採用業務にAIをどう活用していくか? 米国 Greenhouse社・社長の話から今と未来について考える
生成AIの話題を聞かない日がないほど、昨今はありとあらゆる企業や人、ありとあらゆる分野において生成AIが話題になっている。生成AIの話題から逃れようと思ったら、筆者が生活している田舎圏を散策するしかない。幸いなのか不幸なのかは定かでないが、未だに生成AIにまつわる話を聞かずに済む。
道具の発展に一喜一憂するほどに筆者は感情豊かでないが、類似する話を引っ切りなしに目にして鬱屈とする程度の感受性は持ち合わせている。さりとて道具の発展にまつわる話は、職業人として聞き逃すわけにはいかないし、どう使って行くかを考えていかなければならない。
もっとも忙殺される日々の中でそうしたことに時間を費消するのは中々難しく、時間を費消できている同僚達に羨望の目を向けずにいられない。企業方針としてAIの利用を促すにあたっては、その利活用に資する活動に使える時間を工面するのが筋なのだろう。
少なくともAIの業務実装を行えている会社の話を見聞きする限りでは、成功している会社ほどそうした時間への配慮をしており、失敗する会社ほど配慮できていない。AIの業務実装においては社員のマインドチェンジが必要と言われがちだが、現実は経営層のマインドチェンジによる時間工面こそが必要なのだろう。
採用業務へのAI導入の今を 米国 Greenhouse社・ 社長が語る記事を読む
採用業務へのAI導入について、昨今多くの企業が頭を悩ませているのでなかろうか。個人情報を数多く扱い、機微情報の取り扱いも伴う採用業務において、とりわけ情報管理面で多くの課題を抱えるAI利用は難しいテーマである。何せ学習に利用しない一方でデータの保管が行われる可能性があるAIサービスは少なくない。
個人情報の取り扱い以前に、採用業務というシンプルなタスクの積み重ねでしかない業務を紐解いて行ったとき、存外AIの利活用をし難い問題がある。何せ採用業務ときたら、一対一のやり取りが多い上に、様々な他社サービス、他社プラットフォームを組み合わせて使う手前、アンコントロールな要素が多い。
メールの文面を考えてもらう、必要となる資料作成を支援してもらうなどミクロな点でのAI活用は考えられるが、それが本当に業務効率化に繋がるのか検討の余地は多く、仮にそれが効率化されたとて採用業務全体から見ればさほど効率化に寄与していないなんて事実に直面する可能性は決して低くない。
Greenhouse社・社長が示すAI×採用の今
そうしたAIの導入、利活用さえ未だ暗雲が立ちこめている採用業務だが、ならばその業務に利用するプラットフォームそれ自体にAIをミックスしようといった動きがちらほら見られている。Workday などのサービスが代表的だろう。また、AI×採用の文脈においては、Greenhouse の名前もよく見られる。
Greenhouse releases new features, further incorporating AI into its platform
米国のウェブメディア「HR BREW」によるインタビュー記事である。要約すると以下の通り。なお、要約にはGeminiを利用している。
つまり、採用プラットフォームそれ自体にAIを導入することで、採用業務にかかるアクションの一つ一つを効率化しようという動きである。前述したように採用業務は多くの他社プラットフォームを利用し実施されるがために、AIの導入が難しい課題がある。
一方で、候補者とのやり取りや社内各担当者との調整などは、一つのプラットフォームで行われるケースが多い。いわゆるATSと呼ばれるサービスがそれにあたる。確かに候補者を見つけ出すプラットフォームは他社のプラットフォームを複数使わざるを得ない。
しかし見つけ出した候補者とのやり取り以降は、一つのプラットフォームに一元化してしまって何ら問題ない。そこで行われる業務にAIの力を取り込めば、少なくない工数を削減でき、業務効率化の効用を高められるに違いない。恐らく日本のATS提供企業もこうした動きに追随するだろう。
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AI×採用の最前線にいる人物のインタビューを採用業務にどう活用するか
ところで先ほど記事の要約を伝えたわけだが、肝心のインタビュー部分がすっぽりと抜け落ちている。採用業務へのAI導入について多くの示唆に富む内容が書かれているだけに、ぜひ記事を読んで欲しいところである。なお、インタビュー部分も含んだ内容を踏まえて、採用業務にどのような活用を考えられるかをGeminiに訊いている。
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