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【AIによる予測】予測マシンの世紀#5 安さが全てを変える③

こんにちは。シンラボ共同代表の草場です。

AIとの共同に関して、『予測マシンの世紀 AIが駆動する新たな経済』がわかりやすいため、紹介していきます。一つ一つ詳しく見ていきます。重要なため。

目次
はじめに―機械知能
安さはすべてを変化させる
第1部 予測(魔法の予測マシン;「知能」と呼ばれるわけ ほか)
第2部 意思決定(決断を解明する;判断の価値 ほか)
第3部 ツール(ワークフローを分解する;決断を分解する ほか)
第4部 戦略(経営層にとってのAI;AIがあなたのビジネスを変容させるとき ほか)
第5部 社会(AIと人類の未来)

「安さはすべてを変化させる」に関しての続編です。

■安さはすべてを変化させる
前回の記事では、例えば光、コンピュータが何を安価にしたか?を振り返り、その影響を見てきました。そしてAIは予測を安価にすることを見てきました。

ではその影響は?

予測とは、不足している情報を埋めることだ。予測は、あなたが持っている情報(データ)を取り、あなたが持っていない情報を生成するためにそれを使用する。
AIに関する多くの議論では、分類、クラスタリング、回帰、決定木、ベイズ推定、ニューラルネットワーク、トポロジカルデータ分析、深層学習、強化学習、深層強化学習、カプセルネットワークなど、予測技術が強調されている。これらの技術は、特定の予測問題に対するAIの実装に関心のある技術者にとって重要なものである。

私も元々研究者なので、新しいアルゴリズムの技術的な側面が気になります。。。この本では、その技術的な側面ではなく、予測が安価になりもたらされる影響が深堀りされていきます。

この本では、予測が価値のある状況を特定し、その予測から可能な限り多くの利益を得る方法を支援することに焦点を当てている。

では、予測が安価になる影響を見ていきます。

予測が安ければ安いほど、より多くの予測が可能になる。これは単純な経済学だ:何かのコストが下がると、より多くのことを行うようになる。
例えば、コンピュータ産業が台頭して、算術のコストが下がり始めると、算術を活用しているアプリケーションでは、より多くの算術を使用するようになった。
その後、従来、算術を使っていない写真のような分野でも、安くなった算術を使うようになった。写真を化学で解いていたのに対し、算術が安くなってからは、デジタルカメラという算術ベースの解法に移行した。デジタル画像は、0と1の文字列に過ぎず、算術で再構成して見ることのできる画像にすることができる。

具体例がとてもわかりやすいです。しかし、昨日も書いた通り、自分がその時代に生きていたら、算術が安価になった影響でどの分野が伸びるか、予想できていたかは自信がありません。。。
では予測が安価になるとどのようなことが可能になるでしょうか?

予測は、在庫管理や需要予測のような従来の業務に利用されている。さらに重要なことは、より安価になってきているため、従来の予測問題ではなかった問題にも利用されていることだ。

予測は今のビジネスシーンで多数利用されている為、これが安価になると大きな影響が起こる、さらに予測という行為が使われていなかった業務でも、予測が利用され始める、ということです。

ある問題を見て、それを予測問題として再定義する能力は「AIインサイト」と呼ばれており、世界中のエンジニアがそれを獲得している。例えば、交通機関を予測問題に転換している。

ここからは、自動運転を例に、AIインサイトについて説明されています。長いので、端折ります。

自動運転は20年以上前から、制御された環境の中ではすでに存在していた。工場や倉庫のような詳細なフロアプランがある場所にだ。そのため、エンジニアは基本的な「もしも」の論理的知性でロボットを操作するように設計することができた。

制御可能な環境では、自動運転は存在していたと。しかし、例えば街なかは制御可能な環境ではありません。様々な状況(「もしも」)が起こり、その可能性が多すぎるからです。そこで、「AIインサイト」の発揮どころです。

エンジニアは、ナビゲーションを予測の問題として捉え直した。エンジニアは、それぞれの状況で何をすべきかを機械に伝えるのではなく、「人間ならどうするか」という1つの予測問題に焦点を当てることができることを認識した。

さて、どういうことでしょうか?

人間の運転手と車に座っているAIを想像してみよう。
人間は何百万マイルも運転し、目と耳を通して環境に関するデータを受け取り、そのデータを人間の脳で処理し、入ってきたデータに反応して行動する。AIは、車についているセンサーから、そのデータを大量に取得する。
だから、AIは人間が運転すると同時に、人間の行動を観察して、入ってくるデータを観察する。特定の環境データが入ってきたら、人間は右に曲がるのか、ブレーキを踏むのか、加速するのか。
AIが人間を観察すればするほど、人間が取るであろう特定のアクションを予測するのが得意になる。
AIは、人間のドライバーが特定の道路状況下で何をするかを予測することで、運転を学習するのだ。

恥ずかしながら、自動運転をこのように考えていませんでした。。。道路を制御するわけではなく、人間ならどうするかをAIが予測する、という予測問題に置き換えていたのですね。

本日はここまで。明日は、予測が安価になった影響で価値が上がるものは?についてです。

草場壽一
https://sinlab.future-tech-association.org/

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