ビジョナリーカンパニー②飛躍の法則 〜7つの習慣と同じ匂いがする名著でした〜
まず始めに「②から読んでいい」という話。
ビジョナリーカンパニーはシリーズ本です。
ビジョナリーカンパニー②飛躍の法則から読んでOKです!
ぼくも②から読みました。
YouTuberマコなり社長推薦の一冊です。
マコなり社長も②のみ紹介されています。
なぜ②から読んでいいのか。
それは著者が下記の通り語っているからです。
「この本はビジョナリーカンパニーの続編ではなく、
逆に前編なのだと私は考えるようになっている」
迷ったか方はぜひ参考にしてください。
ちなみにシリーズ概要は下記の通り。
ビジョナリー・カンパニー 時代を超える生存の原則(1994年)
ビジョナリー・カンパニー2 飛躍の法則(2001年)
ビジョナリー・カンパニー3 衰退の五段階(2009年)
ビジョナリー・カンパニー4 自分の意志で偉大になる(2011年)
ビジョナリー・カンパニー5 弾み車の法則(2019年)
ビジョナリー・カンパニー【特別編】(2006年)
ビジョナリー・カンパニーZERO (2021年)
ゼロから事業を生み出し、偉大で永続的な企業になる
『学んだこと』
○第五水準のリーダーシップ
万事に控えめで、物静かで、内気で、恥ずかしがり屋ですらある。個人としての謙虚さと、職業異人としての意志の強さという一見矛盾した組み合わせの特徴を有している。
この本が基本的に経営書なのだとも考えていない。自分の仕事は、組織の種類を問わず、そうすれば偉大さが持続する組織を作り上げられるかを見出すことだと考えている。
最高の学生は教師から学んだことを鵜呑みにしない学生だ。データが示すものに同意できないというだけで、データを拒否すべきではない。
謙虚さ+不屈の精神=第五水準のリーダーシップ
第五水準のリーダーたちは驚くほどの謙虚さだ。
ここが肝心な点だが、ゴールドは自分が去った後にかいさが偉大さを維持できる体制を残さなかった。
○だれをバスにの乗せるか
まずはじめにバスの目的地を決め、次に目的地までの旅をする人を決めたわけではない。まずはじめに、適切な人をバスに乗せ、不適切な人をバスから降ろし、その後にどこの目的地へ向かうかを決めている。ここがこの章の要点。もう一つ、偉大な企業への飛躍には、人事の決定に極端なまでの厳格さが必要だということ。
どういう人材が適切な人材なのか。学歴・技能・専門知識、経験などよりも「性格」を重視している。具体的な知識や技能が重要ではないというわけではない。だが、これらは教育や学習ができる。性格や労働観、基礎的な知能、目標達成への熱意、価値観はもっと根深いものだとみている。
どういう人物なのかを知るために、これまでに歩んできた人生で下した選択の理由を質問する。
最高の人材は最高の機会の追求にあて、最大の問題解決には充てない。
○最後には必ず勝つ 〜厳しい現実を直視する〜
被害者研究国際委員会「不祥不屈」の研究。
深刻な危機に直面して生き残った人たちを対象。
分類
①危機の打撃から立ち直れない人たち
②普通の生活に戻る人たち
③危機の経験を糧にして強くなれっる人たち
=飛躍した企業と似ている。
ストックデールの逆説
どれほどの困難にぶつかっても、最後に勝つという確信は失ってはなっらない。それと同時に、それがどんなものであれ、自分が置かれている現実のなかでもっtも厳しい事実を直視しなければならない。著書「愛と戦争」より。
○単純明快な戦略
針鼠型の人
複雑な世界をひとつの系統だと考え、基本原理、基本概念によって単純化し、これで全てをまとめ、全ての行動を決定している。偉大な企業への飛躍を導いた経営者たちは、違いはあっても、全員が針鼠型である。
針鼠の概念は3つの円が交わる
・情熱をもって取り組めるもの
・自社が世界一になれる部分
・経済的原動力になれるもの
偉大な企業へと飛躍するには、「能力の罠」を克服しなければならない。そのためには「成長しているからといって、それで最高になれるとは限らない」と判断する規律がなければならない。飛躍した企業は、無難あ仕事を続けていても、無難になれるだけであることを理解している。どこにも負けない事業になりうる部分だけに注力することが、偉大な企業への唯一の道である。
○人ではなく、システムを管理する
偉大な企業では、第五水準の指導者が持続性のある規律文化を築き上げている。
飛躍できなかった企業では、第四水準の経営者が強烈な力を発揮し、ひとりで組織に規律をもたらした。
※ある会社の子ども手当の支給の話(子ども一人当たり大学4年間に年2000ドル手当)
その従業員は座り込んで泣きだした。その場面は忘れられない。我々がやろうとしていることを見事に遠ら得た瞬間だった(彼には子どもが9人いた)。
止めるべきリストをつくる。
第五水準の経営者は「やることリスト」と同じくらい「止めるべきこと」のリストを活用している。飛躍を遂げた企業は、独自の予算管理を通じて、「止めるべきこと」を止める仕組みをつくりあげている。
○新技術にふりまわされない
飛躍した企業は技術の流行に乗るのを避けているが、慎重に選んだ分野の技術利用は先駆者になっている。
取り残されることへの恐怖に突き動かされない。
○劇的な展開はゆっくり進む
飛躍した企業は贅沢な環境に恵まれたわけではない。
