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『地頭力を鍛える』〜失われつつある“地頭力”で差をつける〜

『言葉の燈』

これから本当に重要になってくるのは、
インターネットやPCでは
代替が不可能なエリア、
膨大な情報を選別して
付加価値をつけていくという、
本当の意味での「考える力」である。

「地頭力とは離れて考えること」

①仮設思考力
こちらから →  向こうへ

②フレームワーク思考力
部分から → 全体へ

③抽象化思考力
具体から → 抽象へ

『どんな本?』

「具体と抽象トレーニング」で有名な細谷功さんの著書です。
インターネット社会の膨大な情報の中で、
それを選別する力、コピーペーストではなく自分で考える力
が重要になってくると語られています。
スマートフォンやSNSの普及でこの「考える力」の価値は
ますます重要になってくると感じます。

具体的に考える方法として「フェルミ推定」が紹介されています。

フェルミ推定とは、
つかみどころのない物理量を短時間で概算すること。
つまり、限られた情報や時間の中で仮説を立て、検証することです。

その例として「日本に電柱は何本あるか?」を考えています。
このフェルミ推定を習慣として問題解決能力、
すなわち「地頭力」を鍛えていく本です。

『学んだこと』

★地頭力=フェルミ推定

 フェルミ推定を使うことで地頭が鍛えられ、
 問題解決能力を高めていきます。

★フェルミ推定の構成

 ①結論から : 仮設思考力
 ②全体から : フレームワーク思考力
 ③単純に  : 抽象化思考力

★仮設思考力

 仮説を立て検証していく。
 限られた条件で完璧は難しい。
 仮設を立てないで闇雲に進まない。

 ※面積あたりの電柱本数を日本全土に展開
  という仮設

★フレームワ思考力

 全体俯瞰をしている人は
 他人に説明するとき必ず誰もが共有できる
 全体像から当該テーマにズームインして入っていく。
 結果、誤解が少ない。

 ※日本全体を都市と郊外に分ける。
  それぞれ電柱を何メートルごとに設置
  されているか設定する。

★抽象化思考力

 「似ても似つかないものに、
  共通性をみいだす」
 =「要するにそれは何なのか?」
 という質問に対する答えというのは
 非常にシンプルなもの。
 本質を理解すれば「三十秒」で説明できる。

 ※モデル化して単純化
  年を20m四方、郊外を50m四方に
  電柱を展開してみる

★地頭力に大切なこと

 ・地頭力のベースは、
  頼まれもしない問題を解決しようとする
  名探偵ホームズと同じ姿勢。
 ・身の回りに転がっている問題を
 「自分ならこうする」といつも考える。
 ・なぜ理由は3つあるのか?
  ①数を宣言することで聞き手の関心を引き寄せる。
  ②人間の短期記憶要領が3つ程度だから。
   2つでは少なく、4つでは多い。
  ③空間が3次元だから3という数字ではないのか。
 ・キラーチャートで表現
  たった1枚の絵で大切なことをすべて伝える。

★地頭力とは離れて考えること

 ①仮設思考力
こちらから →  向こうへ
 ②フレームワーク思考力
部分から → 全体へ
 ③抽象化思考力
具体から → 抽象へ

『読書感想』

先日、ニュースで読書離れが報道されていました。
スマートフォンの普及が大きな要因の一つと考えられます。
そのため読解力が下がっている恐れがあるそうです。
確かに読書をしないと養われない能力があると思います。

・文章を読み、理解する能力
・考える能力

スマートフォンはなかなか考える隙を与えてくれません。
次々動画を再生されて、受け身になってしまいます。

読書が崇高とは思いませんが、
シンプルに文字しか存在しない環境では
自然と脳みそを使います。
なぜなら、人は言葉を使って考えるからです。

そんな考える生活の中でフェルミ推定という
考え方が目から鱗でした。
普段、周りにいる頭が良いと感じる方々は
自然とフェルミ推定に近い思考をしていると感じます。
これから問題に直面したら、まずはフェルミ推定を
思い出して仮設思考から始めたいです。

インターネットの普及、AIの普及。
これからの時代の変化は予測できません。
人間の仕事はAIにとって変わるのでしょうか。
しかし、答えがないものに仮説を立てる。

ゼロからイチを生み出す」

これはAIではなく、人間にしかできない能力だと
思います。
これからの時代こそ、
考える力とコミュニケーション力が
大事になると信じてます。

お猿さんの時代から大切なことは、そんなに変わってません。
ただ、人間に与えられた考える力を有効活用していくとき、
このフェルミ推定を、敷いては本書「地頭力を鍛える」を
知っているか否か。
それは大きな差になると思う。
本書はそのくらい大きな力を持った一冊です。

