「近代」のお葬式
ブルーノ・ラトゥール『地球に降り立つ(新気候体制を生き抜くための政治)』を読んだ。
今、世界で起こっている変化を鮮やかに捉えた良書だ。本書がフランス語で出版されたのは2017年、英語版が2018年、そして日本語訳が2019年末に出版されたので、内容はコロナ前のものだが、ここでなされている議論は全く色褪せないどころか、コロナによって加速した社会の変化を捉える上で、ますます重要性が増していると思う。
帯にもあるように、人間と自然、グローバルとローカル、右派と左派、といった拗れに拗れた近代の二元的な思考を問い直し、近代を超える新しい座標軸を設定しなおした上で「テレストリアル」という方向性を示す著者の思考は、社会の行き詰まりを前に無力感に打ちひしがれそうになる僕らに、刺激と勇気を与えてくれる。折しも、批評家の宇野常寛さんと対談をする機会を得た直後だったので、そこで話題となった「SomewhereとAnywhereの分断と、Nowhereの台頭」という議論にも通じるものがあった。
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