恩師とのお別れ
今年はわたしにとって訃報の多い悲しい年でしたが、一昨日恩師の訃報を耳にしてとてもショックを受けました。
その恩師は、親子ほど年の離れた社会人になって初めての上司。
学生気分が抜けきれないアホでどうしようもないわたしに対して、毎日のように叱って指導してくださいました。
ただ、一歩職場を離れると終始笑顔、で社員みんなをご自宅にお招きいただいたり、旅行に行ったりと。
唯一の陰口は、仕事終わりにみんなでお酒を飲みに行ったとき、酒の席にもかかわらずわたしの発言など気になることがあると直ぐメモをとっていたこと。これだけは止めて欲しかったなーと仲間で言ってたものです。
その恩師、わたしが海外に転勤する際には、佐々淳行著「危機管理のノウハウ 全3巻」をくださり、
「しっかり読んでおけ!異国で仕事をするにはリスク管理が大事な知識だから。」と。
そのお心遣いに感謝で一杯でした。
それから約5年後、海外からの帰国報告に行った際に、わたしから敬う気持ちを込めて半ば冗談のように、
「これまでの〇〇さんのように、もう誰もわたしを叱ってくれる人がいなくなり悲しい限りです」
と伝えると、
これまでの和やかな空気が一気に冷え込み、
「きみは何を言ってるんだ、きみの役目は既に愛情をもって後輩を叱って育てることなんだ!わかってないのか!」
と本気で叱られたことに、昔に戻った気持ちで喜び笑ったことを思い出します。
本のプレゼントや叱られることに愛情がこもっていたと痛いほどわかります。
今はもう、その感謝も伝えられず、悲しく悔やまれます。
おそらく、近々恩師は天国からわたしに問いかけると思います。
「きみは後輩を愛情もって育てているか!」と。
わたしは応えます。
「今は後輩もいなければ、時代も変わったんです!」と。
そして、
「口ごたえするな、馬鹿もの---!」と聞こえてきそうです(笑)
今では、セクハラ・パワハラ・モラハラ等と言われ、ブラックや理不尽で身勝手な指導は無くなって良かったと思います。
それに苦しんできた人を知ってるだけに。。。
しかし、部下のことを育てるために心底愛情を込めて叱ることも同時に無くなったように思えることは残念です。人によりますからね。
昭和タイプの恩師とお別れとともに、わたしの頭の中からは古き良き昭和時代とも完全にお別れしたような気がしました。
そして、ふと、頭の中をかすめた曲、「千の風になって」。
偶然にも、本日、住職さんである「南無南無さんちの林光さん」が浄土仏教の教えを解説して下さっていて、心が落ち着きました。
最後に、恩師には、
「安らかにお眠りください、そしていつまでもわたしのことを見守っていてください」と。
最後までお読みいただきありがとうございました。
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