に買っていただけるはずです。
商いだけではなく、人間関係においても尊敬されることは大事なことです。他の稿でも書かれていましたが「今日一日を一生懸命生きる・一芸に秀でれば、すべてに通じる」ように、日々修練すれば素晴らしい商いができ、仕事の心配をする必要もなくなるのでしょう。
何度も読み返して、自分の血と肉にしたい本でした。
【出典】
「心を高める、経営を伸ばす」 稲盛和夫 PHP研究所