『言葉の燈〜心に染みた言葉〜』

インターネットによる1億人総白痴化の危機

バーサタイリスト
何でも屋、多芸多才、知能型多能人

膨大なインターネットの情報を最適に活用して
「自分の頭で考え抜いて」新しい知識を生み出す力、
つまり地頭力を持ったバーサタイリストが必要にとなる。

積上君が学んだ考え方
結論から→全体から→単純に

完璧主義の人は「仮設思考」で考えてみる。
不十分な情報で着手できない、
精度の低い結果を出したくない。

時として、スピードが品質より順位が高くなる。
そのために期限を切って限られた時間を
制約条件とした仕事をする癖をつける。
フェルミ推定を用いて「タイムボックス」
の考え方を習得し、時間を区切ってその中で
答えを出す習慣をつく。

最大の問題は「ベクトルが逆転していない人」、
つまり自分中心で考えている人のやり方なのだ。
では「ベクトルが逆転している人」はどう考えるだろう。
相手中心に自分の報告を考えるならば、
最優先で考慮すべきことは
・この報告が相手にとってどんな意味があるのか
・相手にどうして欲しいのか
であり、これを最初に伝えることから始めるだろう。
「自分」からではなく「相手」から考える。

自己啓発本やある道を極めた成功者の体験記
などを読んでいると、必ずといっていいほど「夢をもて」
とか「目標から逆算して今やるべきことを考えよ」
等というメッセージは基本的に
「自分のキャリアプランを仮設思考で考えてみよ」
と言っているのである。

「情報を集めたい病」を克服するのが、
仮設思考の第一歩と考えていただきたい。

仮説を立てて情報収集するメリットは、
仮説を立てて目標を高く持っていると、
情報に対する感度が上がってくるのである。
数字にも関心が上がる。

情報が足りていなくても、立ち止まらない。
曖昧なことは本来の目的に立ち返って
現実的な線で「勝手」に決めて
どんどん前に進んでいく姿勢で臨む。

完璧主義を捨てる。
フェルミ推定は
「限られた時間でとにかく答えを出す」
ことが重要だ。
このことに対して一番の敵はなんだろうか?
それは「完璧主義」である。

「ズームイン」の視点移動で考える。

「牛を球とみなす発想」
物理学者が対象を大胆にモデル化する例。
日本列島を長方形とみなす。
全国の電柱の配置を格子状に近似する。

本質を理解すれば三十秒で説明できる。
「単純に考える」というのは
深く考えないとう意味ではない。
むしろその正反対だ。
ものごとを考えに考え抜き、
突き詰めた結果到達した本質、つまり
「要するに何なのか?」という質問に関する
答えというのは非常にシンプルなものになる。
端的に言ってしまえば、物事の本質を理解すれば、
それは一言で、
長くても三十秒で説明できるものである。

つまり、我々が直面する課題というのは
表面的には違った形に見えるが実は
すでに同じ原因やメカニズムで
起こっているのがほとんどなのである。
したがって「先人の知恵」を拝借することによって、
一から問題解決をしなくても
解決を図ることは可能なのである。

「自分は特殊である」という思い込みを排除する。
本当に特殊と言える部分はほんの一部で、
あとはいくつかの共通化が可能な部分の
組み合わせで成り立っていることが多い。

ところがイノベーションというものは、こういった
「似ても似つかないものに共通点を見つける」
という発想から生まれるものである。

「古い温泉旅館」という例を出すことによって、
今後の対策や課題として話されるであろう事柄を、
一気に先読みすることができたのである。

しかしながら人間の特性として、
「自分を必要以上に特殊視する」
「他者を必要以上に一般化する」
ということがある。
ー。
「近頃の若い社員は…」「最近の学生は…」
が口癖の人は二つの点で要注意である。
一点目は「他者の過度の一般化」
二点目は「自己の特殊化」
(自分の世代はもっとまともだった…)
である。
ある意味で思考停止の一例といえるだろう。
くれぐれもご注意を。

ここで見られるホームズの問題解決への好奇心、
それは「頼まれもしない問題まで解決してしまう」
という姿勢である。
問題というのは何も与えられるものではなく、
その気になれば身の周りにいくらでも
転がっているものである。

小山薫堂氏は著書の「考えないヒント」
の中で「勝手にてこ入れトレーニング」
というものを推奨している。これは
「日々目に入るものを勝手にてこ入れする」
というもので、例えばレストランに行ったり、
CMを見ながら「自分だったらこうする」
というのを常に考えてみるということで、
これも常に高い問題意識を持つべし
ということの一つの表現と言えるだろう。

一枚の絵で表現する。
コンサルタントの世界で「キラーチャート」
と呼ばれるものがある。
たった一枚の絵で対象となるプロジェクトの
概念。分析結果等の必要事項や重要な断面を
すべて網羅し、万人にわかりやすく説明
できる概念図のことである。

筆者は本書の中で地頭力の特徴を
「結論から」「全体から」「単純に」
考えることを定義し、
これらを
「仮設思考力」「フレームワーク思考力」「抽象化思考力」
と呼んだ。
しかしながらこれらの思考というのは
完全に独立なものではなく、
「根っこ」の部分では繋がっている
ように感じている。

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