球春到来!これはプロ野球文学のグーグルマップだ!『プロ野球バカ本 まったく役に立たないブックレビュー!』感想

こんにちは!コダカです。
今日はこの季節にぴったりな本を読みましたので感想を書きたいと思います。
映画レビューやJAZZレコードレビューという「レビュージャンル」の本は数あれど、プロ野球、しかも「バカ本レビュー」というのは今まで聞いたことがありません!!

愛憎に満ちたクロマティ本、圧巻のストーリーで超大作映画を凌駕する愛甲本、社会現象にもなったサッチー本とnoteではなかなか触れることのないハードコアな往年の名著が惜しげも無くレビューされ、読書スピードは落ちることなく上がり続けました!!

『さらばサムライプロ野球』著・W・クロマティ R・ホワイティング 訳・松井みどり 講談社
『球界の野良犬』著・愛甲猛 宝島社
『女房はドーベルマン』著・野村克也 双葉社

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まだまだ娯楽が少なく毎日ナイター中継が放送されていた昭和の時代、野球選手は今よりもっと子供たちの憧れであり社会的なスターでした。その中でもスポーツ新聞の一面を毎日飾るスーパースターになると書籍、レコード、TV・映画出演が結構な頻度で行われていたと覚えています。(主にセリーグの巨人や阪神等の人気球団の選手でしたが)

時代の変化とともに、野球選手の本は王道の自伝本から、おもしろエピソード本、暴露本、写真集、健康本、果てはビジネス書と様々なジャンルで出版されています。

この本、何が凄いかというと、そんな多岐に渡るジャンルの野球本を一手に引き受け、社会的ターニングポイントとなるベストセラーからマニアックなイケメン図鑑まで108冊ものブックレビューが掲載されており、とても濃厚な内容になっています。

著者は長谷川晶一さん。プロ野球12球団のファンクラブに10年以上入られていて「12球団ファンクラブ評論家」としても有名で、多くの著作や連載を持つヤクルトファンのノンフィクションライターの方です。

目次
・第1章レジェンドバカ本
・第2章夫婦バカ本
・第3章助っ人バカ本
・刊行特別企画スペシャルバカ本
・第4章若気のバカ本
・第5章読売バカ本
・第6章ウンチクバカ本
・第7章毒舌バカ本
・第8章ノムさんバカ本
・第9章長谷川バカ本
(出典『プロ野球バカ本 まったく役に立たないブックレビュー!』目次より)

ボクが好きなのは第1章の「レジェンドバカ本」。
子どもの頃の景色が重なるおおらかでイケイケの昭和の時代、コンプラ?モラル?なにそれおいしいの?という抱腹絶倒のレビューが並びます。夢を壊さず(?)豪快なプロ野球選手の姿そのまま振舞う元阪神・掛布選手の本もあれば、電車で球場に通いオフは趣味のため小部屋を作り始める元南海のホームランアーチスト門田選手の本など、あまりに面白くて該当書籍を古本屋で探し始めています。

『プロ野球 これはマイクでしゃべれない!』著・掛布雅之 学習研究社
『不惑の挑戦 南海ホークス最後のモンスター』著・門田博光 海越出版社

第4章「若気のバカ本」では第1章の「レジェンドバカ本」の対をなすように、現代のプロ野球選手たちの今風でスマートでありながらもピュアで、ちょっとずれているところが見え隠れしたエピソードに、ほのぼのとします。中でも元日本ハムの森本稀哲選手の『気にしない。どんな逆境にも負けない心を強くする習慣』は本当に素晴らしい。レビューに書かれているように読後、新庄剛志選手のことがさらに好きになりました。(新庄選手めっちゃいい人。)

『気にしない。どんな逆境にも負けない心を強くする習慣』著・森本稀哲 ダイヤモンド社

そして最終第9章「長谷川バカ本」では、なんとご自身の著作もレビューし、他のバカ本だけを言いたい放題にせず、自らも矢面に立つその姿勢に拍手を送らずにはいられません!(笑)

最初ヤクルト寄りのバカ本ばかりになるのかな?と思いましたが、なにせレビューの数が108もあるので、時代もチームも切り口も広く網羅されています。ヤクルトについても著者長谷川さんの取材活動からレビューに留まらず深掘りされていて、特に野村監督にまつわる書籍は他チームのファンながら興味深くページをめくりました。

球場までの電車の中、スポーツニュース終わりのお布団の中でも、プロ野球ファンでもそうでなくても飽きることなく読み通せる1冊です。
もちろん本来のレビュー本として次の読書のためのお供にするのも面白いかもしれませんね。

参考サイト
朝日新聞出版『プロ野球バカ本まったく役に立たないブックレビュー!』著・長谷川晶一
https://publications.asahi.com/ecs/detail/?item_id=20553

最後までおつきあいありがとうございました。

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コダカシュウジ
つたない文章を最後まで読んでいただきありがとうございました。 もっと上手に書けるよう精進します。

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