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おんなじことを何度もうたう 雲居ハルカ×藤宮若菜 東京編(今回は配信組)

5月2日~6日までの5日間に渡って開催された雲居ハルカ(ハルカトミユキ)と藤宮若菜による短歌と音楽のイベント「おんなじことを何度もうたう」。去年の夏に大阪で行われたイベントの東京編。大阪編では現地で楽しむことができたけど、今回は行けなかったので、配信チケットを購入して楽しむことにした。

■ライブ&トークイベント 会場:阿佐ヶ谷ロフトA (5月5日)
前半はハルカトミユキのライブ、そして後半はトークイベントという内容。

○ライブ
今年初のワンマンでのライブ。ライブは配信で見ていた。カメラワーク(スイッチング)が良く、かなり寄りで映るシーンが結構あって演奏の様子がとてもわかりやすかった。その代わり、照明が変わった時のステージ全体の雰囲気はつかみにくかったけど。それでも十分楽しむことはできた。

・セットリスト
1.シアノタイプ
2.鳴らない電話
3.17才
4.水槽
5.春の雨
6.Vanilla
7.Continue
8.バッドエンドの続きを
9.ニュートンの林檎
10.世界

「水槽」が歌われた。中々ライブで歌われることはないレア曲。短歌好きのお客さんも来ていた思うけど、レア曲を聴けてラッキーだったのでは。「バッドエンドの続きを」でのギター、キーボードを力強く弾く姿は2人編成でも十分カッコいい。(久しぶりにセトリに入った曲だからとりあえず書いておく)

「阿佐ヶ谷ロフトA」には行ったことがないけど、スケジュールを見る限り、ライブだけじゃなく様々なジャンルのトークイベントも行われている場所だそうで。そういえば、大阪で開催されたときの会場「梅田Lateral」もトークライブが多く行われている場所だったな。濃い話が聞ける空間っていいよね。

ライブを見ながら、ステージの後ろに描かれていたイラストがとても気になった。調べてみると、漫画家の長尾謙一郎と大橋裕之とのコラボ作品だった。この長尾謙一郎という方は燃え殻の『すべて忘れてしまうから』で画の担当者だった。確かハルカさんってこの『すべて忘れてしまうから』のPVに曲を書き下ろしていたよなと思い出してみる(曲名は「すべて忘れてしまうから」)。調べてみると色々と発見があって面白い。ちなみに梅田Lateralでも後ろにイラストが描かれていて、描いたのは山本さほという漫画家だった。

○トークイベント
大阪編と同じように、雲居ハルカ、藤宮若菜、そして司会のなべとびすこの3名が登場。内容としては、お互いの好きな短歌を挙げたり、展示されている「春」をテーマにした新作短歌の制作のことや春のイメージについてやその時期の心境などが話されていた。

次に話されたのが新たな試みとして行われた「往復書簡」について。雲居ハルカと藤宮若菜がお互いに短歌だけを送り、短歌だけを添えて送り返すというもので、「光」というテーマだけ決めて行われた。送り合った短歌をどう感じたか、どう解釈したかを話す両者。そして最後に、一人ではなく送る相手がいるからいつもとは違う言葉が出てきたり、いつもとは違うやり方(詠み方)になったりしたと往復書簡をやってみての感想が話された。

今回のトークイベント、聴く側としては、句またがりの解説がとても良かった。まだまだ初心者。とても濃い内容でした。あと短歌が音読されるのって良いね。聴いていて気持ちいい。

最後に通販で購入した『おんなじことを何度もうたう 作品集 -春-』の中から好きなのを挙げておく。

生きるほど言葉は遠い絵のようでわたし狂ったのか治ったのか/雲居ハルカ
高円寺駅にはちょうどいい光 わたしはたまに死を待っていた/藤宮若菜

『おんなじことを何度もうたう 作品集 -春-』雲居ハルカ×藤宮若菜
グッズの歌集(『おんなじことを何度もうたう 作品集 -春-』) と往復書簡の短歌のポストカード。

購入は以下から。



以下は今年の3月に東京に行った時のこと。開催前のイベント会場を回ってきた。

そぞろ書房
3月の上旬、冷たい風が吹いている日だった。高円寺の駅から出て、ぶらぶらと歩きながらそぞろ書房に向かった。途中、服屋の店員が軽装のまま店先で「タイムセール中で~す」と宣伝しながら小声でさむっと呟いていた。そぞろ書房は短歌のワークショップが開かれる場所。今回のワークショップはなべとびすこ、武田ひか、玉置真奈の3名が担当。

扉を開けてすぐ店内かと思ったら違った。階段があり2階へ。
扉前に本コーナーが。
個人宅を訪問する感覚を持ちながら中に入った。

じっくりと店内に並ぶ本を眺めたり、手に取ったり。そして冬雨千晶の写真詩集『残照』を購入した。レシートを見ると気持ちがほっこりする言葉が書かれていた。

GALLERY33 NORTH A / B
街中をぶらぶら歩いて、ある程度時間が経ったから、短歌の展示会場になってるGALLERY33 NORTHに行ってみた。ちょうど、高城菜都未という方の写真展(「はじまり」Dancer/sister)がやっていた。暗い時間帯に行ったから窓から入る光を楽しむことはできなかったけど。昼間だったらきっと良い光が差し込むんだろうな。5月のイベントではここでどういう展示が行われるのか想像しながら写真作品を見ていた。

ギャラリーを出てからは高円寺の駅前にある富士そばでかつ丼を食べた。たまたま入っただけで、後であのお店が富士そばだったのかと気づく。関西にはないからね、富士そば。(料理の写真はなし。いつも撮らない。食への関心がない方だから)食うより飲む派。でも短歌を詠んでみた。

関西に富士そばはないお初ですそばは頼まずかつ丼食らう

「富士そば」、ハルカさんの短歌によく登場している。

ジョークへのうまい返しがわからないメタバースでも富士そばへ行く
異界への入り口である富士そばで人類のふりしている店主

『壊れていてもかまわない』雲居ハルカ×町田千秋

ごちそうさまでした。


○高円寺周辺をスナップ
5年ぶりに訪れた高円寺。変わった所もあれば、変わってない所もあるんだろうな。

東京でゆっくりと過ごせる時間があればここに入るのだが。
(色々と巡る旅行者には無理な話だ、でもいつかはここで)
招き猫ならぬ招き犬。格好からして番犬か(いいのかそれで)
動物の専門学校。かわいい。
黒い猫と青い猫
服屋が以前よりも増えた気がした。
モンドリアンの絵を思い浮かべたから撮った。ちと違うか、まぁいいか。
まだ3月。夕方には薄暗くなる。
主は何処へ。
高円寺、また来ます。

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