飛躍した企業は、短期的には業績向上の圧力をウォール街から受けている点で、比較対象企業と変わらない。しかし、圧力を受けながらも弾み車による準備と突破を目指す忍耐と規律を持っていた。
間違った買収
調子が悪くなったら買い物に行く。
偉大な企業への飛躍は、外部から見れば劇的で革命的に見えるが、内部から見れば、生物の成長のように積み重ねの過程だと感じられる。
巨大な思い弾み車を回転させるのに似ていて、当初はわずかに前進するだけでも並大抵ではない努力が必要だが、長期にわたって一貫性をもたせてひとつの方向に押し続けていれば、弾み車に勢いがつき、やがて突破段階に入る。
○ビジョナリー・カンパニーへの道
準備段階に針鼠の概念を確立し、その後に弾み車が突破段階の勢いをつけるようになった。
「最初に人を選び、その後に目標を選ぶ」
質素な生活で謙虚さを持った第五水準の経営者。
永続する企業は株主に収益を提供するためだけのために事業を行っているわけではない。本当の意味で偉大な企業にとって、利益とキャッシュフローは健全な身体にとっての血と水のようなものである。生きていくのに必要不可欠であるが、生きていく目的ではない。
医薬品は患者のためにあることを忘れてはならない。
医薬品は利益のためにあるのではない。利益は後からついてくるものであり、われわれがこの点を忘れなければ、利益は必ずついてくる。このことを肝に銘じていればいるほど、利益は大きくなる。
偉大さの永続のために基本的価値観が不可欠だが、基本的価値観がどのようなものなのかは、特に重要ではないように思えるのだ。
時を告げるのではなく、時計をつくる。
BHAG=社運を賭けた大きな目標。
会社を次のレベルに引き上げる、人を奮い立たせるような長期の目標。
3つの円が交わるもの。
・情熱を持って取り組めるもの
・自社が世界一になれる部分
・経済的原動力になれる部分
この本全体の要点は、今回の調査で得られた概念をすでに実行している点に「追加」し、働きすぎがさらにひどくすることではない。いま実行している点のうちかなりの部分が、せいぜいのところ力の無駄遣いである事実を認識することにある。仕事の時間のうち半分以上をこれらの原則の適用にあて、それ以外の点は大部分無視するか、中止すれば、人生は単純になり、実績がはるかに向上する。
単純な方法というのは、チームの針鼠の概念のことであり、「最後に最高の走りを」という単純な標語に示されている。
「走るのが楽しい、レースは楽しい、力を伸ばすのは楽しい、勝つのは楽しい。これがチームの活力の基本になる考えだ。チームの活動に熱意がもてないのだったら、他に集中できるものを探すべきだ」
何か偉大なものを築く動きが自分の仕事では見つからない場合もあるだろう。その場合は他の仕事で探せばよい。
『読書感想』
【個人の飛躍も企業の飛躍も同じ原理なのかもしれない】
本書は経営本の印象が強いと思います。
あくまで企業が偉大な企業へ飛躍する過程を研究しているからです。
そこには共通して第五水準の経営者が存在しています。
ぼくは企業の平社員。
だから本書は雲の上のような方々の話と感じたのかというと、
そうではありませんでした。
経営者が企業を飛躍させるのも、
個人が自分自身を飛躍させるのも、
原理は同じだと思います。
自分自身を飛躍させた方々が、経営者になっていく。
だからぼくは本書を自分自身に当てはめて読みました。
その中で1番印象に残ったのは第五水準経営者の条件でした。
「第五水準のリーダーたちは驚くほどの謙虚さだ」
謙虚でいることが美徳なはずなのに、現代では消えつつある気がします。
謙虚でいると自分が損をする、自分にメリットはあるのかなど、
「自分の損得」をまず考える意見をよく耳にしました。
「尖って目立ってたくさんメディアに出た人が得をする社会」
営業という仕事ではなおさら、この価値観の方々が優秀で活躍しています。
それはそうなんだけど、なんかしっくりきませんでした。
少し違和感を抱えながら、ぼく自身その考えを一定受け入れていました。
そんなとき、本書のこの言葉と出会いました。
心が救われました。
「あぁ、謙虚でいていいんだ」
そう思えました。
謙虚な自分が正しく、他者にも謙虚さを強要したいわけではありません。
ただ、ぼく自身が謙虚でいる方が心地いいだけです。
だからこれからは自信を持って、謙虚に生きようと思います。
謙虚であることは自分よりも、「他者貢献を」大事にすることではないでしょうか。
第五水準の経営者たちは、競争に勝つよりも「社会への使命感」が強かった点から、
そう感じています。
思えば日本の経営の神様と言われた稲盛和夫さんも、
この第五水準のリーダーそのものです。
謙虚さだけではダメことを肝に銘じ、
不屈の精神を目指しながら、
ぼくはこれからも謙虚に、
他者貢献できる道を模索していこうと思います。
ぼく自身の発信が少しでもGREATになるその日まで。
『結びに。訳者あとがきを添えて』
アメリカ型の経営者というと、われわれは全てを分析的に捉え「競争に勝つ」という相対価値を飽くことなく追求する経営スタイルを連想しがちであるが、グレートカンパニーになった企業の指導者たちからは、一貫して「社会に対する使命」という絶対的価値観を追求する強い意志が伝わってくる。
ー。
「使命感」「気概」「情熱」
これらの言葉が死語となりつつある時代にあって、本書はわれわれの進むべき道を考え直すよい機会を与えてくれるように思われる。