マガジンのカバー画像

武道から学ぶ現代社会を生き抜く術

7
武道の有段者(合気道弍段)である筆者が稽古や過去の達人の書物を通じて学んだ教訓をまとめています。
運営しているクリエイター

#合気道

合気道マニアック本解説『武道』著:植芝盛平【植芝守高名義】

合気道マニアック本解説『武道』著:植芝盛平【植芝守高名義】

合気道の古い本というのは内容がわからないものが多い。

『武道』なんかもその類で、そのせいかコピー本が2万円で売られてたり、某フリマアプリではさらにそれをコピーしたやつが2000円くらいで売られていたりする。

本物であればコレクター的な価値は確かにあるけだろうけれど、内容そのものについては出して1000円くらいかなと思う。

というわけで、どういう本なのか解説してみる。

武道の概要と入手方法『

もっとみる
中世ヨーロッパの武術

中世ヨーロッパの武術

私は合気道を長らく嗜んでいるが、最近以下の本に出会った。中世ヨーロッパの武術書を絵と共に現代語訳している良書である。

雑感であるが、以下のような気づきがあった。
①中世ヨーロッパの武術は、現代まで継承されているものではない。戦争が続く地域かつ兵器技術の変化が激しく、武術として洗練されずまた文化として残っていかなかった

②ただ、レイピアや徒手格闘はフェンシング、レスリングとしてスポーツになってい

もっとみる
バイオメカニクスと合気道

バイオメカニクスと合気道

バイオメカニクスという学問領域を知っているだろうか。「生体力学」と訳され、物理学や解剖学等の知見をもとに、人体の動きを複合的に捉える学問である。私は専門家ではないが、合気道を考えるきっかけになるかもと以下の本を読んでみた。

一万円弱する教科書だが、体系的かつ基礎的なバイオメカニクスを学ぶという意味で非常に良い本である。
この本を読んで、合気道の稽古のアプローチの一つとして、技の理合を物理学的に理

もっとみる
戦前の合気道の特徴とは何だったのか弟子たちの証言から考えてみる

戦前の合気道の特徴とは何だったのか弟子たちの証言から考えてみる

合気道はよく戦前・戦後でわけられたりするんだけれど、実際のところ戦前の合気道ってどんななの?というのを調べてみた。

ちなみにあくまで証言ベースであり、実は言えない裏話みたいなのは一切考慮してない。

あと、伝書から読み解ける要素もあるけど、長くなるので今回は割愛する。
興味ある人はコチラからどうぞ⇒戦前の武道書『武道練習』『武道』から合気道を読み解く|合気道化師マツリくん (note.com)

もっとみる

戦前の武道書『武道練習』『武道』から合気道を読み解く

そもそものキッカケはこの記事。

戦前の稽古の実態を探ってると、『武道練習(合気柔術伝書)』(1933)と『武道』(1938)からも色んなことが見えてくる。

そんなわけで、先の記事では割愛した部分を解説していく。

メインとなるのは植芝盛平はなぜ技の説明をしないのか?という点だ。ほとんどの弟子が盛平はぜんぜん説明してくれない!技は忘れろとしか言わない。みたいな事を言っている。

その答えらしきも

もっとみる
自然体とは

自然体とは

1.自然体とは何か「自然体」よく聞く言葉だが、その意味を深く理解している人は少ないのではないだろうか。

インターネットで検索すると、以下の定義となる。つまり、自然体とは武道における姿勢にまつわる用語なのである。

私は少し武道を嗜んでいるが、武道において自然体は、体に力みがなく、そして体が捻れていない姿勢を指すことが多い。
自然体は、力が抜けている状態であり、日常生活で何気なく過ごしている姿勢に

もっとみる