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修行って何?

こんにちは
前回に引き続き2回目のバーチャル坐禅会を開催させていただきました。

今回は月曜日に開催いたしましたので、
タイトルは『月曜から坐禅会』にしました。

ご参加して頂いた方ありがとうございました。

また、今回は修行についてお話しさせていただきました。

安居修行とは

お坊さん(曹洞宗)には一つのお寺にこもり、集団で修行生活をする安居という期間があります。

私は令和2年に大学を卒業した後、横浜の大本山總持寺で1年半の修行生活をしました。

仏教が生まれた頃のインドでは雨季になると、僧侶たちは遊行をやめ、外出を禁じて洞窟にこもり、修行に専念していました。
それがインドから日本に伝わり、今のようになったと言われています。

修行僧の1日

これが修行僧の1日の大まかなスケジュールです。

4時に起きて、4時10分から朝の坐禅が始まります。
40分の坐禅が終わったら、みんなで本堂に移動して、朝課(朝のお勤め)をします。
6時ぐらいに朝ごはんを食べます。朝はお粥と胡麻塩と漬物です。
朝ごはんが終わったら、作務の時間です。廊下の雑巾掛けをします。

その後は午前中の仕事や、自分の持ち回りの仕事をして、11時半に昼ごはんを食べます。
晩課(午後のお経)や残りの仕事をして、4時半に夜ごはんを食べて、5時から順番に入浴をします。

8時に夜の坐禅をして、9時に就寝します。
修行僧の1日は大体こんな感じです。

どこが修行?

「普通の生活じゃん、誰でもできる。」って思った人もいると思います。

実はその通りなのです。

私たちの宗派では、滝に打たれたり、何ヶ月も山に篭ったり、何千回と五体投地したりなど、特別なことはしないです。

じゃあ、何が修行なのって思いますよね?

私たちの修行は日常生活の一つ一つなのです。
なので、食事やお風呂、トイレ、歩き方など生活の全てに細かい作法があります。

作法細かい

例えばお風呂です。

お風呂の入り口には跋陀婆羅菩薩(ばったばらぼさつ)という仏様がまつられています。

跋陀婆羅菩薩(大本山總持寺)

『入浴の偈』という短いお唱え事があります。
これを三唱三拝、つまりお唱えをして、礼拝する。それを3回行います。

終わったら、合掌一礼して脱衣所に入ります。

脱衣場で着物を脱ぎ綺麗に畳んだら、浴場の入り口の前でもう一度合掌礼拝して入浴します。

風呂は身体と心を清浄にするための修行道場ですので、一切の私語は許されていません。

入浴が終わったら、また入り口の仏様の前で三唱三拝します。

このように、生活の一つ一つにも細かい作法があります。はじめは作法を覚えるのにとても苦労しました。

作法大事

修行僧の1日は坐禅に始まり、坐禅に終わります。
先ほど、皆様と一緒に坐禅をしましたが、
私たちは坐禅を1番大切にしています。

私たちの坐禅は「無」になる、
つまり、ただ座る、今ここに座っている事に集中します。

そして、修行では日常生活の一つ一つも坐禅と同じように行います。
食事をする時は食事をする、お茶を飲む時はお茶を飲む、掃除をする時は掃除をする、そのように今やっていることに集中して行います。

しかし、食事やトイレ、入浴などって毎日行っているものですので、なんとなくこなしてしまいます。
一つ一つに意識して、集中して行うことは難しいです。

なので私がちの修行生活には作法があります。
一つ一つに作法があるので、今自分がやっていることに集中することができます。

そうすることで今自分がいるこの場所でのこの一瞬を大切にして生きていくことができます。



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